あおいほしのミュージックライフ

ミュージシャンあおいほし(青井保志)の音楽活動や楽器や音楽観をつれづれなるままに書いています。

Grecoから'70年代~'80年代に生み出されたハムバッカーの名器たち

2018-12-29 18:29:14 | 楽器
Grecoの70年代後半のハムバッカーピックアップPU-2の生い立ちについて調べてみました。
 
開発・販売は、U-xxxxシリーズ ⇒ PU-xxシリーズ ⇒ Dryシリーズ ⇒GrooveやScreaminなどの命名シリーズの順番です。
年代で言うと
①U-xxxxシリーズ:'70年代中盤~'78あたり
②PU-xxシリーズ:'77~'80年代前半
③Dryシリーズ:
  a)Dry-Z:'80年~'81
  b)Dry-82:'82
④GrooveやScreaminなどの命名シリーズ:'81年以降'80年代
となります。

※上記年代は中心時期のおおよそのものであり移行期、重複製造期も含めると±1~2年の差はあります。
例えばPU-2の前にPU-0x(PU-0、PU-01~PU-04)というものが'76年あたりから製造されています。
  PU-2は78年あたりから作られ、その技術は'80に発表されたDry-Zに受け継がれています。DryシリーズもDry-Zが開発されそれがDry-82に受け継がれています。さらにそのDryシリーズが、GrooveやScreaminなどの下位機種用PU開発に多種分岐開発されています。
 
 
製作工場からみると、
Uシリーズ ⇒ PU-2 ⇒Dry-Z(プロト)まではMaxon(日伸音波)。
一報、Dry-Z(プロト)⇒ Dry82 ⇒ Screaminなどの命名シリーズはGreco(富士弦楽器製造)内製です。
 
 
このMaxonからGreco内製化への移行時期は'81年頃です。ですので命名シリーズの技術はGreco社内でDryを試行錯誤しているうちの下位機種提供PUとして開発されたのであり、Dryシリーズより以前のPU-2はMaxon技術・製造なので命名シリーズへの流れは薄いと思われます。むろん、Grecoの技術者はMaxonと共同で研究などしていたでしょうから全く無関係ではないと思いますが。
 
ですので、Uシリーズ(1000,2000,3000,4000)からPU-2(PU-0~04、PU-1、PU-2)まではMaxonの流れ。
PU-2をもとにDry-Z(プロト)が作られ、材料のコストダウンなど諸要因からDry82が生まれ、さらにDry82を作る中でコストダウンして多機種化したのがGroove、Screaminなどの命名シリーズという流れです。
 
 
Dry-ZがGibsonやディマジオをしのぐ世界最高峰のピックアップと言われる前に、その源流となったのがPU-2そして名器U-1000~U-4000です。Maxon、Grecoの国内ピックアップは世界に引けを取らない、いやそれを超えたピックアップと言えるでしょう。

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