カプアン通信


父が亡くなってからずっと、何か忘れ物をしているような
不安感がつきまとっています。



父が亡くなった夜。何かに凝視するカプアンたち。
(写真と本文は関係がありません)


もちろん肉親を亡くした喪失感もあるのでしょうが
想像ですが、父を送る「葬式」という儀式に慣れてなかったことが
ひとつの原因でしょう。
もうひとつは、年金、保険、電気、ガス、水道、電話の名義変更など
事務的な手続きに不慣れだからだと思います。
こちらは、急ぐべき第一段はほぼ片づきました。
まだ二段、三段がありますが・・・

お葬式には何度も参列したことがありますが
主宰する喪主になったことは初めてです。
また、父にふさわしい式を考えて「無宗教」のお葬式を選んだため
人に相談することが難しくなった面もあります。

仏式の葬儀では、お通夜や告別式に
お坊さんが、有り難い法話をしたり、お経を読んでもらえます。
「無宗教」のお葬式はとくに決まりはありません。
お坊さんは呼びませんので、いろいろ聞くこともできず
これで良かったのだろうか?と不安になるのです。

葬儀は無事終りましたが、今月末に「納骨」があります。

仏式では、四十九日の法要をお寺さんなどで行い
そのあとに納骨式です。49日は経過しませんが、
いきなり墓地に集合し、石屋さんにお墓へお骨を収めていただき、
そのあとに「偲ぶ会」のような会食をする予定です。




湯潅式、通夜式があった日。
とてもいいお天気でした。


普段から自分の家族のお葬式を綿密に考えている人はあまりいないと思います。

父が亡くなって直後に考えたのは「お葬式をしないと」でした。
菩提寺も、葬儀屋さんのつてもありませんでしたから
スマホで葬儀屋さんを探そうか、と考えていたら、病院の看護婦さんが
「葬儀屋さんが決まってなければ病院が契約している葬儀屋さんがあります」
と教えてくれました。
不謹慎かもしれませんが「渡りに船」だと思いました。


長くなりますが、それからいろいろ体験したことを箇条書きで記録しておきます。
もちろん、病院によってもやり方は変わるでしょうし、
お葬式も業者によってまちまちでしょう。
これが標準かどうかわかりません。
「死」や「葬式」の話をするのはタブーかもしれませんが
誰もが経験することです。よろしければ、皆様にも参考になれば、と思います。

きょうは「お彼岸」の中日ですね。




●病室で父を囲んでいたら、担当の先生が来られ、父が亡くなったことを告げ
死亡診断書を作るために、瞳孔を調べて「8時30分です」と死亡時刻を伝えました。
実際に亡くなったのは7時40分頃だそうですから、これは書類上の時刻です。

●病室から「霊安室」に移動する際、白衣姿で眼鏡をかけた中年男性がやってきて
ストレッチャーを動かしました。お医者さんだと思っていたら葬儀社の人でした。
葬儀屋さんが病院内を歩くのはまずいので白衣姿なのでしょう。
「霊安室」に着いたら、白衣を脱いで黒服に替わりました。

●病院内の移動は、患者さんの目を気にして、エレベーター前についたてを出し
エレベーターの準備ができたら、看護婦さんが、病室前で待っている「葬儀屋さん」に向って
笑っていいともの「友達の輪」みたいなサインを出して素早く移動しました。
エレベーターが他の階に止まっても誰も乗せませんでした。

●「霊安室」は「ご家族待合室」という看板が表示されてました。
「倉庫」のような殺風景な場所を想像していたら、葬儀会場のような内装で、
造花でしたが大きな花がふたつ飾ってありました。片側に椅子がたくさん並べられ
思ってたより広い部屋で、そこには他のご遺体などはありませんでした。
そういえば、この朝、もうひとかた、お亡くなりになった方がいたようで
「霊安室」が空くまで、しばらく病室で待たされていたのでした。

●伊丹十三さんの映画「お葬式」で、
ご遺体が病院を出るとき、看護婦さんたちが整列するシーンを思い出しましたが
「霊安室」に病棟の看護婦さんたち、そのあとは先生方がお参りに来られました。
この部屋は火は使えないので、お焼香はせず「鈴」とLEDのロウソクだけです。

●そのあと、大型のワンボックスカーにストレッチャーごと乗せられ
病院を出る際、先生がたがずっとお辞儀をしてました。




○マンションなどではご遺体を室内にいれるのが難しいこともあるそうですが
我が家は1階が車庫としても使っている普通の室内なので、車を外に出して
布団を敷き父を寝かせました。
実は先代のサリーが亡くなったときもここに安置したのです。

○父を安置させてから、横で葬儀会社の担当者と葬儀の打ち合わせです。
翌々日にはお通夜なので、すぐに決めることがたくさんあります。
最初に決めたのは「祭壇」。無宗教だと花を並べるだけの形もありますが
そこはコンサバティブな仏式の祭壇にしました。
献花式もありますが、高齢者が多いのでオーソドックスな「お焼香」にしました。
そして、「供花」の依頼(親戚などに出してもらう)と
「お料理」は翌日には注文するように頼まれました。

○お通夜の前に「湯潅(ゆかん)式」をしたのですが、これは良かったです。
布団の上で身体を拭くだけの湯潅は見たことがあるのですが、
今回は、介護用の大型のお風呂を使い、本当にお風呂に入れます。
湯潅師さんがヒゲを剃ってくれて、身内で父の頭や足を洗ってあげます。
といっても大きなバスタオルで隠すので、身体の一部しか見えません。
着替えの間は、別室で待たされます。お風呂とシャワーのシステムが優れていて
畳の上などでも水がこぼれることはないそうです。
病気で、靴が履けないほどむくんでいた父の足が、普通のサイズに戻っていて
よかったなと思いました。

○「湯潅式」での着替えは、
父の希望だったという、背広にネクタイといった「銀行員」の姿に着替えました。
そういえば、新しい下着で旅立ってもらおうと、
前夜にシャツとパンツをコンビニに買いに行ったのでした。
着替えが終ったら、父が世話になった、近くの会社のお兄さんがやってきたので
感極まって涙が出ました。優しさにこらえきれませんでした。




●亡くなった晩、母と夕食のあと、父の昔話をしました。
とくに戦時中の話はとても興味深いものでした。
そこで、「父の略歴」としてまとめて
通夜式と告別式で皆さんの聴いていただくことにしました。

●その略歴の中で、父がサイダーが好きだった話と
バナナが好きだった話があったのですが、何も言わなかったのに
葬儀屋さんの担当さんが、父の「末期の水」の代わりにサイダーを用意し
父のお棺の入れてくださいと、沢山のラップでくるんだバナナを持ってきて
参列者の配りました。私は、その心遣いに涙が止まりませんでした。




自分で言うのも何ですが、お坊さんのお経も法話もありませんでしたが
いいお式だったのではないか、と思います。




今朝、赤坂サカスに散歩に行ったら
福島から来た、紅枝垂れ桜が開花してました。

桜が咲くのは楽しみですが、今年だけは少し遅れてもらえないか
と願っています。
それは、父のお墓がお花見の名所で、早くに咲いてしまうと
納骨式の際の移動用のマイクロバスが駐車できなくなってしまうかもしれないのです。

ま、勝手なお願いですけどね。




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昨年11月3日から埼玉県南埼玉郡で、ちばわんの卒業犬が迷子になっております。
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