Der König Hat Eselsohren

4泊6日Unplugged Tour:3発目ミュンヘン(2)

またもや寝たのが3時近かったので、途中、アラームが6時に鳴ったのはかすかに憶えているけれど、目が覚めたら7時50分だった。
ZDFのMorgen Magazinを見ながら、のろのろと顔を洗って、着替えて、朝食を食べに行く用意をする。
番組のエンディングを見ていると、どうやら年内の放送は今日が最後のようだ。

朝食の内容は以前と全く変わらないけれど、食堂は地下に変わって、今までの倍くらいの広さになった。
今まで、いつも朝食が混み合っていたことを考えると、確かにこれくらいの広さがほしいところだけれど、今日はほとんど人がいない。
もう年末だからかな?

部屋に戻って、Volle Kanneを見ながら、出かける用意をする。
普段よりは多少長く寝ているかも知れないけれど、そもそもこっちへ来るに当たって超睡眠不足だっただけに、毎日4~5時間の睡眠では全然足りない。
次に何をするべきか、なかなか頭が働かず、準備に恐ろしく時間がかかる。
バスルームで化粧している途中、突然TVからEin Komplimentが聞こえてきてびっくり。
慌ててTVの前に戻ってみると、歌っているPeterがどアップで映っているけれど、なんか変。
そうか、髪型がちょっと違う。
どうやらこの番組の1年間の総集編をやっているらしい。
おそらく5月に出たときの映像だろう。
あ~、びっくりした!!

朝起きた時点では気づかなかったけれど、窓から外を見ると、雪がちらついている。
さっきエレベーターの中に貼ってあった1週間の天気予報で、今日の午前中は雪と出ていたのは、本当だったんだ。
でも雪が降るのは午前中だけで、あとは雨が降ったりやんだりになるらしい。

11時にLiteraturhaus、と約束していたので、U-BahnでOdeonsplatzまで行ったはいいけれど、久しぶりに来たせいか、道と道とのつながりの記憶が少し曖昧になっていて、急には思い出せない。
もっとも大まかな位置関係は忘れていないので、全く逆方向に行ってしまったりはしないけれど。
Literaturhausに入っていくとGuntherさんが先に来ていて、BrigitteさんとKarlheinzさんは少し後からやってきた。
Karlheinzさんも来れるかも、という話だったので、一応お土産を用意してきてよかった。
本当は、昨夜Nikoleに会えて、今夜も来るというならあげようと思ってたものなのだけど、そもそも会えなかったのだ。
当初は入場前に並んでいるところで探すつもりだったけれど、まさかずっとバックステージに出勤することになるとは思ってなかったからなぁf(^_^;
ファンクラブのブースのところにいなければ、探しようがない。

Brigitteさんによると、最近、新聞にSportfreundeのことが載っていて、今回のライブが3つとも売り切れたことと、それに伴って最終日にパーティーがあるということが小さい記事になっていたという。
「バイエルンで一番のバンドだって」
「その通りです!」
ドイツで一番なんて書いてあったら、さすがにあちこちから異論が噴出するだろうが、バイエルンで一番なのは紛う方無き事実だ。
ま、私にとっては世界で一番だけど(笑)
でも、話が通じるのはここまで。
Karlheinzさんは全然名前も知らないし、そうそうコンサートと言えば、となぜか話題がグレン・ミラーになってしまったf(^_^;
こっちが黙って聞いているだけなので、
「グレン・ミラーは知ってる?」
「もちろん知ってるけれど、わざわざ聴きたいと思ったことはないです」
やっぱ70過ぎの人たちじゃあねぇ、ジェネレーションギャップがありすぎる。

ひとしきり話をしたところで、今日の本題、といった感じで、来年の春の旅行について相談を持ちかけられる。
3月から4月にかけて、沖縄に旅行するとは聞いていたけれど、そこからさらに、奈良の吉野山で桜を見て、それから富士山に登るんだと。
時間と金をもてあましているので、日本人から見たら信じられないくらい長期の上、不思議な旅程なんですが…f(^_^;
しかも、Karlheinzさんは、「これだけの期間があって、しかも平均開花日が4月1日だから、絶対に見られるはず」と、4月1日前後に奈良に行く予定に自信を持っている。
いやいや、桜の開花平均ほど当てにならないものはない、年による差がもの凄く大きいんだから、といくら言っても聞く耳を持たない。

