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投資家の目線

投資家の目線1037(米軍がイランの核施設を空爆)

 米軍がイランの核施設を爆撃した。トランプ米大統領は、「イランの主要核濃縮施設は完全に破壊された」(『トランプ大統領「イランの核施設は完全に破壊された…平和選択しなければさらに大きな攻撃」』 2025/6/22 中央日報日本語版)と言っているが、地下深くの損害がそんなに早くわかるものなのだろうか?

 

 イランのハメネイ師はイスラエルの攻撃に対する報復を宣言していた(『ハメネイ師「戦闘が始まる、慈悲はない」…イスラエルに報復宣言』  2025/6/18 中央日報日本語版)。イランが現在使用しているミサイルは、変則軌道ミサイルである(Sputnik 日本 on X: "【イラン、中距離ミサイルを初めて実戦使用=報道】 ❗️ イランは18日夜、イスラエルへの攻撃に二段式の超重量級弾道ミサイル「セッジール」を使用した。イランメディアが同国のイスラム革命防衛隊(IRGC)を引用して報じた。 https://t.co/sOiVTAEmbA" / X 2025/6/19)。朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)は、日本海で撃墜の難しい変動軌道ミサイルの実験を散々行ってきた。DPRK外務省は、「国際法と国連憲章の基本原則を乱暴に蹂躙し、民間人を対象にして日ごとに拡大されているイスラエルの無分別な軍事的攻撃蛮行は主権国家の自主権と領土保全を無残に踏みにじる極悪な侵略行為であり、絶対に許すことができない反人倫犯罪である」、「こんにち、世界が目撃している重大な事態は米国と西側の支持・後援を受けているイスラエルが中東和平のがん的存在であり、世界平和と安全破壊の主犯であるということ」、「中東に新たな戦乱をもたらしたシオニストとそれを口を極めて庇護する背後勢力は国際平和と安全を破壊したことに対する全責任を負うことになるであろう」という談話を公表した(北朝鮮「イスラエルはがんのような存在…イラン攻撃を断固糾弾」  2025/6/19 中央日報日本語版)。DPRKはイランの後ろ盾になっており、ミサイル技術を供与していたと見られている。DPRKのICBMの射程距離は1万4000~5000kmと見られ、テルアビブまで十分到達するが、イスラエルのミサイルにはそこまでの性能はなさそうだ。関係の深い湾岸諸国は、DPRKの力を見誤らないだろう。

 

 米軍のFA18戦闘機が自国のミサイル巡洋艦による誤射で撃墜される事件があったなど(「米FA18戦闘機が紅海上で撃墜、友軍による誤射か パイロット2人緊急脱出」 2024/12/24 CNN)、米海軍の艦隊はイエメンのフーシ派にも手こずっている。イランはそれより手ごわいだろう。イランは極超音速ミサイルも運用している(『イラン、イスラエルに極超音速ミサイル発射 トランプ氏の「無条件降伏」要求後』 2025/6/18 AFP=時事)。米海軍のイージスシステムは、極超音速ミサイルから空母打撃群を防御する性能はあるのか?米海軍には補給艦の余裕がなく、補給艦がやられるだけでも打撃群は行動不能になる。

 

 トルコのエルドアン大統領は、イスラエルの攻撃に対するイランの反撃を擁護している(『トルコ大統領、イランを擁護 イスラエル外相は反論「分をわきまえろ」』 2025/6/19 AFP=時事)。『ワシントン・ポストは「米国とイスラエルの情報機関は、米国の補給がない状況でイランが攻撃を続ける場合、イスラエルのミサイル防衛維持期間は10~12日残っているとみる」と伝えた』(「バンカーバスターに震え、イスラエルに制空権奪われミサイル無用論まで」 2025/6/19 中央日報日本語版)。イスラエルは、トルコの支援を受けるシリアのシャラア暫定政権とも対峙している。イランの変則軌道ミサイルでイスラエルの防空システムが壊滅すれば、中東情勢は新たな段階入りすることも考えらえる。イスラエルと米国は、相手の力を見誤っていないか?

 

追記:

2025/6/28

「金政権は、地下トンネルや核施設の設計・建設でイランを支援してきた」(「【焦点】米のイラン核施設攻撃、金正恩氏を先鋭化させる恐れ」
 2025/6/27 ダウ・ジョーンズ配信)。一部では米国の攻撃はイランの核開発を数カ月遅らせる程度だと報道されている。報道通りであれば、米国のバンカーバスターはイランの地下壕にそれほどダメージを与えられなかったのではないかと考えられる。であれば米国の兵器は、イランを支援したDPRKの地下壕も破壊できないであろう。劣後した兵器しかない米国との軍事一体化にどれほど意味があるのだろうか?

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