アメリカで行われている戦争の実態を知る本の紹介続きです。
例えば、ウサマ・ビンラディンの殺害について
・2011年の4月30日、あのテロリストだといわれる“悪名高い”ビンラディンは
パキスタンのアボッターバードで殺害されたが、我々はどれほどの事(真相)を
知っているだろうか。
・この殺害はオバマ大統領が見守る中でSEAL(海軍特殊戦開発群)隊員により
ブラックホーク(中型多目的軍用ヘリ)などを使って行われた。
(他国にいる特定の人物を、その国の了解もなしに
、罪を犯した確証もない同伴者も巻き込んでの暗殺だった)
・「オペレーションネプチューンスピア(海神の槍作戦)」と呼ばれた
アメリカのこの作戦について、アムネスティー・インターナショナルは
『違法(非合法的)だ』と指摘している。
またパキスタンの治安当局高官は『血も涙もない蛮行だ』
さらにパキスタン外交筋は『無許可で一方的な行為だ』と発言している。
例えばビンラディンと同様に殺害されたアンワル・アウラキ(アメリカ人、イスラム教導師)
の場合
・『アメリカの見方は、“アウラキはアラビア半島のアルカイーダの幹部で
テロ活動の中心にいる”』
・『ブッシュ政権は、テロとの戦いを背景に、世界のどこにいる人物の身柄をも
拘束する権限がある、とした。例えその人物がアメリカ国民であっても』
・2011年10月3日。暗殺作戦「トロイ作戦」はイエメンノジャウフ州にいる
米国人・アウラキを超法規的に無人飛行機を使って殺害した。
14日後、息子アブドウルラフマン(16歳)も無人機で殺された。
・このことに対してのコメントのいくつか
・前副大統領・ディックチェイニー
『正当な攻撃だった。大統領というのはアメリカ市民を巻き添えにすることに
なったとしても、あのような攻撃を命令できる権限を持つべきだと思っている』
・民主党議員・デニスタシニッチ
『この政権は一線を越え、テロ事件への対応において危険な先例を作ってしまった。
憲法で定められた最も基本的な権利と正当な法の手続きを踏みにじり(裁判を受けることなく)テロの関与している疑いがあるというだけで、海外にいるアメリカ市民を政府が
標的にすることを認めた。』
アウラキはどんな人物だったか。その一端を表わす彼の言葉
『アメリカの人々は、民主主義体制の中で暮らしている。
だからこそ自分たちの政治の責任を問われる。』
『アメリカの人々はその政府の犯罪に加担している。軍隊で使われる税金を払い
、子供たちを軍隊に送り込んでいる。』
アウラキなどの暗殺を、アメリカや世界はどう見ているか
・アメリカ司法省作成白書(2013年)
『アメリカ市民を標的にした殺害作戦の合法性。情報に精通した政府高官がアメリカにとって“切迫した脅威だ”と判断すれば問題ない』
・アメリカ自由人権協会のジャミールシャファーはこの白書に対して
『背筋が凍るような文書だ。アメリカ政府は司法手続きを踏まずに自国民を処刑する権限を持っている、と言っているようなものだ』
・テロ対策と人権問題に関する国連の特別報告者・ベンエマーソンは他国で無人飛行機を使って標的殺害を実行するアメリカの国防戦略について
『西欧の民主主義国は、敵の国籍を問わず“地理的な境界線で”戦場も限定せず、また時期的な制限も設けない世界戦争に手を染めた。
この状況はアメリカ国内の大半の州で、またアメリカ国外の大多数の渉外弁護士のあいだで大きく問題視されている』
・イエメン南部シャブワ族長ムラー・ザバラは
『アメリカはアルカイーダとテロリストと呼ぶが、我々からすれば無人飛行機の方がテロリストだ。無人飛行機は昼夜を問わず飛び回り、女子供をおびえさせ眠りを妨げる。その方がよっぽどテロ行為だ』
『アメリカの対テロ活動は、アメリカの支援する部隊への“投資“のようになってきている』
・イエメン等で極秘任務に就いていたパトリック・ラング大佐は
『対テロ、対ゲリラ活動は一大産業に発展してきた』
