あらお しゅんすけ 3.11の記録

原子力災害に巻き込まれた一市民の<その後>を発信していきます

福島から  岐路にたって(戦争法案の詩)

2015-07-28 07:58:44 | 日記
   
  岐路に立って


我々は今、いつか来た道の
入り口に立っている
『戦争法案』 が成立すれば
我々の孫は
遠い国に行って
その国の善良な市民と
殺し合いをするかもしれない
戦場で死ねば
「お国のために戦死した」と誉められるだろう
でもその前に
軍隊で先輩や仲間のいじめにあったり
ひとを殺めたくない
心やさしい若者は
自死するかもしれない
“敵”は日本国内でテロを起こすかもしれない
ミサイルや無人機で原発に攻撃を加えるかもしれない
そして、あの3.11のフクシマをはるかに上回る
悪夢が日本列島を覆うかもしれない

私はこの道へは行きたくない
孫たちも絶対に行かせたくない

                    

福島から15-3 戦争請負会社

2015-07-21 20:23:08 | 日記
皆さんは「戦争請負会社」をご存じだろうか。歴史的に見ても、軍事は国家が正規軍を持って機能させてきたのが典型的なものであったと思われる。ところが2003年のアメリカのイラク進攻がおこなわれたあたりから、戦争の「民営化」がなされ始めたという。
つまり、国は戦争業務を民間の軍事支援企業に下請けに出すスタイルが出てきた。
新しい産業である戦争請負会社が、軍事的能力・機能を公開市場で売買できる時代になったというのである。その実態を明らかにしているのが次の本だ。
「戦争請負会社」(ハーバード大学政治学博士 PWシンガー 2001年著)
山崎淳訳 NHK出版(2004年刊)

この本の要点を上げるとすると次のようなものになろう。( 『  』内は本文の引用 )
・雇い手としては、国家、国連、NGO,多国籍企業、左翼ゲリラ、麻薬取引業者、テロリストグループ。
・『今や(9.11後)戦争は国家の独占事業でなくなった。軍務を提供する会社(戦争産業)が公然と店を開いて盛んな商売をしている』
・「戦争請負会社」には、軍事薬務提供会社・軍事コンサルタント企業・軍事支援企業などがあり、具体的な企業名を挙げれば、エグゼクティブ・アウトカムズ社、MPRI社、BRS社などである。
これらの会社は退役軍人等がかかわっていて、退役軍人のデータベースを持っている。
さらに政界との強力なつながりがあり「米軍がいくところには○○会社あり」と言われるような関係になっている。
公然とした多国籍企業の一部として機能することも多く、コニヤ政府と反することもある。
米ソ対立が崩れ、安全保障の空白が不安定地域を生み国家の不安定化、テロの多発、また貧困などの社会問題が「戦争請負会社」を生んでいる。
・『ゲリラ、テロリスト、秘密民兵組織のメンバー、悪意あるコンピューターハッカーを含めた人々が、正式に訓練を受け十分な装備を持つ公金で賄われた兵士を押しのけようとしている』マイケルマンデルハウム(外交問題専門家)
・『21世紀の多国籍新植民地主義の先兵になるかもしれない』
・『天才少年プログラマーは未来の代理戦士かもしれない』
・『金が十分にあれば誰もが強力な軍隊を持てる。犯罪を行う意思があればほとんど誰もが十分な金を稼げる』
・『戦争請負会社は21世紀の多国籍新植民地主義における先兵となるかもしれない』ともみられている。
・道徳性や倫理の点で『戦争請負会社はあいまい、灰色である』
・『元将校が国際市場で金儲けの為その技能を売るとき、職業軍人全体がアメリカ国民に対して持つ高い道徳的地位を失うかもしれない』という見方もある。



