今回は、国内を代表するピアノメーカー「ヤマハ」と「カワイ」のお話です。
(YAMAHA AvantGrand N2)ハイブリッドピアノ
画像転載元はこちら→ ヤマハ | N2 - AvantGrand(アバングランド) - 概要 (yamaha.com)
20世紀前半、ヨーロッパ先進国やアメリカで起こったピアノブームは、ピアノの楽器としての完成度を一気に高めていきました。
ヨーロッパのピアノメーカーが成熟期に入っていった頃、国内でも純国産ピアノの製造気運が高まり、日本楽器製造株式会社(現在のヤマハ株式会社)が1900年に、最初の国産アップライトピアノを製造、1902年に、こちらも国産初となるグランドピアノの製造を開始しています。
河合楽器研究所(現在の株式会社河合楽器製作所)は、1927年(昭和2年)に最初のアップライトピアノを製造し、翌年にはグランドピアノを製造しています。
当時の日本は、まだピアノを個人で購入できる時代ではありませんでしたが、一部富裕層などからの需要がありました。
戦後の日本もやがて高度成長期に入り、豊かな生活を求めてピアノの個人需要が高まります。
たくさんのピアノメーカーが生まれ、様々なブランドのピアノが数多く誕生しました。
その中にあってヤマハ、カワイが急成長した理由は、メーカー主導でピアノ教室の運営に尽力したことがとても大きいと思います。
ピアノを買っても、ピアノを教えてくれる先生が身近にいなければ、宝の持ち腐れですからね。
ヤマハ音楽教室や、カワイ音楽教室は、それぞれ独自に開拓した全国のレッスン会場で、同じテキスト・同じカリキュラムでレッスンを行います。
家の都合で引っ越したとしても、引っ越し先の音楽教室でまた同じ教材を使って、今までの続きのレッスンが受けられるわけです。
(KAWAI NOVUS NV10)ハイブリッドピアノ
画像の転載元はこちら→ NV10|製品情報|河合楽器製作所 製品サービスサイト (kawai.jp)
どちらの音楽教室も、ピアノの上達よりも、のびのび音楽を楽しむ心を育むことに重点を置いています。
多くのレッスン経験をメーカー側も共有しており、教材開発の高さも相まって、音楽の知識、基礎力は充分に養われることと思います。
最近では少子化に加え、ピアノを習う子どもが激減しているため、かつての音楽教室の賑わいはなくなりつつあります。
音楽教室でリトミックや英会話、絵画教室も併設して教室運営を維持しているのが現状です。
塾に通う子どもはたくさんいますが、習字やそろばん、ダンスやピアノを習う子どもは少なくなりました。
これも時代の流れなのでしょう。
学校の教育カリキュラムでは、図工、美術、音楽、技術・家庭科の時間割り当てがどんどん減っています。
豊かな心を育むには、英語や算数以外にも、子どものうちにたくさん経験しておくべきことがあるんじゃないか、と私などは思うのですが。
最後はなんだか愚痴みたいになってしまいました。ごめんなさい^^
さて、話を元に戻します。
世界3大ピアノメーカーのひとつ、ベーゼンドルファーを以前ご紹介させていただきましたが、2008年からベーゼンドルファーはヤマハの100%完全子会社になりました。
買収時にいろいろと混乱があったようですが、ベーゼンドルファー本社は今もウィーンにあり、技術メインテナンス会社としてベーゼンドルファーピアノの修理、メンテナンスを請け負っています。
ヤマハの自動演奏機能がついたベーゼンドルファー
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