疲れるなぁ。

なまじ日本に対する興味と知識を中途半端に持っているだけに、話をするのが却って大変だなぁ、と思う。
バックステージにいると、日本のどこに住んでるの?、福岡ってどこ?、飛行機でどれくらいかかるの?といった程度で、元々が知識も興味もない分、誤解もないので、こっちのできる範囲で説明すれば十分だけど、拙い語学力で強い誤解を解くのはもの凄く大変。

他にも、ハコネ、ハコネというんで、一生懸命色々話してみたら、実は今回行くのは箱根ではなく富士五湖だったりとか。
どっちもよく知っているだけに、全然別物だよ、といいたくなる。
まぁ、そもそものところで、私は桜があんまり好きじゃなくて、富士山も今更わざわざ登りたいと思わない、というところにも問題があるんですが、まさかそんな日本人がいるなんて、向こうは夢にも思ってないんだろう(笑)
でも、奈良から車で一日かけて運転してきて箱根に行く、なんて言われたら止めるよ。
地元のタクシーの運ちゃんが絶対に近づかないという「呪われた場所」がある上に、寒い時期の箱根は特に危ないんだから。

途中でBrigitteさんおすすめのイタリアンレストランに場所を変えて、昼食。
ただでさえ睡眠不足が続いている上に、朝食べたのが9時近かったので、一番軽そうなトマトソースのパスタだけにする。
ウェイターにも、前菜はいらないのか、と聞かれたけれど、そんなに食べられない。
だいたいにおいて、そのパスタだって、日本で出てくるようなアルデンテじゃなくって、しかも分量が多いんで、途中でいやになってきた。

会話の内容も、わかるものもあればわからないものもあるけれど、仏教と神道の関係について聞かれたのには少々閉口した。
どういう対立関係なのか、知りたい、と。
キリスト教とユダヤ教とか、イスラム教とか、そういった感じのとらえ方をされても、根本的に「神道」をそういう宗教と同じように見ている限り無理だよ。
そもそも「神道」の定義から始めなきゃならない話だし。

もっとも、どうやら初めて日本に旅行したときに、ガイドがそういう対立概念的に教えたっぽい。
なので、「神道」なんてモンは政治的な意図の元に作り上げられたんであって、元々は統一的な宗教として存在したものではない、と言ったものの、やはりぴんとはこない様子。
普段日本人が神社にお参りするのは「神道」の信者なんじゃなく、もっと土俗的な信仰と結びついたものだ、といっても通じない。

だって、神社に行くのが全部「神道」に結びついてるなら、丑の刻参りだって神道行事になっちゃうじゃんf(^_^;

と思ったけれど、そもそも丑の刻参りの説明が不可能(笑)
鰯の頭も信心から、なんてのも説明が難しいんで困っていたら、幸いなことに(?)たとえば七五三にはみんな神社に行くじゃないか、という。
あれは宗教的な儀式というよりも、昔は小さい子供が死ぬことが多かったんで、7歳にまで育ったことを祝う行事だ、といったら、少しはわかってもらえたっぽい。

ふうぅぅ~。

Karlheinzさんとはレストランの前で別れ、Brigitteさん、GuntherさんとOdeonsplatzのそばのカフェでコーヒーを飲んだあと別れて、いったんホテルに帰る。
雪が完全に雨に変わってしまい、かといって傘を部屋に置いてきてしまったので、下手に歩き回っている余裕がない。
またファブリーズを買えずじまいだ…orz

ネットは相変わらず繋がらないが、もう調べなきゃならないようなこともないし、どうせブログの記事もアップできるほどには書き進まない、というか分量が多すぎて書き終わらないし、もう繋がらなくてもいいや。
夏だって、一週間ネットなしでも、別に困らなかった。
もちろん、メールはたまっているかも知れないけれど、めちゃくちゃ緊急の連絡だったら、今回からは日本の携帯がつながるんだから大丈夫。

