カプアン通信

ショーン・タンの世界

2019年06月20日 18時27分23秒

またまた時間が開いてしまい、一週間ほど前の話です。
写真は6月12日（水）の朝、
散歩に出かけようとしているアンジェロとカプアです。

アンジェロよりカプアが小さく見える、不思議な写真が撮れました。
実は、カプアがエレベーターのだいぶ奥にいるからです（笑）

「兄ちゃん、どいて、どいて！」

「兄ちゃん、おそい！　早く来て！」

朝から妹に振り回されるアンジェロです（汗）
背景には美しい紫陽花。

そのきれいな紫陽花の前で用を足すカプア（滝汗）
失礼しました。水で流しておきました。

さて、この日、カプアンたちにはお留守番してもらい
西武新宿線に乗って、東京の西の方へ出かけました。

何年かぶりかで、新宿アルタのあたりから西武新宿駅まで歩きましたが
ほとんど「外国」ですね。いろんな国の観光客が歩いていて
外国を旅行している気分でした。

西武新宿線に乗るのもひさしぶりです。
私が生まれ育った中野にも西武新宿線が通っていて、沿線の様子は
私が子どもの頃見た風景とそれほど変わっていません。

目的の街に着きましたが、平日の昼間なのに駅前の商店街は
ほとんどシャッターが降りてました。
しかし、しばらく歩くと、昔ながらの洋食屋さんや、
いまや珍しい駄菓子屋さんが営業していて、懐かしい気分になりました。

駅からほんのちょっと歩くと、林や畑や広がります。
これは、園芸用の苗か何かの畑でしょうか？

目的地につきました。ちひろ美術館です。

画家、絵本作家だったいわさきちひろの自宅兼アトリエの跡地の建てられ
ちひろの作品展だけでなく、さまざまな企画展にも使われているようです。

この日は、「ショーン・タンの世界展」を観るのが目的でした。

ショーン・タンは全く知らない作家でしたが、糸井重里さんがほぼ日で
「ぜひ観るべき」と力説されてたので、気になりました。

ショーン・タンは中国人の建築家の父と、
オーストラリア人のアマチュア画家の母をもつ
現在45歳の画家、イラストレーター、絵本作家、映像作家です。

子どものころから絵が得意で、高校時代に雑誌の表紙のイラストを描き、
プロの道をスタートさせています。

幻想的な作風は、何年か前に日本でもブームになった
「ミヒャエル・ゾーヴァ」に近いものがありますが
ショーン・タンは、抽象からリアルな具象や、漫画的作品など
表現は自由自在です。アニメーションの作家でもあるそうです。

ほとんどの作品には、動物もしくは動物のような架空の生き物が登場します。
手がけた絵本の多くは、風刺が効いたストーリーが綿密に練られていて、
かなり大人向きの作風だと思います。

また、画家としてのこだわりもあるようで、絵本の原画は
100号くらい（約1m x 1.5m）の油彩だったりします。

とても引き出しが多く、全体像を理解するのが難しい作家ですが
どの作品も、動物や弱者に優しいまなざしを感じられます。

まだ若い作家なので、これからどんな作品を作っていくのか
活躍が楽しみです。

また、ちひろ美術館で、忠実に復元されたいわさきちひろのアトリエを見ました。

それは、昭和30年代に建てられた、今はない私の実家の家や
当時、訪ねた親戚や知人の家にソックリの、昭和の部屋でした。
なんか、タイムスリップしたような気分でした。

もうひとつ、ミュージアムショップでとても懐かしい「本」を見つけました。
たぶん母が私が幼児の頃に買ったものだと思いますが
「ね、おはなしよんで」という童話集です。

「ないた赤おに」のような有名なおはなしも掲載されてますが
「わんわんちゃん」という犬が主人公の童話が好きでした。
内容をよく覚えているので、たぶん、大きくなってから自分で何度も読んだのだと思います。

わんわんちゃんが、お父さんのたばこを吸おうとしたり、お父さんと競争をして
お父さんのあんぱんを全部せしめてしまう。
というようなシュールでユーモアがある短編集でした。

この本は、とっくにどこかに行ってしまいましたが
当時のデザインの中古本もあるようなので
今度取り寄せてみます。

現代のおはなしと
昔のおはなしに触れられた楽しい日でした。

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