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25 なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか 「 2ヌ  暗号解読で、事前にすべてを承知していたアメリカ政府 」

25 なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか 「 2ヌ 暗号解読で、事前にすべてを承知していたアメリカ政府 」

 第2章
 米政府が秘匿した真珠湾の真実 一部引用編集簡略版
本章は以下の内容を投稿予定です。
2イ 開戦を前にした昭和天皇の懊悩
2ロ 悲痛の極み、宮中御前会議
2ハ 山本五十六の無責任発言
2ニ アメリカに腰抜けだった連絡会議の結論
2ホ 日本艦隊の攻撃を待ちのぞむアメリカ
2ヘ 開戦強要の最後の一手”ハル・ノート”
2 ト その時、ルーズベルト(FDR)は何をしていたか
2チ なぜ新鋭艦が真珠湾にいなかったのか
2リ 万策尽きての開戦決定
2ヌ 暗号解読で、事前にすべてを承知していたアメリカ政府
2ル ハワイにだけは情報を伝えなかった謎
2ヲ アメリカの参戦決定と、チャーチルの感激
2ヨ ルーズベルト(FDR)は、いかにして四選を果たしたか
2タ 終戦の方策を考える余裕すらなかった日本
2レ アメリカで追及された真珠湾奇襲の真相
2ソ 終戦一年半前に作られた日本占領統治計画
2ツ 日本国憲法にこめたアメリカの狙い

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2ヌ 暗号解読で、事前にすべてを承知していたアメリカ政府

  12月2日に、海軍司令部がハワイへ向けて進撃中の第一航空艦隊に対して、「新高山登レ一二〇八」という指令を暗号で打電することによって、12月8日の開戦を報せた。

  今日では「マジック」が解読した文書がみなTOP SECRET(極秘)の文字の上に、太い黒線が引かれたうえで、すべて公開されている。「新高山登レ」は「CLIMB MOUNT NIITAKA.,1208 REPEAT 1208」と、訳されている。

  外務省は在米大使館に対して、三台あった暗号機を一台だけ残して、破壊するように命じた。大使館はその指令に従ったが、暗号機の破壊は開戦が迫っていることを、意味した。

  12月6日(ワシントン時間)に、野村大使に宛てて、11月26日の米側提案(”ハル・ノート”)に答える対米覚書を打電するが、長文のものであるから、全文が届くのは、明日になるかもしれないと予告し、覚書を米側に提示する時期については、追電するので、「訓練次第何時ニテモ米側ニ手交シ得ル様文書ノ整理ソノ他万端ノ手配」を整えるように指示した訓令が、発せられた。

  そのうえで、対米最後覚書を14部に分割して、一時間おきにワシントンの大使館に打電した。一時に長文電信を送ると、アメリカ側に日本の企図を察知されると、警戒したからだった。
  合わせて、東郷外相から両大使と館員一同が交渉妥結のために、数カ月にわたって苦闘したことに対して感謝する電報が、送られた。

  7日午後5時半(日本時間)に、最後の訓令として、「対米覚書貴地時刻7日午後1時ヲ期シ米側ニ貴大使ヨリ直接御手交アリタシ」と、打電された。

  「マジック」は、東京が野村大使に宛てて最終覚書を、7日の午後1時(ワシントン時間)に手交することを命じた訓電を、ただちに解読して、大統領、国務長官、陸海軍長官、陸軍参謀総長、海軍作戦部長に配布した。

  6日夜に、レスター・シュルツ海軍中尉が一部から十三部まで、「マジック」によって解読された文書を、ホワイトハウスの大統領執務室まで届けた。
  ルーズベルト(FDR)はハリー・ホプキンスと話し込んでいた。ルーズベルト(FDR)は、受け取った解読文から目を上げると、ホプキンスに「これで、いよいよ戦争だ」と言った。

  しかし、ホノルルのショート中将が電文を受けとったのは、日本軍の真珠湾攻撃が終わってから、六時間後だった。キンメル太平洋艦隊司令官に電文が渡ったのは、さらにその二時間後だった。

  在米大使館が本省から最終覚書を、アメリカの東部標準時間で十二月七日午後一時に手交することを指示されたのにもかかわらず、野村、来栖両大使がハル国務長官に手交したのは、真珠湾攻撃後の午後二時過ぎになった。野村も、来栖も日米が開戦したことを、まだ、知らなかった。

  この失態は、ワシントンの大使館における情況の認識が、東京と大きく異なっていたことと、綱紀が弛緩していたことによるものだった。野村が予備役の海軍大将だったために、館員を掌握していなかった。もし、外務省から大使が出ていれば、日本大使館があのような失態を演じることは、なかったはずだ。

  ハル長官は、野村、来栖両大使から最終覚書を受け取ると、すでに「マジック」によって全文を読んでいたので、しばらく読むふりをした。
  そして、顔をあげると、「永い公的な生活で、これほど虚偽に満ちた文書を、見たことはない」といって、両大使に部屋から出てゆくように、促した。

参考:加瀬英明著「なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか」
 加藤英明氏は「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長
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