部屋でゆっくりしている間に、雨もやんだ。
今日はちゃんとS-Bahnで行こう。

HauptbahnhofからHirschgartenまではたった3駅。S7とS27以外なら全部停まる。
駅の階段を上がって、改札を出たところからは、会場が全部見下ろせる。
な~んだ、こんなに近かったのか。

昨日に比べてゆっくり出てきたので、もう19時だ。
会場前の行列も、外の道路へはみ出るほど長い。
昨日入った小さなドアの前に、Christophをはじめとして、ファンクラブのメンバーが集まっていた。
Marcに電話しようとしたら、今かけたからすぐに来る、という。
ほどなくしてMarcがドアを開けてくれたので、4~5人のメンバーと一緒に入った。
一般入場前に、ファンクラブのブースを用意するのはこの人たちだけで、あと10人くらいは、結局一般の人たちと一緒に入場することになるらしい。
みんな入ってすぐ右手のドアから会場内に行ってしまったけれど、ついつい、そこら辺にいる人たちに挨拶しているうちに、Marcもいなくなってしまった。
周りに聞いても誰も知らないというので、会場の方に探しに行く。

幸いブースの前にMarcが立っていたので、今日もバックステージにいていいのか訊いてみると、
「もちろんだよ!そのつもりでリストバンドを渡してるんだから!昨日のを持ってる?」
昨日は、少しゆるめに巻いていたので、そのまま縄抜けの術のように外して、財布に入れてある。
「もし無かったら、またあげるから」
財布から出した昨日のリストバンドをはめると、MarcはそれでOK!と笑う。
いいのか、これで?
単に日本から来ている、というだけで、あとは普通のファンなのに。
それどころか、ファンクラブのスタッフをやっている人たちなんて、もう随分長いことファンだというのに、この待遇の違いと来たら。
ちょっと、というか、結構かなり申し訳ない。
でもみんな、まるでそれが当たり前みたいなんだよなぁ。

でもまぁ、ちょっと安心したので、バックステージに荷物を置きに行く。
う~ん、今日はどこにコートを置いたらいいんだろう?
やっぱ入りやすさでいったら、男性陣の楽屋かな?
ちょうどイケメン兄ちゃんがいたんで、「ここにコートを置いていい?」と訊いたら、「好きなように使っていいよ」というので、ありがたくまずコートを置かせてもらい、会場にとって返す。

昨日、約束したとおり、今日はちゃんとファンクラブの会員証を持ってきたので、ファンクラブのブースに持って行くと、仮の会員証を渡してくれる。
開場直前で、まだ人のいない場内を眺めつつ、今日はどこで見ようかと考える。
この、後方の柵あたりなんて見やすそうだけど、今からキープなんて無理だもんな。

再びバックステージに戻り、今日はバッグまで置かせてもらう。
今までは、会場内で飲み物を買う可能性を考えて、バッグだけは持ち歩いていたけれど、もうバックステージでしか飲み物は調達しないことにした(笑)
バックステージでただ一人、全く何の仕事もしていないのに、飲み食いだけはいっちょまえf(^_^;

何人かがMarcの部屋からワイングラスを手に出てくるので、見に行ってみると、今日ステージ上で飲むワインをみんなで試飲している。
その向こうではFloが今日のセットリストの清書中(笑)



日本だったらたいてい水だけど、ここでは常に、水の他にビールやらワインやら、本人が要望した飲み物がびっしりと並んでいる。
それこそ、ビールだったらHellesがいいとかWeißbierがいいとか、ワインだったら赤がいいとか白がいいとか。
そういう注文も、いつもNicoが聞いて揃えている。

ケータリングルームで、JuliaとPeterが何か写真を見ている。
朝・昼と普段よりも多く食べているせいで、今日はさすがに食欲がわかない。料理はおいしそうなのに。
いつもと同じく、水を1本とって、「これは何の写真?」と訊くと、10月にモルダビアでライブをやったときの写真だという。
Peterのすぐ隣に座って、後ろからのぞき込むような格好で見せて貰う。
どうやらJuliaが撮ったものらしい。
夜、本番の時に舞台の袖から撮った写真には、びっしりと観客が映っているのに、昼間のリハの時にステージから撮った写真では人影はまばら。
Julia曰く、ここで見ているのはファンクラブの人たちだという。

