奇しくも初日に第一部、楽日に第三部の観劇となった今月の花形歌舞伎。より楽しみだったのは、楽日の「四谷怪談」だ。ニンならぴったりの海老蔵の伊右衛門初役と、これまた初役でお岩/小仏小平/佐藤与茂七を演じる勘太郎との、がちんこ対決。
おまけに漫画「かぶくもの」では、まさに今「四谷怪談」をテーマに盛り上がっている。この日がどれだけ待ち遠しかったか!
しかし、期待しすぎだったと反省している。どっぷりと悪にまみれた迫力を感じられなかった。前に見た海老蔵丈の「累」の与右衛門が、ぞくぞくする色悪の魅力を発揮していたので、今回もと私が欲張ってしまったのかもしれない。
伊右衛門は、ちょっと拍子抜けするぐらいあっさりしているように感じた。変に力が入るよりましだけど。
誤解しないでほしいのは、海老蔵丈はひどかったわけではなく、健闘していた。でも私の期待が大きすぎたのと、対する勘太郎丈が良すぎた。
勘太郎丈は昔から、うまい子だなあ…と思っていたが、今回の「花形」の中で、際立って安定感があった。お岩さんの悲しみの表現が秀逸で、信じて頼りにしていたもの全てに裏切られたお岩さんの哀れさが切々と伝わってきた。幽霊になってしまったのも、積極的に復讐をしようとしてというより、本当は成仏したいのにしきれず、しかたなく恨みを晴らしているといった印象。怖いというより、ひたすら哀れなのが、むしろ新鮮。勘三郎パパだと、哀れというよりサービス満点のお岩さんになっちゃうんだが。時々、勘三郎丈そっくりの台詞回しになるのはご愛嬌。
台詞回しといえば、海老蔵丈がどうも不自然で気になるが、それは私だけ?シリアスな役でも笑いが起きてしまうのは、このセリフ回しのせいなんだろうと思う。きっと今後も何回も伊右衛門を演じることになるだろうから、しっかり直してほしい。彼への期待は下がらない。きっと次は素晴らしい舞台を見せてくれると信じている。
この日は、千秋楽ということで、暑さにもかかわらず着物着用率が高かった。
私は7月と同じ海老柄の紗小紋で。この着物にあわせて昨年ヤフオクで落札した波の抽象柄帯を初めて締めてみた。この帯、イメージだけで買ってしまったせいか、いざ合わせてみると、帯に使われている金糸がどうも浮いてしまう気がして、お蔵入りしていたのだった。甘さのある杏色の帯揚げとピンクの帯締めを使ったら、金が中和された気がするけど、どうかしら?
まお夫人は、薄いミントグリーン?(ブルーかな?)の絽小紋に白い抽象柄の帯。勘太郎夫人は薄いピンクの色無地だったかな?
<紗もこれで今年最後ですねえ・・・>
おまけに漫画「かぶくもの」では、まさに今「四谷怪談」をテーマに盛り上がっている。この日がどれだけ待ち遠しかったか!
しかし、期待しすぎだったと反省している。どっぷりと悪にまみれた迫力を感じられなかった。前に見た海老蔵丈の「累」の与右衛門が、ぞくぞくする色悪の魅力を発揮していたので、今回もと私が欲張ってしまったのかもしれない。
伊右衛門は、ちょっと拍子抜けするぐらいあっさりしているように感じた。変に力が入るよりましだけど。
誤解しないでほしいのは、海老蔵丈はひどかったわけではなく、健闘していた。でも私の期待が大きすぎたのと、対する勘太郎丈が良すぎた。
勘太郎丈は昔から、うまい子だなあ…と思っていたが、今回の「花形」の中で、際立って安定感があった。お岩さんの悲しみの表現が秀逸で、信じて頼りにしていたもの全てに裏切られたお岩さんの哀れさが切々と伝わってきた。幽霊になってしまったのも、積極的に復讐をしようとしてというより、本当は成仏したいのにしきれず、しかたなく恨みを晴らしているといった印象。怖いというより、ひたすら哀れなのが、むしろ新鮮。勘三郎パパだと、哀れというよりサービス満点のお岩さんになっちゃうんだが。時々、勘三郎丈そっくりの台詞回しになるのはご愛嬌。
台詞回しといえば、海老蔵丈がどうも不自然で気になるが、それは私だけ?シリアスな役でも笑いが起きてしまうのは、このセリフ回しのせいなんだろうと思う。きっと今後も何回も伊右衛門を演じることになるだろうから、しっかり直してほしい。彼への期待は下がらない。きっと次は素晴らしい舞台を見せてくれると信じている。
この日は、千秋楽ということで、暑さにもかかわらず着物着用率が高かった。
私は7月と同じ海老柄の紗小紋で。この着物にあわせて昨年ヤフオクで落札した波の抽象柄帯を初めて締めてみた。この帯、イメージだけで買ってしまったせいか、いざ合わせてみると、帯に使われている金糸がどうも浮いてしまう気がして、お蔵入りしていたのだった。甘さのある杏色の帯揚げとピンクの帯締めを使ったら、金が中和された気がするけど、どうかしら?
まお夫人は、薄いミントグリーン?(ブルーかな?)の絽小紋に白い抽象柄の帯。勘太郎夫人は薄いピンクの色無地だったかな?
<紗もこれで今年最後ですねえ・・・>
歌舞伎の方々は、毎年この季節には欠かせない演し物なんで、お岩さんの墓参は当たり前でしょうし、演者にとっては その御役に必死に取り組まなければならないんだと思われます。
勘太郎くんは小さい頃より弟の七之助くんと共に頑張っていらしたし、新婚さんだし、御自分の当たり役になれば宜しいかと思います。
紗は今日で最後ねぇ…。
絽はあと少し大丈夫かしら…。
カンナさんも墓参されたの?お墓があるのは菅もだっけ?
そうだよね…真剣に演じなくては、それこそ罰があたるよね。
まあ演じる方が真剣なら、見る方も真剣でした。真剣に楽しみました。
そうなんです。どーも、なんて言うか、海老蔵丈の発声て宝塚っぽいんですよね。
普段の声もそんな感じなので、克服には時間がかかるかもしれませんが、成田屋パパも口跡の悪さで苦労した人ですし、パパを手本に是非とも直して欲しいです。
あの美貌とダイナミックさに口跡の良さが加われば失神モノですよ、笑
あ、やっぱり黒猫さんも気になってましたか。
海老ちゃん、もともとの声は悪くないと思うから、真剣に口跡の改善に取り組んでほしい。失神させてほしい(笑)
以前に公演中、よく喉を痛めていたので、もしかしたら発声方法を変えて、その影響なのかな・・・?と推察してみたりしてます。
まったく、政局の話じゃないんだから…。失礼しました。
また機会があれば歌舞伎話に花を咲かせたいですね。
よろしくお願いします~
それにしても昨今稀なくらい笑いの少ない四谷怪談で
よかったでしたよね。
演る方も観る方も力が入ったからかしら
今月は5日と11日に行きます~
よく見つけてくださいました。海老柄、目印に向いてますね。
実は私がこの演目を見るのは、四年前の勘三郎丈と橋之助丈のに次いで二回目に過ぎないので、比較して論じるほどではないのですが、今回は怪談というより悲劇という印象でした。勘三郎丈のときは「すっげーエンターテイメント!」と思ったのですが。だから笑いも少なかったのかしら。
来月はなかなか忙しく、まだチケットとってないんです…。南座行きも狙ってたんですが、さすがに無理です。