
私たちには、ジダンが頭突きをしたシーンしか映像に写っておらず、マテラッツィがジダンに本当に言ったことは分からない。マテラッツィは、ジダンが傲慢だから侮辱発言をしたと言っているものの、真実は2人にしか知っていない。日本のプロ野球では、暴言を吐いて退場になるケースが良くあるが。いずれにせよ、問題が大きく膨らみ、エスカレートしていくことは間違いない。FIFAワールドカップサッカーの特集号の特別号の表紙の多くがジダンであること、MVPもジダンであることも皮肉だ。1番歯がゆい思いをしているのはジダンに違いないだろう
2006年7月12日(水) 13時51分 ISM
現地時間11日(以下現地時間)、2006年W杯の決勝戦で、フランス代表MFジネディーヌ・ジダンが相手選出に頭突きをしたことで退場処分を受けた一連の出来事を受けて、FIFAが解明に乗り出すことを発表した。ロイター通信が報じている。
FIFAは「あの出来事が起きた状況をできるだけ的確に解明するために、ジダンの行ないについて調査することになるだろう」と、ことの真相を追求する構えを見せた。
問題のシーンとなっているのは、9日に行なわれた決勝戦の延長後半、ジダンがイタリア代表DFマルコ・マテラッツィの胸に頭突きを食らわせ、退場処分となった場面。その後、ジダンが“暴挙”に出る前に、マテラッツィが「テロリスト」や「売春婦」といった蔑視的な言葉を用いて、ジダンの家族を侮辱していたのではないかという疑惑が浮上したことで物議をかもすことになった。
当初、疑惑を否定していたマテラッツィだったが、ジダンの姉妹を侮辱する言葉を吐いたのかと質問をぶつけてきた伊『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙に対して、「侮辱的な言葉を(ジダンに)使った。ただそれは、いつでもどこにいても聞くような言葉だよ。今までだってピッチの上で何度も聞いたことがあるような言葉さ」と、暴言の事実を認める発言をした。
その上で、マテラッツィは「ジダンに対してテロリストなんてことは言っていない。私は無実だよ。イスラムのテロリストがどういうものかっていうことさえ正確に知らないんだ。ジダンの母親についても絶対に何も言っていないよ。私にとって母親とは、とても神聖なものだからね」と語り、暴言の内容が人種差別を意味する類のものでないと主張している。
また、ジダンについてマテラッツィは「(試合中)私の方を振り返ったジダンは、私の頭からつま先までを見回して、冷笑を浮かべながら私に言ったんだ。『そんなに私のユニフォームが欲しいなら、試合が終わったあとにあげるよ』ってね」と、自分の暴言以前にジダンが先に挑発してきたことを示唆した。
今後行なわれるFIFAの調査結果が注目される。