6/8≪PRIME VIDEO BOXING13≫ ~東京・有明コロシアム~
◇WBC・IBF世界バンタム級王座統一戦 12回戦
WBCチャンピオン IBFチャンピオン
中谷潤人(MT) ○ 6RTKO ● 西田凌佑(六島)
6R終了
◇10回戦
WBCバンタム級1位 WBA同級6位
那須川天心(帝拳) ○ 10R判定3-0 ● ビクトル・サンティリャン(ドミニカ共)
99-91、99-91、100-90
◇WBOアジア太平洋バンタム級王座決定戦 10回戦
同級2位 同級1位
坪井智也(帝拳) ○ 10R判定 3-0 ● バン・タオ・トラン(ベトナム)
100-90、98-92、100-90
◇10回戦
日本バンタム級王者 WBA11位
増田陸(帝拳) ○ 1RKO ● ミシェル・バンケス(ベネズエラ)
1R1分27秒
なんと形容したらいいのか。
試合自体は、わずか6ラウンドのファイトでしたが、
なんと濃縮された、
濃い6ラウンドだったのでしょうか。
なんか見終わった後、
脱力して何もできないぐらいの、
ものすごいファイトでした。
”ビッグバン”中谷は、
この試合では事前に圧倒的に有利とされていましたが、
彼は「勝つだけではだめだ。インパクトのある勝ちで、井上戦に向けての気合を見せたい」
と思っていたと思います。
それもあってか、
試合開始のゴングが鳴ると、
ものすごい形相での怒涛のラッシュを仕掛けました。
これには驚いたのなんの。
こんなの中谷のファイトを見た中で初めてで、
しかも世界統一戦のリングで仕掛けていくとは。。。。。
驚きました。
しかしもっと驚いたのは、
その中谷の猛攻を、
「ディフェンスマスター」の西田が、
うまい形でしのぎつつ、いいパンチを入れていったことです。
中谷の「しゃにむに」なんていう言葉がぴったりくるような猛攻を、
西田がある意味すごくうまくしのいでいて、
更にしっかりとパンチを当てていっていたのには驚くとともに、
中谷にしては珍しい「押される」ような場面も演出されました。
しかし両者のパンチ力の差は明白。
1R終わりにコーナーに戻った西田の顔は、
もうかなり腫れている感じで、
「やっぱり中谷のパンチ力はすごい」
という事を再認識させられました。
2R、3Rともに凄まじい攻防で両者譲らず。
しかしこの3R終わりに、
既に西田の肩は異変を起こしていたようですね。
中谷はこれまでの試合では見せたことがないようなラフファイト。
しかしこれは、
中谷の「本気の野生」を見るようで、
ワタシは「スゲ~ものを見た」という感じで眺めていました。
さすがはアメリカ仕込みっていう感じですね。
そして4Rぐらいから西田の右目がものすごく腫れだし、
5R、6Rでもうその目はふさがりつつあり、
「これはもう長いこと試合は出来ないな」
という感じになりました。
中谷は容赦なく攻撃の手を緩めることはなく、
西田は完全に手詰まり状態の感じで、
いくつかのラッシュをかけて、中谷は勝利をほぼ手中に収めた感じで迎えた7R。
ここで西田陣営が試合を棄権。
中谷が見事にWBC・IBF王座を統一しました。
中谷にはホント、
毎度毎度驚かされます。
今回の試合は、
とにかく「相手を破壊する」ためにファーストラウンドからラッシュをかけ、
結果目論み通り相手を完全に粉砕しました。
中谷の「野生」を初めて見たような試合で、
フレーム的にベストの階級と思われるSバンタム、フェザーに階級を上げれば、
さらに強さを増すことはこの日のファイトを見ると明白ですね。
マジで冗談ではなく、
ファザー級当たりで中谷はパウンド・フォー・パウンドのトップに躍り出る可能性が、
十分にありますね。
あとはこの日見られたように、
いいパンチを当てられた時の耐久性がどうか、ということだけでしょう。
この日のようなラフなファイトでは、
技術もパンチ力もある井上尚弥選手に対しては、
ある意味餌食になることも考えられます。
まだ技術的には、
井上尚弥選手の方が上だと感じるところも多いですね。
しかし対戦は来年の春。。。。。。。。
ワタシは昨日の中谷選手を見るまでは、
「まだ井上選手の方が上ではないか」
とみていましたが、
昨日の試合を見て少し考えを変えています。
Sバンタム級の試合ならば、
両者互角か、
あるいは少しだけ中谷選手の方が上かもしれません。
この日の中谷選手のファイト、
強みも見せたけど、弱みも見せた。。。。。
という声が大きいですが、
ワタシはその「強み」の部分がより大きくフォーカスされています。
「野生の中谷」は、
ホント、ものすごく強い!!!