あぁ、そうそう、このときファンクラブでもかなりコアなメンバーが連れ立ってモルドバまで行ったにもかかわらず、3人に会う機会がなかったようなことがフォーラムに書いてあったので、今回ももしかしたら会えないんじゃないかと、Peterからメールが来るまでは一応そのつもりでいたのだった。

写真はさらに、ライブの翌日にも続いている。
「これはどこ?」
オフィシャルサイトにも同じ場所の写真が載っていたけれど、詳しい説明は一切無く、なんか殺風景な景色で、いったい何なのかわからなかった。
「これは、ワイン蔵にみんなで行ったんだよ」
すると、殺風景な砂利山の景色が数枚続いたあと、いきなりがらんとしたワインの貯蔵庫の写真が現れた。
次の写真には、壁にびっしりとワインが積み上がって、蜘蛛の巣が張っている写真。
続いて、なんだか古めかしい部屋に、まるで晩餐会のようなテーブルといすが並んでいて、そこでみんなが食事をしている写真。
部屋の雰囲気と、そこにいる人たちの雰囲気がまるで合っていないので、妙におかしい。

食欲がわかない分、通路で1本ビールを調達して貰って飲んでいると、今日は随分と子供が多い。
ちょうどFloの奥さんと子供が来ていて、帰ろうとしているところだ。
以前写真で見たのよりも、奥さんはずっと若々しくてきれいだけど、シャープな雰囲気はそのままだ。
子供の方は、まだ赤ん坊に毛が生えた程度のおちびさんながら、Peterを目の前に「この人は誰?」ときかれると「ぺーたー」と可愛い声で答えている(笑)
さらにはJörgも娘二人を連れてきていて、こっちはもう小学校に入るくらいの子たちだけれど、これまた、あのお父さんにこの子たち?と思うくらい、もの凄く可愛い。

メガネの兄ちゃんが、
「昨夜はよく眠れた?…Hotel Mirabellで(笑)」
それいうか(笑)
「午前中、知り合いに会うんで、8時に起きた」
「そんなに早く?!」
そりゃそうだよね。みんな毎晩あれだけ遅くまで起きてるんだから、朝だってもっとゆっくり寝てるに違いない。

程なくして、今日の前座がスタート。
別に前座を見たいわけではないのだけれど、やはり今日はアリーナで見たいので、そろそろ行った方がいいかも。
今日はまだRüdeと顔を合わせていないのがちょっと心残りなんだけど…。
でも楽屋のドアが閉まっているところを見ると、今は行かない方がいいかもしれない。

セキュリティのお兄ちゃんに挨拶しつつ、ステージの脇から出ていくと、まだまだみんな余裕を持って立っているので、アリーナ後方から徐々にステージの見えそうなポイントを探しつつ、前方に潜り込む。
が、前方から5~6人というところで、ちょっと立ちゆかない感じ。
今回はUnpluggedだけに、始まってからもあまり人の流れがないことを考えると、無理に前に出るよりは、ある程度前が見える場所を確保しておいた方が有利かも知れない。

今日の前座はPhil Vetterというギター弾き語りの人。
まぁ、悪くない感じ。
でも、やはり人に埋もれた状態で立っていると、それだけで息苦しい。
ひときわ背が低い分、間違いなく酸欠に近い。
本編が始まる前から、すでにステージ脇に戻りたい気持ちと、いやいや少なくとも一回はちゃんと客席側から見ないと、という気持ちとがせめぎ合う。
せめて今日は客席側から見た上で、明日、どこから見るかを考えるべきだろう。
でも苦しい…f(^_^;
しかもどこか近くでタバコを吸っている人がいるらしく、煙が流れてきて閉口する。
気持ち悪い。
不思議なことに、バックステージではあんなにみんなタバコを吸いまくっているのに、そんなに嫌な気がしない。
もちろん物凄く服がタバコ臭くなるので、毎朝閉口してますがf(^_^;
単にタバコの煙が嫌だというだけじゃなく、避けることのできない状況で吸われるのが余計に嫌なのかも。

