ロワール川の上流
渓谷の古城にあるという
伝説の秘宝
それを見たものは
幸せになれるという
幻の宝石
それを探し求めて
幾年月
もう一度探してみよう
あの美しい古城を
もう一度想ってみよう
あなたの美しい心を
それは夢の宝石
それは美しい心の結晶
幸せで心が震えたときに
見えるという
それは優しい
あなたの涙
それは不思議な消しゴム
鉛筆で書いた字は消えない
でも壁だけは消せる
それは魔法の消しゴム
消えたらいいな
世の中の壁が
国の壁
言語の壁
文化の壁
宗教の壁
人種の壁
そんなに沢山は消せない
消せるのはただひとつ
それは心の壁
でもそれだけで十分
全ての壁は
心の壁が造ってきたのだから
あったらいいな
そんな魔法の消しゴムが
でもみんな持っていたんだ
それは素晴らしい
心の消しゴムを
ブランド米ではないけれど
江戸前海苔ではないけれど
紀州梅ではないけれど
握りたてではないけれど
とっても大きくて
形も不揃いで
とてもご馳走とは言えないけれど
できることなら
食べてみたい
もう一度
遠足の朝
お母さんが
握ってくれた
あのおにぎりを
家で漬けてくれた
大きな梅干し入りの
あのおにぎりを
できることなら
食べてみたい
三つ梅干しを入れて
たとえどんなに遠くても
旅に出かけてでも
食べてみたい
優しい心たっぷりの
三つ星おにぎりを
味わってみたい
その優しい心を
最高のご馳走を
じっくりかみ締めながら
それは幻の動物
伝説の象
インド奥地に伝わる
白い巨象
深い森の中にいるという
それを見つけたなら
高々と鼻を上げたその姿を見たなら
そして話しかけたなら
幸せになれるという
幸運の白象
でも見た者はいない
それは神聖な動物
聡明で人の心を理解する
夢の白象
さああなたも夢の国へ
幸運の白象に
出会うことができたなら
きっと優しい眼差しで
話しかけてくれる
あなたの美しい心に
それは夢の白象
心の白象
ノックの音で
目が覚めた
でも誰もいない
気のせいなのか
それは不意にやって来る
何もしていない時に
ぼんやりしている時に
心も疲れた時に
その音が聴こえると
何となく心が和み
元気も湧いてきて
思い出す
明日があることを
白紙のページがあることを
それは夢の中
ノックの音
それは不意にやって来る
あなたの心にも
ほらノックの音が