あらお しゅんすけ 3.11の記録

原子力災害に巻き込まれた一市民の<その後>を発信していきます

福島たより No 149写真ルポ・福島の今⑨

2015-03-31 20:24:50 | 日記
    ⑨ 除染
       福島県内では、住宅、それも小さな子供のいる家庭を最優先して
       除染が続いています。
       基本的には、1時間当たり0.23msv以下を目標にして除染する、として始められたはずですが
       現在この目標は極めてあいまいです。
       ”除染の風景”を見てみましょう。


住宅除染は、このように足場を組んで、
軒先、雨どいのふき取りを行います。
ただし、事故後1年半以上経ってから
実施し始めたため、特にトタン板屋根などでは
拭き取りをしても、放射能の低減効果はあまりありません。


      
写真左は公共施設における除染風景。
中央と右は一般住宅やアパートでの汚染土の保管状況。
この汚染土の搬出は、2015年中といわれているが、
是非その計画通りにしてほしいものである。

ちなみに、二本松市における除染事業の概要は次の通り。
計画戸数は約2万戸。3月時点でこのうち70%が完了。
(この数字をどう見るか。
 少なくとも、30%の住宅つまり600戸ほどは
 4年以上も高線量下の置かれていた!)

市の2015年の除染予算は、327億円(市の一般予算は250億円)
二本松市では市内の150あまりの事業者が共同組織を作り
除染にあたっているが、他市町村では、大手ゼネコンが
請け負っているところが多い。その場合約3割がゼネコンのもうけ
になるといわれている)





福島たより No148 写真ルポ・福島の今⑧

2015-03-27 14:23:08 | 日記
   ⑧ 食品の放射能は?

      食品の放射能の現状はどうなっているかみてみましょう。

   
1kあたり100ベクレルという基準が妥当かどうかという論議もある。
これは、あくまで事故後の暫定基準であって、放射能はゼロが望ましい
というのが妥当であろう。

福島県は26年4月に一部の食品については「要注意!!」を明示いている。

摂取や出荷などを差し控えるよう要請している福島県産の食品について(2014年4月24日現在)
二本松市エリアでは次の通りである。

ユズ・・・・収穫制限。
(以下のものは出荷制限)
23年産米(市内の限定地区のもの)。大豆。クリ。
ワラビ。クサソテツ。ゼンマイ。コシアブラ。
竹の子。タラの芽。
原木シイタケ。野生キノコ。



   
次に二本松市内食品放射能検査結果は次の通りである。
 (これは市民が自由に食品を持ち込んで検査してもらったデータから拾った。
  最近は、検査件数つまり持ち込み件数が非常に少なくなっている)

  (2015年2月分) 113検体中20Bq以上のものは次の16検体
イノシシ肉・・・・・・・9検体(137.0~2347.0Bq)
凍み大根・・・・・・・・1 (25.0)
原木シイタケ(露地)・・1 (164.0)
クルミ・・・・・・・・・2 (62.74、33.3)
フキノトウ・・・・・・・1 (52.58)
大豆・・・・・・・・・・1 (39.6)
ずいき(イモガラ)・・・1 (26.13)

  (2015年1月分)
124検体中20Bq以上のものは次の18検体
イノシシ肉・・・・・・・6(195.0~853.0Bq)
ヤマドリ肉・・・・・・・2(35.0、113.0)
干柿・・・・・・・・・・6(20.7~71.0)
黒大豆・・・・・・・・・3(35.0~46.2)
ギンナン・・・・・・・・1(26.16)


次に水産物の検査データを拾ってみると次の通りである。
  福島県の水産物の放射能(福島県農林水産物モニタリング情報から)

2015年2月検査分 736検体中30Bq以上のものは下記の14検体

ナメタガレイ・・・・・・・6検体(33.4~52.8Bq)
コモンカスベ・・・・・・・2 (32.0、38.59)
ウスメバル・・・・・・・・1 (43.8)
スズキ・・・・・・・・・・1 (48.4)
シロメバル・・・・・・・・1 (54.4)
アイナメ・・・・・・・・・1 (37.0)
ヒメマス・・・・・・・・・1 (90.0)
ワカサギ・・・・・・・・・1 (41.5)

これをどう読むかは人それぞれであろうが、手放しで安心して食べられないなぁ
(特に子供たちには・・)と感じるのは、私だけであろうか。



飯野町のお雛様。絹産業が盛んだった街らしく
まゆでできたおひなさまだ。

 

福島たより No147 写真ルポ・福島の今⑦

2015-03-24 08:33:51 | 日記
  ⑦ モニタリングポストは信用できない? (その2)
      ( モニタリングポストに自信がない?)


