なつかしのケーキ

昨日、夫が、
以前住んでいた街のケーキ屋さんで、ケーキを買ってきてくれた。

ふつうのイチゴのショートケーキだけど、
その白いクリームを口にしたとたん、ああ！
この味！そう、この味！
なつかしかった．．．


今まで、いろんな店のケーキを、いくつとなく食べてきた。
しょっちゅうは買わなくて、来客のときか、何かの記念とか、ごほうびのとき
（たいてい夫に無理にねだって買ってもらう）くらいしかケーキ屋には入らないが、
今まで引越しのたび、家から近いケーキ屋を必ず見つけて、食べてきた。

初めての店では、まずイチゴのショートケーキを買う。
いろんなイチゴのショートケーキを、いくつとなく食べてきた。
でも．．．やっぱり、この味。
ここのケーキが、いちばんおいしい。


口と鼻の中に広がる、なつかしさ。
その街で暮らした日々が、今にして思えば若くて平和だったことも、あるのかもしれない。
人間は入ってくる情報の大部分を視覚に頼っているというけど、
味覚や嗅覚もなんの、負けない、一気にやわらかい過去に引き戻してくれる。


あるいは、私がこの味が、単純に好きなだけなのかもしれない。
でも．．．やっぱり、ここのケーキが、おいしいなあ。



死ぬ前に食べれる最後の食事、何が食べたい？って質問があるけど、
デザートをもしつけれるなら．．．．．．ここのケーキを、所望しちゃおうかな。



なんて、夫に話したら、笑うだろうか。



これを最後に食べることになるのは、いつかな――





週末のかすかな、胸キュン出来事でした。おいしかった！！



皆さんの、これはという食べ物、何ですか？よかったら教えてください。