馬場本店酒造ブログ

美味しい辛口の日本酒と甘~い伝統白味醂を育てる蔵元

普通酒のおはなし

2019-03-29 14:14:43 | 日記
関東では桜の花も見頃となってきましたね。(佐原ではまだですが…)
暖かい日が多い一方で、今日のように肌寒い日もまだまだあり朝の着替えもちょっと悩んでしまいます。

最近は今年出来上がった酒のビン詰めラッシュで、今日もビン詰め作業がありました。
馬場本店酒造では特定名称酒は全て一回火入れのビン貯蔵(冷蔵)です。
ビン詰めをしているとほのかにお酒のいい香りがするので、「ああ、今晩はちょっと飲んじゃおうか」なんて心も動いてしまいます。
純米酒や吟醸酒などの特定名称酒もいいのですが、ちょっと冷える晩はあえて普通酒を軽く燗するのもよいものです。
普通酒というのは、特定名称酒の基準にあてはまらない、いわばその蔵の一番安価なお酒です。
当蔵では「金印糀善」や「金印佐原ばやし」がこれにあたります。(この二つはラベルは違いますが同じお酒になります。)
主に地元の酒屋さんや飲食店さん向けで出ているお酒ですね。安いお酒なので日本酒ファンにはなーんだという感じにとられることも多いお酒です。
馬場本店酒造の金印はどういうお酒なんでしょうか。本醸造と比較してみます!
当蔵の本醸造といえば「本醸造糀善」と「本醸造佐原ばやし」ですが、何が違うのでしょうか…

もちろんその蔵によって普通酒のスペック(精米歩合など)は違います。
現在の馬場本店酒造の普通酒(金印)の精米歩合は本醸造と同じ65%です!!
え?本醸造と同じ?では使用米が本醸造より安いの?と思いますよね。実は使用米も同じなのです。
当蔵の金印と本醸造違い、その一つは醸造アルコールの添加量です。本醸造は醸造アルコールの添加量に上限があります。
この上限よりも多い醸造アルコールを添加しているわけです。その結果、本醸造よりよりドライで軽い酒質に仕上がっています。
違いその二、それは火入れ回数と貯蔵法です。先にも述べましたが当蔵の特定名称酒は全て一回火入れのビン貯蔵です。
しかし金印だけはタンク貯蔵をしています。出来上がった新酒を貯蔵タンクに仕舞う際に一度火入れ、そして出荷のためにビン詰めする際に二回目の火入れを行います。二回火入れをしているので一回火入れの本醸造よりはやや香りが飛んでしまいます。また二度熱していることでより熟成が進みやすくもなります。
ただ、当蔵の金印の貯蔵タンク、実はサーマルタンクで低温貯蔵しているのです!!普通酒クラスを冷蔵タンクで貯蔵している蔵は少ないと思います。
電気代もかかりますし、普通は上級酒でサーマルを使用することが多いからです。
まあ、こんなことができるのは当蔵が少量生産だということもありますが、安いお酒でも出来るだけ良い状態でお客様に飲んでいただきたいというこだわりの一つでもあります。
ですから私などは「うちの金印は、規格は普通酒でも味は本醸造レベルだ!!」という自負、というかプレッシャーをもって毎年金印を造っているわけです。とてもコスパの良いお酒です。

金印、機会がございましたら是非お試しください。冷やでも燗でもよいですよ!!(私は常温の冷やが好きです)

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