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まい たびっくす

ネコ好きの建築家 羽鳥誠一のブログです。

きになるけんちく

2008-07-04 09:27:51 | けんちくと街
6月30日1泊で東京出張でした
行ったついでに東京の建物を見ようと
東京丸ビルと新丸ビル 東京ミッドタウンの三棟を
廻って歩きました築年時は
丸ビルが7~8年 新丸ビルが4~5年
ミッドタウンが2年ぐらいでしょうか(正確には把握していません)
丸ビルといえば東京というより日本の顔であり玄関みたいなもので
設計は当然日本のトップレベルの技術、デザインを出してるはずです
ただ丸ビルは新丸ビルと比べて素材 色の使い方に抑制をきかせすぎるというか
冒険を一切排除したというか 全体的に硬い印象を受けたんですね
それに比べ新丸ビルは西欧古典の要素を遊び心として捉え
モダンなデザインとの融合を洗練された形で表現しています
数年後のミッドタウンは抑圧的な雰囲気が排除され
ゆかた姿で歩いても違和感のない空間デザインです
洗練されたフレンドリーな設計デザインに共感しました
仙台に立つ建物の殆どは東京の設計者による物件が多いんですが
正直いって二流三流どころの設計者しかまわしてもらえず
観たいと思う物件がないのが本音です
資本も人材も東京に集中してしまうのが現状でしょうから
しかたありませんね
日本で最高の設計デザインの建物を見たかったら
東京へ行くしかありません。
羽鳥建築設計室

まちづくり3

2008-05-23 10:44:56 | けんちくと街
仙台の街は 当時岡崎市長が音頭をとって
幅50メートルの幹線道路を碁盤目状に敷設させたんですが
当時の市民からは飛行機の滑走路でも創る気か
などど相当罵声を浴びせられたそうです
戦後60年たって市民にとっては
それが極当たり前の風景として捉えられています
前のブログでも書いたのですが
フランス パリの市内を走る大通りは
オースマンという都市計画家が古い町並みを
強行に取り壊して創った町並みなのですが
現在では世界の文化都市としての地位を磐石なものにしています
将来のために今を犠牲にするか
今だけを優先に進めてゆくのかは
民主主義の社会にあっては皆で考えてゆかなくてはいけないこと
なんでしょうけどこうゆう問題は両立させる事が
本当に難しいんでしょうね。羽鳥建築設計室

めいこさつ

2008-05-03 07:35:39 | けんちくと街
仙台の街の東の方に
西暦710年当たりに建立された
薬師堂という古刹(こさつ)があるんですけど
当時は南大門があって 回廊が渡されて
七重の塔 鐘楼 金堂 講堂がすべてそろった
相当な格式の高い伽藍(がらん)があったそうです
昼休み時間が空いていたので
立ち寄ってみたのですが
中は相当荒れていました
安っぽい公園のベンチが二三置かれていて
鳩と子供たちが戯れている姿だけでした
観光名所として貴重な資源だと思うんですけど
仙台の人間は古いものを大切に思わない傾向が
あるみたいでとても残念です。
羽鳥建築設計室

気になるけんちく

2008-03-08 08:09:24 | けんちくと街
山形の霞城公園の中に明治初期に建てられた
木造3階建ての病院建築があります
当時は西欧建築がまだ普及しておらず
日本の大工さんたちが見よう見真似で創った
擬洋風(ぎようふう)建築と言って
正式な西洋建築ではなく
和風と中華風と洋風が混ざり合ったデザインなんですね
パーツ一つ一つが大きく大胆で荒削りですが
西洋文化を吸収しようといった気概を感じました
正式名称は済正館です。羽鳥建築設計室

建築家という仕事

2007-05-11 18:31:42 | けんちくと街
建築家になるためには 専門の各種学校や大学を
卒業することがまず第一に求められるのですが
日本では こういう学校がほとんど理数系なんですね
建物を設計するためには部材の物理的特性や科学的性質なんか
しらないといけないし 構造計算だって必須なのは理解できます
でも そこで暮らして行く一人ひとりの人間の心理とか
心の問題と深く関わってゆく生産活動な訳で
ただはこをつくればそれで済む問題ではないはずです
建築はものをつくる学問ではなく
人の心や人間関係をデザインする学問であるべきなのです
世間で本当に評価されてる日本の建築家たちは
学校を出てから人間に関わる文系的な領域の学問を
ほとんど独学で勉強しているのが今の現状ではないでしょうか
国の建築に対する認識も甘いような気がするのですが
みなさん いかかでしょうか。
羽鳥建築設計室

