桜ふる路
英語をツールに、できることをしたい。
踏み出しつつふだん感じ、考えたこと。
 



東福寺(とうふくじ)は、おととしの紅葉の季節に、短い記事を書いています
今回は、3月18日まで、特別拝観をしている箇所があるので、それを見に行ってきました。

前回も少し触れましたが、バスで行くときは「東福寺」のバス停で降り、7、8分ほど歩きます。
そうすると、





このような橋にたどり着きます。
これが臥雲橋(がうんきょう)で、前回も書いたとおり、紅葉のときは人がぎっしりで通れないほどになります。
ここを抜けて、左手の日下門(くさかもん:写真は後ほど)をくぐり、境内へと入っていくわけです。





さて、今回の特別拝観、第一ターゲットは、龍吟庵(りょうぎんあん)。
この橋、偃月橋(えんげつきょう)を渡ったところにあります。





橋からの眺め。偃月橋は、1603年の作だそう。


特別拝観につき撮影禁止なので、この先内部の写真はありません。文だけで、書いておきます。
以下、この記事内の建物や庭園の説明は、パンフレットによります。



龍吟庵は13世紀末に、大明(だいみん)国師が開創した東福寺塔頭(たっちゅう:(禅宗の)お寺のなかにある小さな寺院)で、大明国師は南禅寺(なんぜんじ)に開祖として招かれたのち、ここに戻って没するまで過ごしたとのこと。
方丈は、現存する禅宗塔頭建築として国内最古で、書院造に寝殿造を加えた特徴的な建物だそう。方丈と開山堂には、足利義満筆の額がかかっています。

ここは何といっても、庭園が迫力でした。
昭和の作庭家、重森三玲(しげもりみれい)氏の作だそうですが、稲妻をかたどったという珍しい竹垣にはさまれた西庭は、中央から反時計回りにとぐろを巻く龍を石で、黒雲を黒砂、波を白砂で表現し、デザイン性のある美しいものでした。
東庭は、これも珍しい赤砂を敷き詰めたもので、配された石は病にかかった幼い大明国師、国師を守る犬、襲いかかる狼たち、を表現し、犬が国師を守った故事を表しているのだとか。

興味深い庭園でした。





次に、特別拝観2箇所目、東司(とうす)へ向かうべく、境内を横切ります。





大きな大きな、三門(手前)と、仏殿(奥)





三門の下から、奥へ仏殿を望む


ところが、東司へ着いたとき、時計はちょうど16時。
受付終了の時間でした。





ぬおーっ、またしても時間切れ。龍吟庵で、案内係さんを質問攻め(は大げさだけど)にしたのが、いけなかったか。。。
というわけで、後日また出直すことにします。





日下門(くさかもん)。奥の右に一部見えているのが仏殿







と、いうわけで。

この記事は、24日付になっていますが、実は上の話は、その数日前の出来事でして。
出直したのが、24日だったというわけです。

では、その出直した話をします。



東福寺へは、バスだけでなく電車でも行くことができます。
その名も「東福寺駅」で降ります。JRと京阪の駅がくっついていますが、ともあれ駅を出ると、目の前が丁字路で、右へ進めば東福寺、左へ進めば泉涌寺(せんにゅうじ)と、小さな看板で書いていてくれます。

で、右へ曲がり、やはり10分ほど歩くでしょうか、そうすると左折するかたちで、参道が現れます。
その入口にあるのが、





中門。
わかりづらいですが、一番奥に小さく見える屋根が、先ほどの日下門の屋根です

こんなふうな、位置関係です。
地図で確かめたい方は、公式サイト→東福寺のWebページへようこそ の、境内案内図をご参照に。





で、これが特別拝観2箇所目、東司(とうす)の外観。

特別拝観につき撮影禁止なので、この先内部の写真はありません。またしても文だけ書いておきます。


東司というのは、トイレのことです。
これは室町時代のものだそうですが、このように今でも残っているのは珍しいのだとか。
建物は、東側は採光のためすき間を多く取り、西側は西日を防ぐため窓を小さくするなど、工夫がこらされていました。
入ると、右手が「大」用、左手が「小」用に分かれて壷が埋められ、奥に進むと手を洗う場所になっていました。
(洗うといっても、当時は灰などを使ったようですが)