20時40分くらいから、BGMの切れ目にさしかかるたび、観客の中から催促のコールがかかる。
いやいや、今日の開始は20時50分の予定だからさ(笑)

20時50分もやや押し気味で、スタート。
セットリストは昨日とさほど変わらない感じで進行する。
前に立っている女の子が大きくて、Rüdeの姿はほとんど見えない。
いっぱいいっぱいの高さまで腕を伸ばして、ファインダーを見上げながら写真を撮る。
せめてこの手の高さに目があったらなぁ、と思う(笑)







それでもやっぱ、客席に向かって演奏しているだけに、ステージとの一体感という点では、袖よりも客席の方が楽しい。
とは思いつつ、それでもやはり見づらいことは間違いないし、何より息苦しい。
時折ステージの袖を見上げては、行こうと思えばすぐにでもあそこに行けるのに、とつい思ってしまうけれど、いやいや本来はこっちにいるべきなんだから、と思い直す。
明日が最後なんだから、明日どこで見るかの最良の判断を下すためには、今日は是非ともここで見るべき。

昨日までと違い、途中で突然、Mag Tischtennisのエンディングを演奏し始める。
あぁ、そうか、今日からZhenfangがいないから、Ein Komplimentに入るためにここから始めるんだ。
昨夜、ファンクラブのブースから戻ってきたときには、もう彼女はいなかったので、さよならを言うことができなかった。
名前を漢字でどう書くのか、聞いておきたかったのに。
こればっかりは自分で聞いておかないと、ここにいる誰にも頼みようがない。

今日は、私のやや左手にいる男子連中が、もの凄く盛り上がっている。
Juliaが出てくれば、「super Julia! super Julia!」と掛け声をかけてうるさいし(笑)





しかも、途中でバイエルンの応援歌を歌い始めたので、Peterまで一緒になって歌い出す。(←バイエルンサポ)
するとFloが対抗して、「バイエルンのくそったれ~♪」てな歌を歌い出す。(←1860サポ)
どっちかっていうと場内ブーイング(笑)

それにしても、Unpluggedでオールスタンディングはきついものがある。
普段のライブみたいに全体がガーッッと動いてくれれば、もみくちゃではあっても、飛び上がれる分却って呼吸できるのに、立ちっぱなしだとホントに空気が足りない。
そう思ってたら、1回目のアンコールが始まるときに、左手の方から、ど~っと人が動いてきて、運良く前の方に押し出された。
なんと目の前に、Fabiannneたちがいる!
必死に手を伸ばして、目の前で手を振ると、その手をつかんで引っ張り出してくれた。
やったー!3列目まで進出(笑)
結構ここの方が空間に余裕があって、呼吸も十分にできる。
それでもまだまだ、人に埋もれてはいるんだけど(笑)





アンコールが始まると、今度は左手の連中が、ぐるぐるとサークルを作って回り出す。
そりゃさすがにちょっと無理があるだろうf(^_^;
はっきり言って、みんな迷惑顔だったので、連中もすぐに静まる。
それでも、PeterやRüdeがペットボトルの水を投げ込むと、みんな奪い合い。
Fabianneともう一人の女の子との間にも、タオルが飛んできた。
他の人にとられまいと必死になっているのがおかしい。
いや、おかしいといっちゃいけないな。
自分はバックステージに戻れば、それこそ本人達がすぐ目の前にいるから、別に汗拭いたタオルなんてどうでもいいと思ってるけど、彼女たちくらい熱心で、しかもメンバーともすでに面識がある子たちでも、まだもうちょっと手の届かない存在なんだ。
本当は自分だって、そこにいるはずだったんだ。






今日のラストドラマーは、PeterとFloがそれぞれ手を挙げた人を選んでしまったので、1人は急遽鈴担当だ(笑)