私の読後の感想
・この本はアメリカがテロとどう戦っているかを明らかにした衝撃的な本である。
アメリカはテロ対策、国家の安全保障の為と言って、超法規的にまさに自ら“テロ行為”
を行っているように思える。
・そこに書かれている世界でここ10年ほど展開されている出来事は、
決して秘密事項ではないだろうが、
私が知っているようで全く知らない事だらけであった。
本当にこれが真相なのだろうか、と大変なショックを受けた。
同時に、世界の、日本の行く末に大きな悲観と虚しさを感じた。
・この本は、上下2冊の翻訳本で、正直に言って、高価であまり読みやすい本とは言えない。
私などは手元において何度も読み込む、という性格の本でもない。
ちなみに私は、市立図書館で、県内の図書館から回してもらう手続きをしたが、
発刊間もない本のせいもあってか見つからなかったのでリクエストして買ってもらって読んだ。
これは我ながらちょっとケチな行為だったが、逆に一人でも多くの市民が、
このすごい本を目にするチャンスをつくった、ということで私はちょっぴり満足している。
なぜなら、この本に記録されたアメリカや中東など、遠いところで起きている
女性や子供を含む一般市民が巻き込まれたテロ対策という名目の“暗殺事件“の数々は、
決して遠い外国の事ではないと思うからだ。
・日本でも我々の知らないところで、同じようなことが起きつつあるかもしれない。
特定秘密保護法や集団的自衛権、戦争法案そして憲法改正の動きがとめられないとすれば
この国の行先はこの本に記録されたようになるに違いない。
それに対して我々無力な市民のできることは、何だろう。
まず“真相を知る、考える、ささやかでも可能な行動をする”ことではないかと思う。
尚、この本には次のヴォルテールの箴言も記載されていた。
『 殺人は禁じられている。 だから殺人を犯した者は罰せられるのだ。
勇ましい音楽とともに大勢の人間を殺す場合を除いて 』
例えば、ウサマ・ビンラディンの殺害について
・2011年の4月30日、あのテロリストだといわれる“悪名高い”ビンラディンは
パキスタンのアボッターバードで殺害されたが、我々はどれほどの事(真相)を
知っているだろうか。
・この殺害はオバマ大統領が見守る中でSEAL(海軍特殊戦開発群)隊員により
ブラックホーク(中型多目的軍用ヘリ)などを使って行われた。
(他国にいる特定の人物を、その国の了解もなしに
、罪を犯した確証もない同伴者も巻き込んでの暗殺だった)
・「オペレーションネプチューンスピア(海神の槍作戦)」と呼ばれた
アメリカのこの作戦について、アムネスティー・インターナショナルは
『違法(非合法的)だ』と指摘している。
またパキスタンの治安当局高官は『血も涙もない蛮行だ』
さらにパキスタン外交筋は『無許可で一方的な行為だ』と発言している。
例えばビンラディンと同様に殺害されたアンワル・アウラキ(アメリカ人、イスラム教導師)
の場合
・『アメリカの見方は、“アウラキはアラビア半島のアルカイーダの幹部で
テロ活動の中心にいる”』
・『ブッシュ政権は、テロとの戦いを背景に、世界のどこにいる人物の身柄をも
拘束する権限がある、とした。例えその人物がアメリカ国民であっても』
・2011年10月3日。暗殺作戦「トロイ作戦」はイエメンノジャウフ州にいる
米国人・アウラキを超法規的に無人飛行機を使って殺害した。
14日後、息子アブドウルラフマン(16歳)も無人機で殺された。
・このことに対してのコメントのいくつか
・前副大統領・ディックチェイニー
『正当な攻撃だった。大統領というのはアメリカ市民を巻き添えにすることに
なったとしても、あのような攻撃を命令できる権限を持つべきだと思っている』
・民主党議員・デニスタシニッチ
『この政権は一線を越え、テロ事件への対応において危険な先例を作ってしまった。