福島たより No15-2 詩3篇

2015-07-13 14:23:54 | 日記
原発事故から5年目を迎えようとしています。
福島の現状をうたった(記録した)詩3篇です。    

   風評被害

いや、そんなもんじゃないよ
実害だよ
君も知っているだろう
環境にも食べ物にも
「放射能はゼロに近いのがベター」だってことを
君は100ベクレル以下なら大丈夫だと思っているかい
じゃあ99ベクレルのものなら我が子にも食べさせるかい
事故から5年経った今でも0.6マイクロシーベルト以上の
「放射線管理区域」が福島県内にはあちこちにあるんだぜ
確かに1,2度そこに行ったからって
すぐガンなどになるわけではないだろうけど
そういうところで生まれて一生住み続けざるを得ない人も
いることを君は考えたことがあるかい
福島・茨木・宮城県沖で採れた魚は一匹一匹全部
放射能検査をしてると思うかい?
そんな魚は自分も子供にも食べたくないっていうのが
みんなのきもちじゃないの!?
「風評被害」で簡単に片づけられないんだよね・・・・・。
 

 風 化

事故から5年目です
事故の風化がどんどん進んでいます
原発事故は夢だったのでしょうか
誰かが風で吹き飛ばしているのでしょうか
セシウムの半減期30年
プルトニュームは24110年
しかし
広島長崎水俣沖縄の仲間のように
事実を風に霧散させないように
世界の人々にも子どもたちにも伝え続けよう


                    

 子 羊

(「良心的な」専門家は言います
「被ばく量は限りなくゼロに近い方が良い」
(無責任な)国は言います
「20msv以下、100BQ未満なら安全です」
国民は迷える子羊です
(「自分でしっかり調べて自分と家族を守りなさい」
 「チェルノブイリは今でも教えてくれていますよ」)


      

福島たより No15-1戦争法案

2015-07-05 16:32:05 | 日記
しばらくブログをお休みしてしまいました。スローペースになると思いますが再開します。
また2被爆地”福島から発信する情報にお付き合いいただければ幸いです

今、「戦争法案」の行方が懸念されていますが、関連情報です。

戦争絶滅うけあい法案」というのをご存知でしょうか。
私は昨年暮に手にしたクレヨンハウス・ブックレット006「原発の『犠牲』を誰が決めるのか」で紹介されているのを読んで初めて知りました。
日本でのこの法律の実現はかなり難しいでしょうが、「なるほど」と思いました。
その法案の事をネットで検索してみたら、井上ひさしの次のような講演録もありましたので次に紹介してみます。
*            * 
「戦争絶滅うけあい法案」
井上ひさし記念講演(2008年8月21日・教育の集い全体集会)より
 第1次世界大戦後、あまりに悲惨な結果に、デンマークのフリッツ・フォルムという将軍が「戦争絶滅うけあい法案」を提案した。
その内容は、戦争が始まったらすぐに、国家元首とその親族、大臣、国会議員(戦争に反対した人を除く)を最前線に送る。年齢や健康状態は一切考慮しない。妻や娘は看護婦として野戦病院に送る、というもの。そうすれば戦争はなくなると。
 この提案には背景がある。第1次世界大戦での死者は95%が軍人で一般市民は5%に過ぎなかった。ところが、第2次世界大戦では軍人と一般市民の死者の数が桔抗し、朝鮮戦争で軍人16%:一般市民 84%、ベトナム戦争では軍人5%:一般市民95%と逆転している。イラク戦争での死者はWHO調査では米軍4000人、イラク人15万人としているが、ある医学専門誌の統計ではイラク人の死者65万人となっている。負傷者はその10倍と推定され、さらに国外に逃れた人が400万人。イラクの人口は2500万人だから、戦争が起きれば 国民の半数以上が死傷あるいは難民となっている。これが戦争のリア ルな現状である。(引用終り)
*              *   
 これらを読んで私は考えたのですが、原発事故後長期放射線量下にある避難地域などで、「20msv以下なら安全だから帰りなさい。安全な自宅に戻るのだから(月10万円の)補助金は打ち切ります」とされる“準・戦場”にも是非これを適用すべきだと思いました。
つまり、少なくともこの分野に携わる政治家、高級官僚は必ず妻子や孫を連れて帰還を許した地域に移り住んでもらうのです。ついでに国会もこの地域に移転させ、緑も自然も放射能も豊かな環境で真摯にこの国の行方を論議してはどうでしょう。この国会で原発の在り方について論議を重れば、ホルミシス効果とやらも手伝って良い知恵も出るかも。
 ところで、クレヨンハウス・ブックレット006は哲学者高橋哲也氏と落合恵子氏のとても良い対談が載っているのですが、お読みになっていない方には是非お勧めいたします。