Der König Hat Eselsohren

Ulm(2)

試しに、会場まで歩いてどれくらい掛かるか、計ってみる。

ホテルの前の道をそのまましばらく西へ下ってみると、思ったより早く、さっき通ったところに出た。
そこからズンズン進んでいき、15分で到着!

これ、帰りもわざわざバス停まで行かず、そのまま歩いて帰った方が早いかも(笑)
つか、まだ3時45分なんですけど!
いくら何でも早過ぎるっしょ!f(^_^;

そういや、ホテルの部屋で、少しドイツ語の練習してから行こう、とか今朝辺りには思ってなかったっけ?
すっかり忘れてやんの。orz
かと言って、ここまで来て、戻ってもしょうがないしなあ。

さすがにこんな時間では、Kristin達も来てはいない(笑)
むしろ、いたら驚くよ(*゜∀゜)

正面の入り口はもちろん、さっき開いていた脇の方も、今はぴっちり閉まっている。

うむ。

どこから出入りしてるんだろう?
背面の方も全部閉まっているし。




と、後ろの方で、話し声がする。
振り返ると、川べりの遊歩道に面した柵のところに黒い人影。

あれ?

お互い同時に気がついた。

Rüde だ(笑)
誰かと電話中のところ、「Hallo!」とハグして、「Gleich, OK?」と言って話し続ける。

が、なかなか終わる気配がない(笑)

もう一方の脇の方は、来た段階でちょうど見通せたので、どこも開いている気配はなかったが、どうもその角の辺りに人影が…。

ちょっと見に行ってみたが、若い子達が数人、たむろっている。
でもそこ、明らかに入口じゃないし。
しかも、しばらくすると、どこかへ行ってしまった。

で、Rüdeはまだ電話中(笑)
かれこれ15分以上喋ってるんだがf(^_^;







でも、これはもう、待ってるのが一番だ。

しばらくして、ようやく電話を終えて、Rüdeがやってきた。
「Hallo, wie geht's? 」
「Danke gut, und dir? 」
なんか、まあまあ、とか言っている(笑)

ちょうど背面側左寄りのドアが開いて、人が出てきた。
あそこから出入りするらしい。

そこへさらに、さっきから近くを歩き回っていた家族連れが、Rüde に声をかけた。
この人達も関係者らしい。

ドーンと開け放たれたドアから入っていくと、ちょうどそこはホワイエらしく、右手の方が会場だ。
まだサウンドチェックの準備中。

「こっちにはいつ来たの?」
「昨夜ミュンヘンに着いた。で、昼頃ウルムに来た。」
「ウルムは初めて?」
「11年前に来たことあるよ。で、旧市街を散歩したりしてたんだけど、もうすることがなくなって。早く来過ぎた!(笑)」

「レーゲンスブルクには間に合わなかったんだ?」
「うん、空港に着いたのが8時半頃だからね。」
木曜深夜の便に乗れれば行けたのだけれど、席がなかった、と言おうとして、仮定法に四苦八苦していると、直しながら、
「それ、言うの難しいから(笑)」
うん、めちゃめちゃ難しい。紙の上で問題解くとか、文章書くなら、そこそこ出来るのだが。

「レーゲンスブルクはきれいなところだよ。」
「そうだね。昨夜、Facebookでライブストリーミング見たよ」
「あ~、Marcがやってたやつ?」
「たぶん」
「昨日は叫びすぎて、今日はノドが痛いんだよ」

が、ライブで盛り上がり過ぎたのかと思いきや、昨日はライブの後でFlo達とスペイン居酒屋の遊びに行ったらしい。
で、そこで、昔ながらのサッカー・ゲームで盛り上がり、叫びすぎた、という…アホか!

「Floがすんごいキックを繰り出すんだよ!」
しょーもないヤツらだなあf(^_^;
でも、なんか、魔球を繰り出すFloの姿が目に浮かぶ(笑)

「でも、この前よりもドイツ語うまくなったねぇ」
「そう?2月3月は一生懸命勉強してたけど、4月からは忙しくて全然だよ」
2~3月でオンラインの書くトレーニングを受けていたせいで、ブログを書く余裕がなくなってしまったが、4月に入ってからは、ドイツ語に触れる機会すらままならない…orz

「飛行機でどれくらい掛かるんだっけ?」
「11時間くらい?」
「あ~、無理!飛行機嫌いだし(笑)」
これ、前にも言ってたよな~f(^_^;
「そう?(笑) しかも今回、深夜の便だけじゃなく、直行便が全部席がなくて、ロンドン経由で来たよ!」
「??」
「連休ですごく混んでるから。ロンドン経由なんて普通しないよ」