トイレというと、ひと休憩みたいなイメージがありますが、僧たちにとっては、用を足すのも修行の一つだったのだそう。
作法が厳しく定められ、一連の動作もお経を唱えながらおこなったのだとか。
まさに気の休まる暇など、なかったわけですね。





さて、最後の特別拝観箇所、浴室へ向かいます。





浴室の外観

特別拝観につき撮影禁止なので、この先内部の写真はありません。またまた文だけで書いておきます。


浴室も、妙心寺で見たことがありますが、これも今では残っているところは少ないのだそう。東福寺のは、京都で最古の浴室建築の遺構なのだとか。
中には、屋根の形の違う、蒸し風呂が二つありました。
それぞれ中央に湯を入れる釜があり、外から沸かして蒸気を充満させ、僧たちは風呂内に敷かれたすのこの上に座り、線香一本が燃え尽きるくらいの時間、お経を唱えながら入ったのだそうです。
いつでもどこでも、修行だったんですね。





ふう。これで今回の特別拝観3箇所、すべて回りました。
まだ時間があるので、以前から見たかった、方丈庭園を見に行くことにします。





庭園へは、この庫裡(こり)から入ります。
典型的な禅宗様式だそうで、天龍寺(てんりゅうじ)のとよく似ていますね。
画像クリックで、屋根瓦の側面を拡大。
「東福寺」の文字がちゃんと入っています







ここの庭園も、龍吟庵と同じく重森三玲氏の作庭だそう。
これは、「北斗七星」を表すのだとか





方丈南庭のようす。人々のいるほうへ進んでいきます





みごとな砂紋





唐門。先ほどの庫裡と共に、昭憲皇太后の恩賜建築なのだそう












どこのお寺でもそうですが、このような庭園の前では、人々が思い思いに腰を下ろし、言葉少なにじっと眺める様子が見られます。
日本庭園というのは、そんな不思議な力を持つ庭ですね。

ところで、↑上の写真の左端に写っていますが、縁側から庭へ降りる(実際は降りられませんが)階段の柱飾り。
緑色で、つややかなんですよね。近づいて見てみると、





おお!これは焼き物なんでしょうか。とてもきれいです。実はトップ写真↑もそうです。

真ん中に、カメラを向ける私の姿、写りこんでいますね。。。うふ、アスタ初登場!?
(なんて。実は「初」じゃないけどね。去年だったけど…もし見つけた人、マジですごい!)





西庭のようす





四角く刈り込んであるのはサツキだそう。きれい~





北西の、通天台という展望台へ来ました。
ああ、気持ちいい!目の前に見えるのは、紅葉シーズンには人でぎっしりになる、通天橋です





この眺め!下は崖です。壮大ですばらしい。。。
このモミジたち、紅葉時はいったいどんなことになっているやら。
人々が押し寄せるの、わかる気がします。





方丈の北側





北庭の眺め。
下へ目線を移すと、これが素敵!





この市松模様!(実物は、もっと色鮮やかだったんですが)





通天台(奥)とともに





東庭
この方丈は、四方に庭園を持つんですね。これは禅宗方丈では東福寺だけなんだそう。
写真右奥に、横長に見えているのが、最初に見た龍吟庵(りょうぎんあん)へ渡る、偃月橋(えんげつきょう)です。左奥に少し見えるのが、龍吟庵。





東庭の一角





方丈庭園、きれいでした。楽しみました。
もういい時間になってきたし、帰ります。

あ、でももう一つ、見るべきものがあった。





さっき、浴室から方丈庭園へ向かう途中で、見つけたんです。
ほら!一本だけ、梅の木が咲いている!






















…い、いかんせん、高いところに咲いているので、撮るのが難しくて手ブレ気味だけど。
梅って、やっぱり春ですね~



―――


というわけでした。

東福寺、もちろん秋の紅葉の素晴らしさは言わずもがなですが、どの季節でもきれいです。
紅葉する前の、青葉の時期にも来たことがありますが、これも本当に美しい光景でした。
京都は、春秋はどうしても混雑しますが、シーズン外は人が比較的少ないので、多少は楽だと思います。
どうぞ皆さん、機会のできたときいつでも、お越しくださいね!

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