Del Amanecer

スペインとフラメンコ、ビセンテ・アミーゴと映画とフィギュアスケートについて

マラガまでの旅 ~Diario No.3

2006-01-27 22:10:00 | CARMEN の留学日記
いよいよ出発の日、成田まで友人とそのNovio(恋人)が送ってくれることになった。
電車の中で楽しく話し続け、「行ってらっしゃい」と見送ってくれた二人と別れると、ついに一人きりになった。これからマドリードまでアンカレジ経由で約17時間。そこから国内線に乗り換えてマラガまではさらに1時間(待ち時間も3~4時間あったと思う)のフライトだ。
でももう後ろを振り返ることはできない。とにかく無事に学生寮に着くことだけを考えよう。

飛行機は夜20時の出発。離陸と共に眼下に広がる街の灯り。
飛行機はすいていて3席独り占めだったからゆっくりできてホッとした。
クルーは一人をのぞいてすべてスペイン人。すでにスペイン語がとびかってスペイン気分だ。
練習のためいろいろと彼らに話しかけてみる。通じるとうれしいし、相手の言ってることが分かると、
これもうれしい。

あっという間にアンカレジに着き、そこで一人旅の年配の女性と知り合った。
彼女はパルマ・デ・マジョルカ(マジョルカ島)に住んでいて、ご主人は「将軍」という名前の日本食
レストランを経営されているのだとか。
日本をはなれてから初めて日本語でたくさん話ができてよかった。再びイベリアの機内へ。
席に戻ってほどなくすると、どこかのツアーの添乗員さんがやってきて、エグゼクティブ・クラスのお客さんが具合が悪くなったので席を替わって欲しいという。3席独り占めだったので、そこで横になりたいのだ。食事も(もうメインは終わっていたけど)どうぞとのことでエグゼクティブの席に移った。
こちらはかなりゆったりしていて快適だ。ただし横にはなれないんだよね。でもエグゼクティブに乗る機会などそうそうないだろうから、その雰囲気を楽しむことにした。
機内食も朝食と軽食だったけどコップはガラス、お皿は陶器でジャムも瓶詰めだ。
心なしかクルーの接し方もちがう。エコノミーでうっかり食事の時にまどろんでいたら、かなり強引に食事を目の前に置いて行かれたけれど、エグゼクティブのアサファートさん(今は客室乗務員と言わないといけないんでしたっけ!)は「セニョリータ、ブエノス・ディアス。お食事ですよ。」とやさしく声をかけてくれる(笑)う~ん、この違い!スペイン留学のためにビンボーな生活をしてきた者にとっては天国だ。おかげてゆったりとマドリードまでの長旅を過ごすことができた。

飛行機が到着するのは朝だ。空港を流れる空気は5月というのにひんやりとしている。
この湿気のないひんやりした空気がスペインなのだ。
マドリードの空港はまだ閑散としていて、私は乗り継ぎなのでそのまま空港の中を国内線ターミナルに移動する。マジョルカのあの年配の女性と一緒だ。そのうしろからスペイン人のシスターが「私も一緒に…」と追いかけてきて途中までご一緒した。彼女は北の方へ帰るので途中で別れた。
マジョルカ行きとマラガ行きは同じゲートだった。マジョルカ行きの出発までいろいろお話をして住所を交換する。彼女を見送ったあとマラガ行きのゲートが変わり急いでそちらに行くと、もう日本人は誰もいない。緊張感が戻ってきた。

遠いところまで一人で来たなぁという思いがこみあげてくる。

マラガ行きのイベリアの飛行機は地中海を目指して南下し、ついにアンダルシアのコスタ・デル・ソルの玄関口、マラガ空港に到着した。
昼近くなり、空気は熱気をおびて私を包んだ。
ピカソの生まれた街。
地中海に抱かれた憧れの街に、私はついに降り立ったのだ。

~~続く~~



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2 Comments

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思い出・・・ (junio)
2006-01-29 01:17:25
私がイタリアに一人で旅したときのことを、どうしても思い出さずに入られません



そういえば、私が機内で初めて出会った方が、モスクワで日本料理人として働く男性でした。不安が溢れ出て、固くなっていた私も、日本語で話せるのが嬉しくて、お互いに前後ろの席なので体を起こしてお話していたのが懐かしく思い出されます☆

「うれしいから~」なんて言って、日本から持ち込んだ一升瓶のお酒を下さったのが、ちょっと困ったけど(笑)優しさに心が休まりましたぁ



旅の時って、日本人としての出会い(相手が日本人に限らず)が大きく心に刻まれる気がします。良いこともそうじゃなくても。。。素直な自分でいられるから?!(なんて笑)



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旅の出会い (Angelita)
2006-01-29 23:46:08
旅をする時っていろいろな出会いがあるよね。

飛行機に中や行く先々で出会い触れ合ったひとたち。

その時限りでも、そのあともお付き合いが続いても、

いろいろな人たちとの出会いは旅をする中の大切なエッセンスだね。

この時であったマジョルカの女性とは今でも年賀状が続いています。

その後の旅で出会った女性とも昨年会いましたよ。



junioちゃんのイタリアの旅も忘れらない印象的なたくさんの出会いに

彩られているのでしょうね。

また旅に出たいなぁ。
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