と、後ろから来た人に、通り過ぎざまに背中を叩かれた。
「Hallo!」と手を振るBertil。
こっちも「Hallo!」と思いっきり手を振り返す。

「それに」と話を続ける。
「予約する2~3日前に深夜便の値段を見たら、物凄く高くて、そもそも買えなかった。」
「どれくらい?」
「え~っと、5200?5300ユーロ?」
69万円って何ユーロだ?!f(^_^;
「それは普通の料金?」
「えっと、普通料金かそれ以上なのかもしれないけど、普段はもっと安く買えるから。1000ユーロくらいからだから」
「それは日本の航空会社?」
「うん」
「安いな~」
確かに、もしかしたら、ルフトより全日空の方が安いのかも。
深夜便の料金を調べた時点でも、ルフトでは80万円って出たからねf(^_^;
全日空の方が遙かにいいんだけど(笑)

「仕事はどう?忙しい?」
「うん、忙しいよ~!昨年より1コマ授業が増えたし、今年は組合の仕事もあって」
いやもう、ホント、鬱病でも発症しそうな勢いで。
日々、溜め息とともに、エクトプラズム出そうです。
そんなんドイツ語で言いようがないけど(笑)
「ここに来ると解放される?」
「そりゃもう!」

「今、日本にいると、やっぱり北朝鮮が問題?」
「うん、なんか、昨日か今朝か、ミサイルが…」
「実験?」
「うん、失敗したらしいけど。東京の地下鉄が止まったとかで…そんなの初めてなんだけどね。」
でも、この出来事の愚かしさと、その影響の大きさ異常さを、どう説明していいのやら。
日本語でだって説明しきれない。

「今、こっちではルペンやトランプが問題だけど、日本だとアベ?」
ルペンを超える極右政権だって、ようやく認識されつつある?(笑)
「そう、トランプとアベと金正恩ってそっくりだよ。ホント、アベって…」
あ~、も~、適切な単語が思い浮かばなくて、うなり声しか出ないf(^_^;
で、浮かんだ言葉がせいぜい「Hässlich!」だったりして。

もちょっと中身のあることが話せるやうになりたひ…orz

Rüdeには、殊更いろんな事を話してるから、よく分かるのだろうが、ただでさえ忙しさでイッパイイッパイな上、目の前でアベ政権に日本が破壊されていくことへの怒りと、何も出来ていない絶望感が、日本を離れてもまだ、こびりついて離れない。

なんかもう、ビリビリびりびりと、怒りの電流を発していそうな気がする…。orz
Rüdeには、その辺、何も言わないうちから伝わっちゃっていそうだ。


そろそろサウンドチェックが始まるらしく、いつの間にか、ステージの上でPeterが何かやっている。
それを見て、ステージに上がって行くRüde。

と、こっちを見たPeterが、「そこにいるのはAiko?」

手を振ると、ステージから下りてきた。

「Hallo, Aiko!」
ほっ。いつも通りのPeterだ(笑)

「昨日もいつもの二人が最前列にいたけど、今日も一緒に見るの?」
「たぶん(笑) 2~3日前にDanielaから、私が来るのかどうか確認のメッセージが来たよ」
Peter、すでに苦笑いf(^_^;

「この前はPaulinaにプレゼントありがとう。すごい気に入って、いつもブーン!って遊んでるよ」
「ホント?!」
やったぜ!
「あれ、なんて言うの」
「アンパンマン」
「アン…パ…マン?」
「アンパンマン。日本のヒーローだよ」
「ヒーロー?」←確かにヒーローには見えない(笑)
「ちっちゃい子供達のヒーロー(笑)みんなを助けてる」
「丸い鼻が3つ付いて…」
両脇はほっぺたです(笑)
「全部丸くて、赤くてね! 顔がパンで出来てて」
ここで前置詞を直されるf(^_^;
「で、困ってる人に顔を食べさせるの」
Peter爆笑!
まあ、そんなヒーロー、予想外だわな。

で、いつも通り、いつ来たの?いつまでこっちにいるの?と訊かれる。
「次の金曜日まで。ウィーンのライブを見た後、もう一日ウィーンにいて、それから日本に帰る」←帰りたくはないが。
「休みなんだっけ?」
「うん。いつもだと4~5日しか休めないんだけど、今回10日休めるんでドイツまで来れた!」

と、さらに男の子を連れた男性がやってきた。
Peterの知り合いらしい。
さすがに話してる内容全部は理解出来ないが、子供の写真を一緒に見せて貰った。
「ほら、箱に入ってるんだよ(笑)」
と、箱の中に座っているPaulina。
悶絶しそうに可愛い♪
文字通り、Brugger家の箱入り娘です。


と、いよいよサウンドチェックが始まるらしい。












さっきの家族連れは、子供達2人にヘッドホンをつけさせている。
用意がいいなあ。
どうやら二組とも、最初からサウンドチェックを見に来ているらしい。
まあ、小さいコドモには、ライブ本番は無理だもんなあ。

Peterが家族連れのお姉ちゃんの方に名前を聞くと、Pauline!という返事が返ってきた。
すかさずFloが、PeterのところにPaulinaがいるよ、と返している。

そこへちょうど流れてきたのが「Das Geschenk」の出だし。
Peterが、音声にあわせて、バイオリンを弾く真似をしながら、Geigeだよ、と説明している。

で、「Das Geschenk」のあと、立て続けに「Zwischen den Welten」「Sturm & Stille」とフルコーラス。



















いやあ、贅沢だなあ♪

つーか、この状況なら、むしろ動画を撮っておいた方がよくね?

