行きたい美術展は数あるが、会期末が迫っていたのでこちらへ。
ヴィジェ・ルブラン展と謳ってはいるけれど、実際には、同時代のフランス女性画家展。
でも、知りませんでした。
こんなに女性画家がいたなんて。
しかも上流家庭の娘は、教養の一つとして絵画を学んでいたなんて。
どの作家のどの作品を見ても、大変なテクニックを持っていることがよくわかる。
それでありながら、この時代、女性は、男性モデルのスケッチを練習できなかったので、歴史画などを描くことが出来ず、もっぱら肖像画を描いていた、という虐げられた状況。
そのせいか、どの肖像画も、男性画家が描くものと違って、対象への批判といったものがまったく感じられない。
ある意味、それはつまらないのだが…。
それでも、その環境下において描く喜びと、それに直結する対象に対する愛情、それゆえにヴィジェ・ルブランはアントワネットに重用されたんだろうなぁ。
美化してる、というのではなくて、それこそ今この時代の自分だって、もし写真を撮って貰えるのなら、出来る限り綺麗にとって欲しい、と、そういう気持ち。
だって、よくいうじゃん、対象に対する愛情が、写真の出来を左右する、って。
アントワネットは、それだけ、ルブランからのシンパシーを感じていたんだろう。
展示されている作品の印象は、どれも、繊細で柔らかで、儚げなものが多いのだけれど、全体を通してみると、画家達のたくましさ・したたかさというのが通奏している、そんな展覧会でした。
最新の画像もっと見る
最近の「文化・芸術」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事