Der König Hat Eselsohren

12日目その2(Jazzfäst in Eupen)

延々、2時間近く喋って、バスに戻る。
「die ärzteは知ってる?」
「もちろん」
「トップ・バンドだもんね。俺も14年前からファンなんだ」

「ほら、die ärzteが来てるよ」
Sportfreundeのバスの前に、初めて見る、黒とグレーのバスが停まっている。
「俺達のバスより大きいだろ」
バス自体の大きさはそんなに違わないような気がするが、向こうは2台だ(笑)

こっちのバスも、今度はドアが閉まっているので、暗証番号をRüdeが教えてくれる。
「これが複雑なんだよ」
良く見えるように番号を押してくれる…
「簡単じゃん!(笑)」

ひとまず歯を磨いて、コンタクトを入れたけれど、それ以上することが何もない。
まだ12時前なので、ホテルに行ってもチェックインできないし。
すると運転席のドアが開いて、Joachimが出てきた。
「おはよう」
運転席を覗いてみると、簡易ベッドがあるようだ。

そこいらを散歩していると、芝生の向こうの建物の脇に、EUの旗と並んで、ベルギー国旗がはためいているのが見える。
そうか、ここはベルギーだった。
表の通りを歩いてくる人影も増えてきた。
開場は14時なのに、もう観客が集まり始めている。

ずっと携帯で話していたRüdeが、今度はPCを持ち出してきた。
「ネット、見る?」
「いい。後でホテルの部屋で見られるから」
こっちも壁紙は子供の写真だ。これがまた凄く可愛い♪
「今日のライブはチケット持ってるんだっけ?」
「うん。買ってるよ」
先走って買った挙げ句、メールでPeterに、買わなくていいのに、と言われた代物だ。
「でも、そのパスがあれば、どこでも入れるんだから、いらなかったね(笑)」

特にすることもなく、しばらくその辺をうろついていたけれど、バックステージ・パスがあるから、どこへ行ってもいい、と言われていたことを思いだし、ひとまず携帯だけポケットに入れて、バックステージの方に行ってみる。
本当にあっさりと入れる(笑)

バスとは柵を挟んだ辺りに、プレハブ小屋が並んでいたので、おそらくこの辺りが楽屋だろうと思っていたら、ホントにその通りだった。
しかもステージに近い方から、die ärzteのプロダクション用の小屋があり、さらにメンバー個々に楽屋が用意されている。
Belaの楽屋のドアが開いていて、中にハローキティの絵がついたTシャツが下がっているのが見える。
しかも黒地で、キティの脇に「闇」とか書いてある、イカすTシャツ(笑)
ドアの脇には、会場側で付けたらしい、「Bela」「Farin」「Rod」という札の上に、die ärzteのスタッフが用意したらしい札が貼ってあって、Farinのところには、本名の「JAN」という札が貼られている。




die ärzteの次は、Sportfreunde Stillerのプロダクション用、Sportfreunde専用のトイレとシャワーの小屋、そしてGarderobe(楽屋)。
その先は、他のバンドに一つずつの小屋が並んでいる。

小屋の辺りをブラブラしていると、ケータリングの皿を手に、Floがやってきた。
「眠れた?」
「かなり(笑) でも顔は醜いよ」
「そんなことないよ」
そうか?

「トイレはここを使えばいいからね」
と、専用のシャワー小屋を使うように言う。
トイレ自体は、バックステージ・スタッフ全体のものも別にあるのだ。
Floはステージの方を指しながら言う。
「昨日は城やら森やらで凄く周りが綺麗だったろ。でも今日はひどいよ。何もない工業地帯だよ」

3人の楽屋に入ってみる。
「きれいな部屋だろ?(笑)」
白く塗られた小屋の中に、1人掛けソファが4つと、テーブル、そして古いイス。
飲み物や果物が既に置かれている。
「勝手に好きなものを飲んでね」
壁にどこかの雑誌に載ったときのページが貼り付けられている。
全然見たことのない写真だけれど、正面を向いたPeterのドアップがめちゃくちゃカッコイイ。
「この写真、かっこいいね」
「これは4年くらい前のかな」
そっか~。
Floは写真の中の自分を指さしながら言う。
「このときはまだ髪があった」
拘ってるなぁ(笑)


NEXT>>
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「Sportfreunde Stiller」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事