ちょこっとなにかカバー曲をやったあと、「Auf Jubel Gebaut」を途中まで。

で、次に弾き始めた曲、これ…「Laut Aanhören」か?!
Peterのマイクが入っていないらしく、歌は聞こえないが、もしこれやるとしたら、生で聴くのは初めてだΣ( ̄□ ̄;)
少なくともこの時点で、初めて生で聴いた!!

うわ、今日はどうなるんだろう?
こないだのライブでも「Ungewöhnlich」なんかやってたからなぁ。←これも生で聴いたことがない。

あとは特に何かを演奏するというほどもなく、サウンドチェックは終了。
サウンドチェック中にインスタに写真をアップしようとしていたけれど、うまくいかない。
Wifiに繋がらないと無理か?

でも、Kristinからのメッセージは届いている(笑)
もう来てる?というので、サウンドチェック中と送ったつもりなのだが、やや意味不明だったらしい。
彼女らはもう外に来ているというので、私は中にいるよ、と返事したら、後で!と返ってきた。

時計を見たら、もうすぐ5時半になろうとしている。
サウンドチェックが始まったのが4時半近かったのだが、意外と時間が経つのが早いなぁ。

みんながステージを下りると同時に、セキュリティ・スタッフが、ステージ前と、PAブースまわりの柵の設置を始める。

さっきの親子はまさにPeterの知り合いらしく、PeterがFloに紹介している。
で、なぜかFloが、「これが唯一の日本人の友達のAiko」と紹介してくれる(笑)
と、二人の会話の中に「texten」という単語が聞こえる。
何だろう?と思ったら、どうも歌詞を憶えているという意味で使ってるっぽい。
そんな意味があるのか…?f(^_^;
でもまあ、確かに、100%とは行かないまでも、少なくともサビ+αくらいは歌えるからな。

サウンドチェックに来ていた2組とも、今日はこれで帰るらしい。

で、私はどうすれば?
さっき、Marcとも挨拶はしたが、そのまま奥に行っちゃったしなぁ。

で、Rüdeがお茶飲むけど、一緒に来る?というのでケータリングルームに付いていく。

バックステージに入った左奥、なにやらバカでかい空間。
入った右手にテーブルがおかれていて、お菓子やパンが並んでいる。

手前の広々としたところに、長テーブルと椅子が3組。
なんか、場所をもてあまし気味な感じ。

でもって、左手の方は階段状になっており、そこに沢山のソファが並んでいる。
何なんだ、ここ?

どうやらここも本来は、小劇場として使われているらしい。
いわれてみれば確かに。
で、さっきまでは、結構、そこのソファで寝てる人がいたらしい(笑)

角の冷蔵ケースを挟んだ部屋の奥のところに、湯沸かしポットや紅茶のティーバッグが並べられているが、なぜか湯沸かしポットの近くにコンセントがない(笑)
二人で探し回った挙げ句、Rüdeは今使われているコンセントからプラグを引き抜いて、ポットで湯沸かし。
つか、この下はテーブルかと思いきや、どうやら巨大な冷蔵庫?
その電源引き抜いちゃって、いいのかよf(^_^;

で、お湯を沸かしながら、生姜の皮をむき始める。
「生姜はいる?」
「いらない」
「何か好きなもの、飲んでいいよ」
と、冷蔵ケースを開ける。
う~ん、Weißbierというのもなんだし、なんだこりゃ、マテ茶?(笑)
さらに見慣れない瓶があるので手に取ると、
「それ、Weißbierだよ。Peterがいつも飲んでる」
どうやら、ここウルム辺りのWeißbierらしい。

つーか、さすがにまだ、ビールには早い(笑)
まずは水でしょうよ。

Rüdeの方は、のどのために紅茶をいれているので、生姜に続いて、今度は蜂蜜。
と、そこに置いてある蜂蜜を手に取り、
「これ、EU域内のと、域外のと、両方入ってる」
と不満げ。

で、こないだ、養蜂について学んできたらしい(笑)
蜂蜜について色々と教えてくれるのだが、一応こっちもそこそこ基礎知識はあっても、聴いててイマイチよくわからないf(^_^;

だが、あまり良くない蜂蜜だろうが、とにかく今は、背に腹は替えられないようだ(笑)

で、これから寝るんだけど、どうする?ここにいる?と訊かれる。
いや~、さすがにこのだだっ広いところに一人でいるのもね。
なんか、熱烈に夕飯待ってるみたいだし(笑)
まだ今日のパス、Marcにもらってないし。

と悩んでいると、Garderobeの方に連れて行ってくれることに。

「最近、いつもこのくらいの時間に寝てない?」
と訊くと、
「夜中、あんまり寝られないしね。それに、この時間の方が、みんないなくて静かになるし」

なるほど。そういうわけか。
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