元日に1泊13万円帝国ホテル大阪で
新党日本、議員たった1人で他党の4倍
政党交付金は、企業・労働組合・団体などから政党・政治団体への政治献金を制限する代わりのものとして、年間約320億円が現在7つの政党に国庫から分配されている。
国会議員が5人以上いることが分配される要件になっているが、不思議なことにその後国会議員が1人だけになっても金は支払われる。田中康夫参議院議員が代表になっている新党日本の場合がまさにそれで、設立時こそ要件を満たしていたが、その後内紛勃発、けんか別れして離党者続出。現在は結党時の国会議員はひとりもおらず、かろうじて田中氏が長野県知事落選後、2007年7月参議院議員に初当選したことにより政党交付金をもらえている状態。ひとりしかいないのだから党としての働きができるか疑問。政党交付金をもらうための政党といってもいいような党なのだ。
しかも受け取っている額は議員ひとりあたりにすると他党の約4倍、2億円が田中康夫議員ひとりしかいない新党日本に支払われている。田中氏にはこのほかに、参議院議員の歳費約2千2百万円が払われている。田中氏は代表なのでこの金の使い方を自由に決められる。
得票数も勘案されて金額は決められているのだが、それにしてもこんなに多額の血税が、実質田中議員1人のところに支払われていいのだろうか。
この点を総務省政党助成室に聞くと、「こちらは支払う手続きの窓口。異議を受け付けるところではない」という返事。ならば異議を受け付けるところはどこかと尋ねたのだが、うーん、とうなるばかりで回答はなかった。どうやらそういう窓口はないようで、制度の欠陥ではないだろうか。お金を払ったらどう使われたかチェックするのは当然だが、それは役所ではなく国民が監視しろということらしい。そのために報告書が公開されているのだろう。しかし、こんなもの公開されていてもよほどの知識がないと問題は発見できないのではないだろうか。
政党交付金には問題がある。このようなことがたいして批判もされず長年そのままになっていることに驚く。民主党はムダを省くといっているのだが、このムダの象徴ともいえる新党日本への政党給付金問題に目をつむり田中康夫氏に肩入れするのは大きな矛盾ではないだろうか。
こういった視点からのマスコミ記事を私は見たことがない。マスコミの問題意識のなさも問題だ。
政党交付金 各党配分比較
2007年 平成19年分 政党交付金 (概算)
自民党 385人 160億円 1人あたり 4,100万円
民主党 219人 120億円 5,500万円
公明党 52人 28億円 5,400万円
社民党 12人 9億円 7,500万円
国民新党 9人 4億3000万円 4,800万円
新党日本 1人 2億円 2億円
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政党交付金には国民1人あたり250円の税金が使われている。それが政治活動に有効に使われているのなら納得はいくが、新党日本の政党交付金使途等報告書を見るとどうにも首を傾げたくなるようなものがある。
下に挙げたのは、総務省ホームページ
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/
に公表されている新党日本(平成19年分 定期公表)から目についたものを拾い出したものだ。
平成19年の正月には帝国ホテル大阪に約13万円が支払われている。
元日ですよ、皆さん。こんな日にこんな高額なホテルの一室でいったいどんな政治活動が行われたのだろうか。
田中氏は同ホテルがお気に入りらしく、このほかにも別の日に5回ほどの支払いが認められる。いずれも庶民には手の届かない高額で、このような部屋に泊まらなければできない政治活動というのはどのようなものか説明してもらいたいものだ。
田中氏は長野県知事時代の2005年10月16日にもパークハイアット東京で一泊に約52万円も使っている。これも自腹ではなく、後援会のカネ。田中康夫知事の後援会収支報告書に記載されている。
一泊52万円!田中知事後援会 平成15年度 収支報告書
http://blog.livedoor.jp/tuigeki/archives/50702649.html
田中氏はホテル通を自任しているが、ホテル代を踏み倒すクレーマーではないかといわれることもある。それが長野県議会で明らかになったことがある。
05年2月24日、長野県議会本会議代表質問に答える形で、田中知事(当時)はグランドハイアット東京にクレームをつけ代金を払わなかったと答弁している。
これは読売新聞記事になり、いまでも見られる。
ホテル代無料提供受ける 知事「業界でよくあること」
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/kikaku/023/985.htm
これについて詳しい追撃コラム記事はこちら。
田中知事、噂の”ホテル・クレーマー”振りを公的に”自白”
http://blog.livedoor.jp/tuigeki/archives/50949615.html
このほかにも、有田芳生・新党日本副代表に資料費として1回30万円がなぜか5回に分けられて計150万円支払われている。ずいぶん高額な資料代だが、いったいどんな資料なのだろうか。まさか、原稿代の間違いではないだろうな。それにしては高すぎるし、原稿料だとしたら政党交付金から支払われるのは問題ではないか。
有田氏がなぜ田中氏と行動をともにしているのかナゾだったが、この金の動きは不可解だ。
秋田市の㈱美和というところに通訳料147,500円が払われている。この会社の存在は確認できなかった。なぜ秋田で通訳なのか?この料金は適正なのか?すべて不明のままだ。
扶桑社に2回に分けて約300万円というのも気にかかる。扶桑社といえば、田中氏が何年にもわたってペログリ日記を連載しているSPA!という雑誌の発行元だ。原稿料をもらうならわかるが、逆にお金を払うというのは、その雑誌を買い取って連載させてもらっているのか?という疑念が湧く。
雑誌は廃刊になるものがいくつも出るほどの不況だが、はっきりいってパッとしないSPA!の救いの神に新党日本はなっているのだろうか。
ホームページ制作及び管理費に毎月50万円、1年だと6百万円近く払っているが、そんなにするものだろうか。
いわゆる街宣車の加工代、看板取付け代として約3百30万円が払われている。
▼業界の極秘値段がオープンに
なお、総務省ホームページからいろんな政党の支出を見ていると、普通は公表されていない業界の値段がわかって興味深い。こういう値段がわかってしまうと商売がやりにくくなるのでマスコミは遠慮してほとんど公表していない。暇なときに眺めていれば意外な発見があって面白い。精読を勧める。
分量がたくさんあるので、私はごく一部しか見ていない。もし、何かわかったら知らせてほしい。
その一例。
民主党が平成19年12月25日に新聞広告掲載料として約12億円、テレビCM放映料に約4億4千万円、ラジオCM放送料に9千3百万円を博報堂に支出している。