NHKの福島ローカル放送テレビでは毎日定時に2回、天気予報のように放射線量を報じている。

画面の数字を注目いただきたいが、我々が測定する線量とは少し乖離がある。
このブログのシリーズで報告している二本松の線量と比較していただきたいが、低めの数字が表示されている。
前回の”分析”のようにモニタリングポストの数字は実態を適切に反映していないといえる。


    
ちなみに、浪江町の線量をチエックしてみたい。
テレビ画面では、0.06~13.8μsvだが、
浪江町広報によると、少なくとも大堀地区では14.71μsvである。


ロウバイの花


ところで、NHKの放射線量報道時には ”ご丁寧なことに”ほぼ毎回、次のようなアナウンスがある。
「モニタリングポストの機器の不具合で、データが反映されていない場合があります」
・・・どうやら我が文科省やNHKはモニタリングポストの性能・管理にさえ自信がないらしい。
   原発事故さえ起こした国なんだから、その科学技術のレベルはこんなものなのか・・・・
  事故以来「国の言っていることはあまり信用できないな」、と県民はあきれ果てながら、
   あまりこの報道もあてにしていないという噂もある。
   

福島たより No146 写真ルポ・福島の今⑥

2015-03-21 13:43:02 | 日記
  ⑥ モニタリングポストは信用できない!?

モニタリングポストをめぐるいくつかの疑問
        
1)モニタリングポストは設置に当たって当然、基礎工事をする。
  (多くの場合舗装する。つまり除染するし、放射能は雨で流されるので
   周辺より線量は低い)
  ポストは0.28、私の線量計は 0.23μsvを表示している。
  右の写真は、モニタリングポストの左手約3mのところ。(0.42μsvを表示)



2)ふたつのモニタリングポスト
  事故直後、設置されたポストはその性能のことで
  文科省とトラブル(文科省はこの社の線量表示が高いから低くするようにと指示したとかで裁判になった)
  があり、結果的には現在文科省の指定した会社のものになっている。
  (ネットで関連記事が読める。キーワードは「アルファ通信」)

3)バッテリーが線量を低く表示していた。
  かつて文科省のモニタリングポストは、バッテリーの設置位置の関係で
  表示線量が10%ほど低く表示をしていて問題になった。
  (キーワード「モニタリングポスト、バッテリー」ネット検索可)


花便り
 二本松も、ここ4~5日急にあたたかくなり一斉に花が咲き始めました。
      
左から フクウジュソウ、 オオイヌノフグリ、 ウメ、 ドウダンツツジ。






福島たより No145 写真ルポ・福島の今⑤

2015-03-18 11:02:02 | 日記
  ⑤市内の線量


  
二本松市役所北約500mの
陸橋上歩道頂上付近では0.23μsv(写真左)
その歩道を南に下った低い場所は0.98
雨水で放射能が流されホットスポットを作っている。



市内北東、観音丘陵遊歩道は除染済みだが
0.43μsv。
(私のお気に入りの散歩道なのだが・・・)


    
二本松市の北東約15kmにある福島市飯野地区は
絹織物が盛んだったが、今は静かな田舎町。
この小さな町も雛祭りシーズンになると大賑わい。
商工会女性部の人たちが”放射能にめげず”
頑張っている。(この地域は二本松より線量が低いようだ)

近作の詩を1篇

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  風化

あの事は
思い出したくない
もう忘れたい

でも忘れられない
忘れてはならない
風化させてはならない

でも忘れさせようとしていないか
記憶を抹殺しようとしていないか
どこかで誰かが