汗と涙の着物生活 

突如着物に目覚め、ついに着物作成に挑戦。着付けに涙し、とどまらぬ物欲に冷や汗の毎日。

薄物の私を許してください

2010-09-05 | コーディネート
9月最初の着物着用の機会はお茶のお稽古だった。ルールに則るならば単衣を着るところなのだろうけれど、いまだ真夏日はあたりまえ、首都圏では地域によっては35度を越える予報が報じられるこの暑さ。少しでも涼しい格好をしたいというのが人情だろう。とすると着物ならばまだ薄物でいたい。着物のルールとしては、絽目が透け感のない単衣を9月は着るというのがルールではあるが・・・。周りの人間だって、見た目に涼しいほうが気分がよいに違いない。

しかし、お茶の世界というのは、この「ルール」というのには、えらく厳しいのである。しかも、私のお茶の先生は、私の着付けの先生でもある。ルールに反したものを着ていったら「教えた通りにしない」と思われるんじゃないだろうか・・・。

さんざん迷った4日の朝、天気予報で報じられた最高気温予測は35度。だめだ、単衣なんて着られる気温じゃない。先生、薄物を着る私をお許しください。叱るなら叱ってください。

選んだのは紗紬。これを選んだのは、今夏、一度しか着ていないからクリーニングする前にもう一度ぐらい着ないともったいないという経済的理由もある。しかし一番のポイントは、市松柄の一部に茶色が使われているので、多少は秋らしい印象につながるのではないかと思ったのだ。また長着と同じ緑系の長襦袢を着て透け感を和らげて見たつもり。帯も麻ではあるが、濃い茶色のものにして(いわゆる「秋色夏素材」)、少しは秋の落ち着きをかもし出してみたつもり。


<緑と茶の市松の紗紬。帯はくるりで昨年買った「Flower Fields」という麻の帯。やわらかすぎて結ぶのに苦戦>

お稽古に行ってみると、やはり先生は単衣でいらした。さすがです。でも、私の紗にも特に何もおっしゃらなかった。この暑い中、着物で稽古に通うというがんばりを認めてくださったのかもしれない。お茶のお稽古は、常時、釜でお湯を沸かしているので、冷房を入れていても暑いから、体力的には薄物にして正解だった。

しかし・・・この日、拝見の問答の中で、お茶杓の御銘を思わず「残暑」と答えてしまった私(お稽古では、茶杓の御銘は、自分で適宜季語から適切なものを考えて答えることになっている)。その前まで「鈴虫」にしようと考えていたのに・・・。これには先生から苦笑とともに「どうせならもっと涼しげな銘にしましょうよ」と言われてしまった。す、すみません。あまりの暑さで、状況判断力がいかれちゃってます・・・。

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8 コメント

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単衣ムリです (黒猫)
2010-09-06 12:28:39
私の通っている着付教室では「今年は異常事態」という事で、教室では「3週目まで薄物容認」というオフィシャルのおふれがでました。

しかしそう言われても秋寄りの薄物や夏帯って持ってなくて困ってます、、。
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着付け教室までも… (はつき)
2010-09-06 19:12:52
黒猫さん

そうですか、着付け教室までも今年は9月であっても「薄物解禁」ですか。じゃ、凡人の私が我慢できないのも仕方ないですね。

今日の夕方、街を歩いていて「32℃」というビルの電子掲示板の表示に、「涼しくなったなあ」と思ってしまいました。30度越えているのに。ここまで暑いのだから、セールの期間を利用して、秋色夏素材のものを購入しておくっていうのはどうでしょう?
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先生って (やっぴー)
2010-09-07 00:40:04
大変なんですねえ~
あ、でも先生は外に出る訳じゃないから平気なのかも(笑)

爽やかなグリーン系でいいですねえ♪
ワタシのは主人の祖母の物のようで、同じグリーン系でも
裏葉色で地味なんですよ~
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敬服 (はつき)
2010-09-07 06:49:15
確かに先生は、外を出歩かないから単衣を着ていられるのかも。それでも、釜の近くにいることが多いお茶の先生は、炭の日でずっとあぶられているようなもんですから、敬服です。

グリーン系ってすきなんですが、色のトーンで地味になりすぎることもあって、意外に難しいですよね。でもやっぴーさんのは小物合わせのせいか、そんなに地味な印象なかったですよ。
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Unknown (もずや)
2010-09-16 08:32:13
たしかに、お茶席にどんな着物を着るかは先生によって考え方が違うみたいですね。
でも、基本的には、気候と自分の体調に合わせて着る着物を選べばいいのです。着物はやせ我慢のために着るのじゃないですからね。そうでなきゃ、着物の快適さは感じられませんから。
日本は南北に長く、暦も旧暦から新暦に変わっているのに、昔のままのしきたりで全国同じ時期の衣替えというのは無理なんです。お茶の先生ににらまれると詰まりませんが、柔軟に対応されたらいいと想います。
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気候変動? (はつき)
2010-09-17 22:25:44
もずやさんにそう言っていただくと、ふしぎとオッケーな気がしてきます
薄物も単衣も、「ルール」より、実際はもう少し着用期間が長いのが、着物三年生の肌感覚です。あとは帯。芯のない涼しい作りの帯が、フォーマルでも市民権得てほしい。
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お久しぶりです (Ricky)
2010-09-27 23:51:15
とあるデパートの呉服売り場で、販売員の方のきものはさすがに単衣でした。 ところが、何と半衿が「塩瀬」!

それを見つけたつれあいののますえさん、早速、「どうして半衿は冬物なの?」と絡んでおりました。 確かに、衣替えは、来月 10 月です。

とうとう、最後には「木村孝」さんの本でも読んでお勉強してみては!」との捨て台詞。 何も買いもしないたちの悪いお客にからまれた販売員の方、本当にごめんなさい!

9 月のきものの装いは本当に難しいですね!
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小物はいっそう難しい (はつき)
2010-09-29 08:46:39
Rickyさん
お久しぶりです。コメントありがとうございます。情景を想像して、思わず笑いが浮かんでしまいました
半襟などの小物は、長着や帯よりいっそう何を合わせたら良いか、悩ましいですね。夏のものという人もいれば、後半はアワセのものにするとも聞くし…。要は、周りから見て暑苦しくない、寒々しくないことがポイントかと私は割り切ることにしてます。
ただ、呉服売場の店員さんは、見習える模範でいてほしいですね。
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