ある日、職場で何らかの記念的なもので植物をもらった。こじんまりとしたやつだ。
意味を聞くと「幸運をあなたに」というものらしい。「幸運なぁ…」と思いつつ、気持ちは嬉しく受け取った。
そして週末。私は珍しく連休を作っていた。5連休。
初日に調子に乗って通販で少々お高いものを頼んだところ、なぜか支払いができなかった。
いつも使っているカードに問題が起きており、それが原因だった。一旦諦めたのだけど、そのあと別の方法で支払いをすることにした。
荷物が届く日。追跡をぼんやり眺めつつそろそろかなーと思い鍵をスマホだけ持って外に出たが、誰もいない。
配達の人から連絡が来る。言葉はわからない。2度ほど架電があった後、ふと悪い可能性に思い至って送り先の住所を改めて確認した。
前の職場の住所(歩いて10分程度)だった。
そこから起き抜けの恰好で走り、当該住所へ向かった。まぁ当然お怒りである。「2回も電話したんだが?だいぶ遅れているだが?」といった感じだったと思う。
こっちはこっちで走ってる最中に「財布持ってくれば良かった」とは思ったのだ。こういう時は気持ちが大事なのだ。でもそういうつもりで降りてなかったので持ってないし、そもそも現金がほとんどなかった。なのでとりあえず平謝りした。
それから歩いて家へ帰ったが、つく頃には汗だく、喉もカラカラだった。
帰りしな、「幸運とはなんだったのだろうか」と思いにふけっていたが、もしかするとあの植物で幸運がプラスされた結果がこれだったのかもしれない。
そもそも他の支払い方法も使えなかったとか、荷物を取りに走ったが着いた時にはもういなかったとか、そんな有様になる予定だったのかもしれない。
少なくともあの植物に込められた気持ちに嘘はないだろうし、私もちゃんと水をあげて日光も与えているし(良い置き場所がなくて床置きだが)、私はどうも運が悪い。
第一、過ぎたことについてあれこれ悩んでも仕方ないので、配達の人も交通事故にでも遭ったと思って諦めてもらうことにしよう。そして前の職場の住所はアドレスリストから消した。
配達されたものはそれはそれで欲しかったものなので、素直に喜ぼう。
そう思った。
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