2度目のアンコールが終わってから、Fabianneたちに、またあとで、といってビールを飲みに(笑)、ステージの脇を通ってバックステージに戻る。
セキュリティのおにいちゃんも、すでに顔を見ただけで笑いながら通してくれる。

いくら十分に暖房が入っているとはいえ、さすがにバックステージの通路は、会場に比べると少し寒い。
すでに時間が時間なだけに、荷物を全部持ったJörgが「また明日」と言いながら、娘たちを連れて裏の通用口から帰って行った。
ちょっとのどが渇きすぎていて、これはいきなりビールを飲んだら却って脱水症状を起こすかも、と思い、ひとまずケータリングルームに行って、水を1本飲み干す。
あ゛~、水が旨い!!

しばらくしてFloがやってきて、「姪っ子たちはどうした?」と訊くので、
「もう帰ったよ」と答えると、ほっとしたようだ。
そりゃそうだよ。23時頃まで、あんなに小さい子達がいるんじゃぁね。
つーか、あの子達、ライブの間ずっとバックステージで待ってたのかなぁ?

また例に漏れず、Floにビールを探して貰う(笑)
実は、ビールのケースが山積みになっているテーブルは、脇のドアを入るとちょうど会場内の飲み物スタンドの裏側になっていて、基本的にこのビールは業務用なのだが、今日はもう空瓶しかない。
男性陣の楽屋の冷蔵庫にも残っていないので、3人の楽屋に連れて行かれる(笑)

どれがいい?と訊かれて、これまでずっとErdingerだったので、今回はAugustinerのHellesを出して貰う。
どうもみんなErdingerの方を好んで飲んでるんだけど、今はなんだかAugustinerが飲みたい。
当然、みんな最初から飲み物片手なので、乾杯し合う。
でも、話し始めると、途端に真面目な雰囲気だ。

Alles Roger!がちょっと遅すぎる。
そのせいで、そのあとのUngewöhnlichも遅い。もっとテンポを上げた方がいいんじゃないか?

そんな話だということはわかった。
確かにちょっとゆっくり目ではあった。
ただ、気になるほどではなかったけれど…。

でも、口を挟むべきじゃないし、そもそも挟みようがない…f(^_^;

そうこうするうちに、ライブ全体の話になってきて、いきなり話を振られた。
Flo曰く、「毎日見てて楽しい?それは観客が違うから?」と。
「もちろん、観客も違うし、たとえば昨日と今日では見ている場所も違うし、そもそもライブ自体が毎回毎回違うものだから、だからこうして4日間ずっと見に来てるんだよ」
ドイツ語でうまく伝えきれないのがもどかしい。

たとえ全く同じセットリストで、場所も同じだったとしても、それこそ生ものなんだからその日その日で全然違う。
そしてそんな中で時々、物凄い化学反応が起こる場面に出くわす。
例えば、1月のMTV Unplugged本番みたいに。
最初の音が鳴った瞬間に、これだ!と思った。ドイツまで来た価値がある、と思った。
お金が掛かった、掛からない、という話じゃなく、その場にいなければ味わえないものがある。
たぶん、最初にライブ盤を聴いて、どうしてこの場にいなかったんだろう!!とまで思ったのは、「その場を味わえなかった」ことが直観的にわかったからだ。

相変わらず真面目な話が続いているので、「外に出ていた方がいい?」と訊くと、
「や、ここにいなよ」とFloがいう。
正面のソファに座っているRüdeが、自分の隣に座れという。
ソファに立てかけてあるギターをFloがどけてくれる。
こうして3人と一緒にいられるのは嬉しいけれど、真剣な話し合いをしている中では、さすがにいたたまれない感じ。
だって、絶対にこれ、話している内容が完全に理解できたとしても、場違いというか、ここにいていいのか?と思うだろう。
バックステージにいた話なんかをすると、まぁ間違いなく「いいなぁ」とか「よかったね」といった反応が返ってくるけれど、ずっと一緒にいるわけではないこととか、時にはこんな状況になってることなんて、絶対に想像の範囲外なんだろうなぁ。

