Der König Hat Eselsohren

若冲ワンダーランド@MIHO MUSEUM



そもそもの発端はテレ東の「美の巨人たち」だ。
あれで、「MIHO MUSEUMってどこ?」と調べたら、滋賀県。

信楽。

石山駅から、なんとバスで50分!!


遠いなぁ。
日帰りは不可能ではないけれど、バスが1時間に1本ずつしかないので、うっかり乗り遅れたらアウトだし、この辺りの交通事情が全くわからないだけに、時間が読み切れない。

これは京都に泊まって、1泊2日で行った方が安心だ。

ということで、学祭休みを使っていくことに。
しかも土日宿泊だとなかなかホテルがとりづらいけれど、金曜日だったら大丈夫だ。
それに、MIHO MUSEUMのサイトでは、11月1日は、団体客が多いから混むようなことを書いているし。
だったら平日の方がいいだろう。
なにしろ昨今は、若冲というだけで人がわんさか集まって、押すな押すなの大盛況なんだから。

そんなわけで、京都駅から琵琶湖線に乗り、石山駅へ。
3番のバス乗り場には、何台もバスが来るのに、そこで待っている人はあまり動かない。
もしや、と思ったら、やはりみんな150番、MIHO MUSEUM行きのバスを待ってるのだったf(^_^;
バスは、補助席まで出さなければならないほど、ぎっしり満員。
そしてやっぱり、途中で降りる人はほとんどいない。

むむ~。混んでそうだなぁ。

半分寝ながら、バスに揺られること50分。
いかにも日本の里山、といった感じの山の中の景色が突然開けて、田圃の向こうに集落。
手前にMIHO MUSEUMの表示。
そこをさらに上っていくと、エントランスと駐車場が現れた。
平日だというのに、結構車が駐まっている上、観光バスの姿も見える。

しかし、さすがに山の上だけあって、ここはすでに紅葉が始まっていて、なかなかいい景色だ。

入っていってすぐのところにレストランがあるので、まずは腹ごしらえ。
でも入り口に入店待ちの列が出来ている。
外の電動自動車乗り場にも結構行列が出来ているだけに、いったいどれだけ混んでいるんだろうかと、ますます不安だ。
つーか、電動自動車って何?

食事を済ませて、受付でチケットを買ったところで、電動自動車の謎が氷解。
このエントランス棟と美術館の本館まで500メートルほど離れているのだった。
ちょうど車が行ってしまったところだったので、美術館棟まで歩いて行くことにする。
どうせたいした距離じゃないし、天気もよくて、山の空気もさわやか。

でもこれ、雨の日だったらさすがに嫌だな。雨好きの私としても(笑)
それも少々の雨ならともかく、かなり降ってるとか、風があるとかだったら、遭難しかねないf(^_^;


さて、美術館棟に入り、早速展示室へ。
いったいどれくらい混雑していることやら…。

と身構えたものの、とりあえず、入り口付近にはあまり人がいない。
ぽつぽつ、といった感じで、間隔を置いて展示されているのを、結構のんびり鑑賞できる。

う~む。きっとこれは、最後の方で混んでいるに違いない。

それにしても、若冲が版画までやっていたとは知らなんだ。
もちろんそう多くはないんだろうけれど、これは意外。

水墨画も、梅の枝の先がかすれてどこかへ消えちまってるような、いつもながらの「ザ・自由!」みたいなものもある反面、細部まできっちりと描かれているものもある。

それにしても。

今回、特別出品されている「鳥獣花木図屏風」。
以前、プライスコレクションとして大々的にやったときには、大混雑の中を必死に見たのに。


超・余裕。


ほぼ独り占め可能。


見たいだけ見て、やや離れたところから、全体をゆっくり眺めることも可能。

実に信じがたい状況だ。
これはやっぱり、人里離れた山奥だから?
それにしても、さっきあんなにいっぱいいた人たちは、どこへ行ってしまったのか???

それはさておき、これだけゆっくり眺められるというのは、実にうれしい。
こうしてじっくり眺めていると、この屏風の描く世界は、まさに桃源郷だ。
どんな部屋だったら、この屏風が置かれるのにふさわしいだろうか、とちょっと考えてしまう。
和室、って感じじゃないよなぁ…(笑)

ちょっと間抜け面の「雨龍図」もいいなぁ。
蟹の衝立も、よくよく見ると、大ガニの足にちっちゃいカニが絡みついていて、可愛い。


そしていよいよ、今回のメイン・イベント。
「象と鯨図屏風」。
ここが大混雑に違いない!!

…と思ったら、全然そんなことなかったf(^_^;

余裕のよっちゃんだよ(笑)

それにしてもまぁ、なんだこのスケールのでかさ。
もはや笑うしかない。
つーか、「鳥獣花木図屏風」もだけど、これも見ていると、でれ~っと笑ってしまう。
なんと言っても、象が可愛すぎる!!
あの笑ったような目と、くるりんとしたしっぽ。
若冲は、象を見たことはあるんだろうけれど、象が座ったところまでは見てないんだろうなぁ。
何とも不思議な座り方というか。
そして、なぜか浜辺にいて、さらに牡丹の花が背中に咲きかかっている不思議(笑)

対する鯨は、真っ黒な固まりが、ぶしゅーっっっ!と潮を吹いているだけ。
目すら描かれていない。

でも、全体が見える位置から眺めると、絶対に、ぱお~んと鼻を高く掲げている象に、鯨が潮を吹いて応えているようにしか見えない(笑)

よくもまぁ、こんなの思いついたもんだよ。
しかも80過ぎのじいさんが(笑)
アイディアもすごければ、実際にこれだけの大きさのものを描くパワーもすごい。
ブラボーだ!若冲じいさん!!

そしてやはり、これも家具の一部だとしたら、和室よりも洋室の方が合うんじゃん?
バウハウス風の家具とかが並んだ部屋にこの屏風があったら、めちゃくちゃかっこいい。
でっかい液晶テレビが一緒にあっても、全然おかしくないだろう。

対するに、「鳥獣花木図屏風」は、ミッドセンチュリーの家具とかが合いそう。
すっげーおしゃれ。
超モダン。


最後の五百羅漢図までゆっくり見ても、予想していたほど時間がかからなかったので、もう一回最初から見る(笑)
さっきまでよりは少し人が増えたものの、たいしたことはない。

むむ~、こんなに空いているなんて考えられない。

その後、ほかの常設展等々もちらちら見て、16:07のバスに乗るべく戻っていったら、これがまたびっくりするほど人がいない。
みんなもう帰っちゃった?!
来たときはあんなに人がいたのに…。

ものっすごい謎。
でも、今、若冲を見る上では、超穴場です。
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