憲法で定められた最も基本的な権利と正当な法の手続きを踏みにじり(裁判を受けることなく)テロの関与している疑いがあるというだけで、海外にいるアメリカ市民を政府が
標的にすることを認めた。』
アウラキはどんな人物だったか。その一端を表わす彼の言葉
『アメリカの人々は、民主主義体制の中で暮らしている。
だからこそ自分たちの政治の責任を問われる。』
『アメリカの人々はその政府の犯罪に加担している。軍隊で使われる税金を払い
、子供たちを軍隊に送り込んでいる。』
アウラキなどの暗殺を、アメリカや世界はどう見ているか
・アメリカ司法省作成白書(2013年)
『アメリカ市民を標的にした殺害作戦の合法性。情報に精通した政府高官がアメリカにとって“切迫した脅威だ”と判断すれば問題ない』
・アメリカ自由人権協会のジャミールシャファーはこの白書に対して
『背筋が凍るような文書だ。アメリカ政府は司法手続きを踏まずに自国民を処刑する権限を持っている、と言っているようなものだ』
・テロ対策と人権問題に関する国連の特別報告者・ベンエマーソンは他国で無人飛行機を使って標的殺害を実行するアメリカの国防戦略について
『西欧の民主主義国は、敵の国籍を問わず“地理的な境界線で”戦場も限定せず、また時期的な制限も設けない世界戦争に手を染めた。
この状況はアメリカ国内の大半の州で、またアメリカ国外の大多数の渉外弁護士のあいだで大きく問題視されている』
・イエメン南部シャブワ族長ムラー・ザバラは
『アメリカはアルカイーダとテロリストと呼ぶが、我々からすれば無人飛行機の方がテロリストだ。無人飛行機は昼夜を問わず飛び回り、女子供をおびえさせ眠りを妨げる。その方がよっぽどテロ行為だ』
『アメリカの対テロ活動は、アメリカの支援する部隊への“投資“のようになってきている』
・イエメン等で極秘任務に就いていたパトリック・ラング大佐は
『対テロ、対ゲリラ活動は一大産業に発展してきた』
私の読後の感想
・この本はアメリカがテロとどう戦っているかを明らかにした衝撃的な本である。
アメリカはテロ対策、国家の安全保障の為と言って、超法規的にまさに自ら“テロ行為”
を行っているように思える。
・そこに書かれている世界でここ10年ほど展開されている出来事は、
決して秘密事項ではないだろうが、
私が知っているようで全く知らない事だらけであった。
本当にこれが真相なのだろうか、と大変なショックを受けた。
同時に、世界の、日本の行く末に大きな悲観と虚しさを感じた。
・この本は、上下2冊の翻訳本で、正直に言って、高価であまり読みやすい本とは言えない。
私などは手元において何度も読み込む、という性格の本でもない。
ちなみに私は、市立図書館で、県内の図書館から回してもらう手続きをしたが、
発刊間もない本のせいもあってか見つからなかったのでリクエストして買ってもらって読んだ。
これは我ながらちょっとケチな行為だったが、逆に一人でも多くの市民が、
このすごい本を目にするチャンスをつくった、ということで私はちょっぴり満足している。
なぜなら、この本に記録されたアメリカや中東など、遠いところで起きている
女性や子供を含む一般市民が巻き込まれたテロ対策という名目の“暗殺事件“の数々は、
決して遠い外国の事ではないと思うからだ。
・日本でも我々の知らないところで、同じようなことが起きつつあるかもしれない。
特定秘密保護法や集団的自衛権、戦争法案そして憲法改正の動きがとめられないとすれば
この国の行先はこの本に記録されたようになるに違いない。
それに対して我々無力な市民のできることは、何だろう。
まず“真相を知る、考える、ささやかでも可能な行動をする”ことではないかと思う。
尚、この本には次のヴォルテールの箴言も記載されていた。
『 殺人は禁じられている。 だから殺人を犯した者は罰せられるのだ。
勇ましい音楽とともに大勢の人間を殺す場合を除いて 』