あおぞらブログ

発達障害やグレーゾーンなど、ちょっと個性の強いお子さんのパパママを応援する「パパママサポート あおぞら」です。

不思議なチケットが届いた

2012-02-01 13:13:34 | スタッフのひとりごと
『ある日突然、私たちの手元に、
一枚のチケットが舞い込みました。

行き先は不明、というか自由。
運転は急行、快速、鈍行、どれを選んでもよし。
ただし、緊急停止、寄り道あり、脱線もしばしば・・・。

いったい、この謎だらけのチケットの正体はなんでしょう?


チケットを手にした私たちに、
ただひとつ共通していることがあります。

それは、
わが子に「しょうがい」があることです。


誕生後、すぐに子どもの「しょうがい」を告げられた人。
だんだんと、子どもに「しょうがい」があることがわかった人。
たくさん泣いた人。
少しだけ泣いた人。
やっと笑えた人。
まだ笑えない人。

そんな私たちの、行き先自由のチケットです。

さまざまな障がいの子がいます。
だから、
ゆっくりでも、のろのろでも、しぶしぶでも、そそくさでも、いいのです。


でも、車内はなんだか不思議と楽しそう。
それは、このチケットを手にした人だけが味わえる、
特別な「おまけ」があるからです。

「おまけ」の一番の楽しみは、
特別な望遠鏡で、今まで見えなかったものが見えてくること。
あまりの絶景に、絶叫している人もいたりして。

なぜ、このチケットが私たちの元に届いたのかは、
誰にもわかりません。
ただひとつ言えるのは、
自分次第で、外の景色が変わることです。


でも、この「おまけ」は時々、
すごく重たくて、つらくて、にがくて、
どこかに置き去りにして、逃げ出したくなることもあります。

そんなときは、警笛を鳴らして、一時停止。
助けが来るのを待ちます。
すると、
前から後ろから、引っぱったり、押したりしてくれる、
心強い仲間があらわれますから。

みんなそうやって、なんとか走っているようです。


~中略~


障がいを持つ子を育てる。

それは、特別なことのようでもあり、
今日もまた、不思議なチケットを手にした人がどこかにいるように、
偶然に舞い降りた、人生の「おまけ」のような気もします。


どうか、あなたにも、
きっと思いがけない素敵な景色と、頼もしい仲間が
あらわれますように。』





NPO法人 つみき 著

『えっ うちの子に障がい? でも、一人で悩まないで
 ~親たちがホンネで語る子育て・誕生から成人まで~』

 はじめに・・・より、抜粋

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1 コメント

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Unknown (畦道 azemichi)
2012-02-04 19:49:25
学生の井上と申します。素敵な文章をありがとうございます。人生の「おまけ」という前向きな表現に心を打たれました。
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