ほとんどの日本語の教科書は丁寧なことばから導入する。
~です、~じゃありません、~ましょうなどなど。動詞なんていちばん顕著だ。
「食べます」「飲みます」・・・
否定形も然り。 「食べません」「飲みません」・・・
過去形も然り。 「食べました」「飲みました」・・・
過去形の否定形も然り。 「食べませんでした」「飲みませんでした」・・・
会話は始終これかいと考えるとハッキリ言って不自然。
子どもに教えるときは特に不自然さが否めない。
日本のアニメ好きな生徒ちゃんに言われてしまった。
「Ninguem fala TABEMASITA no desenho!!」
(誰も「食べました」なんて言わないよー)
・・・はい。ごもっとも。悲しいかな、アニメの中では誰もがタメ口。
だけど丁寧なことばで習い始める理由はいろいろあるのよ。。。
・丁寧体の動詞の方が最初は変換しやすいから。
・留学や就職のために日本語を習う人(つまり大人)を
想定した教科書が大半だから。
・いきなり口語で話しかけられたらだいたいの日本人は引くから。
しかーし、彼の言い分もよくわかる。
せっかく日本語学校で勉強してるのに、アニメやマンガを見て
さっぱりわからなかったらつまらないよね。
まあそこをなんとかナダメて、まずは基礎をシッカリするのだと言いきかせ
やっと今日がやってきた。
いちばんこの日を待ってたのは生徒ちゃんよりもわたしかも。
いざ、普通の言い方スタート。
「食べる」「飲む」・・・、「食べない」「飲まない」・・・
俄然、生徒ちゃんの目が輝きだした。
『ガラスの仮面』の北島マヤのごとく「つかんだ・・・できる!」と
コブシを固め白目にしながら思った瞬間、生徒ちゃんの口から一言。
「Agora entendi!! Por isso ele fala TABERUTTEBAYO!!」
(今わかった!だから「食べるってばよ!」って言ってたんだ!)
・・・はい?いつ誰がそんなこと言った?
どこのどいつだ、そんな妙な語尾を生徒ちゃんに教えたのは!
答えは、日本でもブラジルでも大人気アニメ「NARUTO」の主人公。
あいつの口癖「~ってばよ!」のおかげでわたしの生徒ちゃんは
いい感じにやる気がヒートアップしたけど、
おかしな方向にもいきそうな予感もするってばよ。。。
NARUTO公式サイト「NARUTOどっとこむ」
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