土建国家にっぽんの現状

2007-03-27 07:32:02 | けんちくと街
仙台の駅前には車と歩行者を完全に分離した
ペデストリアンデッキという歩道橋のようなものがありますが
出来てから30年近くなるんでしょうか
完成当初は近代的で都会的な雰囲気を醸し出してましたが
現在は歩道や階段に使われてる磁器製のタイルが所々欠けて
とても貧乏くさいんです 同じ製品で綺麗に補修してやればいいのに
ある所は別のタイルだったりまたある所はモルタルだったり
ちぐはぐなんですね これはたぶん30年前の製品が
製造中止になり部材が調達できなくなったためだと思うのですが
役所もメーカーも無責任なためにこういうことがおこるのだとおもいます
20年30年たてばひびが入ったり 欠落したりすることは
十分にありうることでリスクに対するマネジメントの欠如と言ってもいいですね
家電製品や車にも同様のことがいえるんだと思いますが
これではいつまでたっても豊かな暮らしなんて望めないかもしれませんね。
羽鳥建築設計室

こらぼれーしょん 弐

2007-01-08 06:54:16 | けんちくと街
スペインの天才建築家 アントニオガウディーには優れた弟子たちがいました
その一人に ジョセップジョジョールという人がいて
主にガウディーの作品の 装飾的部分を担当していました
例えばアパートメントのカサミラやカサバトリョの曲がりぬ練ったバルコニーや
アールヌーボー調の鉄細工加工のデザインとか
グエル公園のモザイクタイルの装飾など
ガウディーデザインの主だった所を担ってました
天才だからといってなんでも自分だけで片付けてしまうという考えは
ちがうんですね 
優れた建築家というのは 私見ですが個人としての才能があることは
必要条件ですが、ツワモノどもをまとめる力 コミュニケーション能力
なんかがないと 偉大な作品を生み出すことが出来ないのだと思います
それって 人間性とか広い意味での人間力なのかもしれませんね。

はとりけんちくせっけいしつ

もだにずむⅣ

2006-12-23 10:24:30 | けんちくと街
最近 シャープで繊細でかっこいい建物をよく
見かけるようになりました
ブティック や ブランドショップばかりでなく
一般住宅にもおしゃれなデザインの建物をみかけます
モダニズムの復活といってもいいでしょう
ただ 本当にモダニズムを理解しモダニズムのいい所を
踏まえて設計している建物はごく一部です
モダニズムの特徴である 早く 安く より合理的な部分だけを
拝借して 美しさとか優しさといったメンタルな部分を
なおざりにしてる業者さんが多いように見受けられます
モダニズムの祖の一人 ミース ファンデルローエがアメリカ シカゴに
建てた レイクショアドライブアパートメント(マンション)は
真四角のだだの箱ですが 細く見える柱に わざわざ細工を施して
建物に優雅さを与えています
この頃の建築家たちは モダニズムのいい面と悪い面をよく
わきまえていたんでしょうね
ただ 儲ければいいという姿勢では本当はないんです

はとりけんちくせっけいしつ

もだにずむⅢ

2006-12-21 09:23:13 | けんちくと街
1960年代ごろから 近代建築(モダニズム)への反省をふまえて
ポストモダニズム という流れが起こり始めました
一切の装飾を廃し 合理的でシンプルなデザインだったものが
人間性を取り戻し遊び心を加え そのモチーフを
クラシックな建築から取り入れてなんだか賑やかな様相を
呈しはじめました。
東京都庁舎なんかはその典型です
ポストモダニズムの流れは30年間つづきました
でも 社会に与えるインパクトがあったかどうかは疑問にのこります

つづく

はとりけんちくせっけいしつ

もだにずむⅡ

2006-12-19 09:18:13 | けんちくと街
911テロで もろくも崩れ去ったNYのツインタワー
WTC(ワールドトレードセンター)は
日系アメリカ人 ミノルヤマザキ が設計したものでした
モダニズムを象徴するようなデザインの建物ですが
彼は他にも 大規模な住宅団地を手がけました
その団地は 全建物に 均等に日光があたり
各部屋が同じ間取りで 見た目にも清潔感あふれる
設計でした しかし 十年近く経ち 
その団地での住まわれ方は 見る見る豹変し
犯罪と貧困が多発し とても住める状態ではなくなりました
そして 取り壊しがきめられ 当初の目論見は
失敗に終わったのです
早く 経済的で 機能的 合理的な設計だけでは
社会を正常なかたちに持ってゆくことが
いかに難しいかを 証明したかたちとなったわけです

つづく

はとりけんちくせっけいしつ