話に一区切りが着いたらしく、Floが出て行く頃合いに、Rüdeが「いつ日本に帰るの?」と訊いてくる。
「明後日の朝。10時の飛行機。」
そのためには早く起きなきゃならないから、明日は少し早めに帰らないと、などと話をしているうちに、Peterまでいなくなってしまった。
しかもご丁寧に、部屋のドアまで閉めて(笑)
でもよく考えたら、今回Rüdeと二人で話をする機会って、これが初めてだな。
そもそも今回は、いつもたくさん人がいるので、あえて話を振ってもらうんじゃない限り、ほとんど周りの会話について行けない。
「来年はドイツに来られないかも」
「なんで?」
「6月に南アに行くから。6月以外にライブやる?」
「う~ん、今のところ、6月にRock am Ringとか5本くらいやるだけかな。ほら、あとはずっとアルバム作りだから」
「じゃあ、次に会えるのは2011年?」
「そうだね」
といって笑い合う。
丸一年会えないのかぁ。
でも、今回だって、1月の次がこの12月なんだから、1年近く会ってなかったわけで、結構大丈夫じゃないかな。
だいたいにおいて、前回は「次はいったいいつ会えるんだろう?」と妙に不安だったけれど、今は「たとえ1年以上会えないとしても、またきっと会える」と不思議な安心感がある。

「Juliaの両親が来てるんだ、会いに行こう!」
「Juliaの?」
「そう、Juliaの両親もミュージシャンなんだよ。ミュンヘンにはいろんな人がいるからね」
へぇ~、そうなんだ。Juliaってサラブレッドな子だったんだ。

さすがに私までJuliaの両親に会ってもしょうがない(笑)ので、遠巻きに眺めていると、物販の脇にある大きな階段に、昨日ファンクラブのブースにいた女の子がいるのに気づいた。
大柄で、いつもおっとりとした笑顔を浮かべているあたり、ちょっとお高い感じのChrisとは随分と対照的なのに、どうも二人はコンビと言っていいくらい仲がいいらしい。
世の中って、不思議なモンだ。

場内には飲み物のカウンターが、バックステージから直接行き来できるところと、もう一つ会場の真後ろに当たるところと2カ所あって、ある程度観客がはけた現在は、アリーナを囲む柵と後方のカウンターとの間に、立ち入り禁止の赤白テープが貼られている。
一般の客は、テープの向こう側。
時々テープをくぐってこっち側に潜入してくる人がいると、すかさずセキュリティにつまみ出される。
たぶん、ファンクラブのメンバーがまだ結構いるのが見えるので、入れるものだと誤解する人もいるんだろう。
RüdeやPeterが、普通にその辺で立ち話をしていたりするし。

ふと気づくと、Peterがファンらしき女の子2人と、テープ越しに話している。
どういうわけかSportfreundeのファンは、本人達が目の前にいても殺到するということはなく、結構普通な感じで話している人がほとんどなので、それがドイツでは普通なのかと不思議だったけれど、やはりこれはドイツでも珍しいっぽい(笑)
今話している子達も、まるで友達かと思うような感じで話をしている。

すると、女の子の1人が、ひょい!とテープをくぐった。
その途端、セキュリティが飛んできて、彼女をテープの外に押し出した!
きっびしいな~!Σ( ̄□ ̄;)
当然といえば当然だけど、ちょっとセキュリティが厳しすぎるような気さえする(笑)

そうこうするうちに、もう12時だ。
いくらまだまだ電車があるといっても、さすがに今日は早めに帰って寝たい。
バックステージに戻って帰り支度をする。

とりあえず、バックステージですれ違う人みんなと「また明日!」と挨拶を交わす。
よく考えたら変なはずなのに、誰も疑問に思わないf(^_^;
ちょうどPeterがいたので、「今日はS-Bahnで帰るよ」とあえて宣言した(笑)

日本と違って、12時過ぎなんてまだ普通に電車が走っているので、ホテルに帰ってシャワーを浴びても、まだ1時過ぎだ。
やっとゆっくり寝られる。
やっと、っていっても間違いなく今日だけなんだけど。
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