ここに四十九日間のバルド(中陰)の魂の旅は終り、かれ(以前の死者の魂)は再び肉体を受けて誕生して来なければならない。私たちにとってバルドの世界は恐怖と波乱に満ち、解放か輪廻かをかけた魂の修練場ともいえるものなのである。そしてこの導きの目的は、そのようにしてバルド(中陰)を彷徨っている死者にかれの幻覚(ヴィジョン)の性質を説明し、夢者をレアリティー(実在)に目覚めさせ、決して明かされることのなかった最も高い生命の秘密を私たちの前に明らかにし、私たちの魂を精髄的な知恵(クリヤー・ライト)の中に解放することである。
『チベットの死者の書〈バルド・ソドル〉(おおえまさのり訳編 講談社)』 … P8
『チベットの死者の書〈バルド・ソドル〉(おおえまさのり訳編 講談社)』 … P8
![]() | チベットの死者の書―バルド ソドル |
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