そんな気がしますね。
この日大橋会長とともに視察に来ていた井上尚弥選手。
その表情が、
心なしか余裕なさげに見えたのは、
ワタシだけでしょうか。
どんな相手に対しても、
自分への揺るぎない自信から冷静に見ているように見える井上尚弥選手が、
昨日はかなり緊張しているように見えました。
それだけ中谷選手のこのファイトに、
井上選手自身も度肝を抜かれたんじゃないでしょうか。
しかしもちろん、
両者が激突すれば、
試合はどうなるのか、全くわかりません。
しかし一つ言えること。
この試合の勝者が、
間違いなくパウンド・フォー・パウンド1位に間違いないという事。
さてその他の試合でも、
昨日は衝撃、大きかったですね。
まずは増田陸選手。
ものっすごい左のワンパンチで、
相手をKOしてしまいました。
「山中慎介の神の左を継ぐ男」
と言われていますが、
いよいよ覚醒してきました。
彼はナチュラルにバンタム級ですかね?
もう十分に、
世界に挑戦する資格は持っていると思います。
そしてアマチュア世界一の坪井選手。
プロ第2戦ですが、
その速さはもう超絶でしたね。
この試合、KOはできませんでしたが、
ワタシは彼の超絶な速さと技巧を、
10R見られたので大満足でした。
メイウェザーというわけにはいきませんが、
それに近いような「相手に触らせず高速連打」は、
ワタシは大好きです。
次戦での世界挑戦は早いと思いますが、
今年中に世界挑戦、という流れになればいいですね。
それだけの器を持っていると思います。
昨日の話を聞いていると、
1階級下のSフライ級でも戦えるとのこと。
Sフライ級に主戦場を移して、
世界タイトルを狙いに行ってもいいかもしれません。
この階級、
最後には「ラスボス」バム・ロドリゲスがいますからねえ。
面白いことになってくるかも。。。。
反対にセミでリングに登場した那須川天心選手は、
少しだけ評価を落とした試合になったのではないでしょうか。
相変わらずの速さと思い切りのいい攻め、
当て勘の良さなど彼の良さは随所に発揮されていましたが、
前回同様、相手が世界ランカーとなると、
ダウンを奪うまでのパンチの強さがないというところが、
どうしても露呈してしまいますね。
世界チャンプまではいくと思いますが、
井上尚弥、中谷潤人などと並ぶ「全能感のあるスーパーボクサー」には、
ちょっとなれないかなあ・・・・・・なんて気がしています。
でもまあ、
世界チャンプですから、
それだけでもものすごいんですがね。
井上尚弥、中谷潤人などのボクサーが相次いで出て来ているおかげで、
我々のボクサーを見る目が、
どんどん高いハードルになっている。。。
それはかんじているんですけれどね。
ということで、
いやあ、まあすごい夜でしたね。
中谷の底力、
とくと見せてもらった夜でした。
それから3人の「未来の世界チャンプ」も同時に。
ホント、
あいかわらずあまり世間的に人気が高いとは言えないボクシングではありますが、
間違いなく今は日本ボクシングがピークにあるという事は、
再認識することができました。
今や日本は、
世界有数の「ボクシング大国」であることは、
間違いありません。
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みんな意表突かれたんじゃないかな。会場のどよめいてましたね。
それまでと違って初回から攻撃的に仕掛けるケースはよく見かけますが、
あそこまで荒々しく強引に攻めるのは今まで記憶にないなあ。
ちょっと引くぐらいムキになっているようでした。
誰よりも驚いたのは西田でしょう。
さすがに面食らって勢いに飲まれていましたね。
恐ろしいまでの凄い猛攻でした。
またそれも意図的に狙った攻めだったようですね。
しかし西田も同じチャンピオン。3Rになると落ち着いて対応できてきたようで、カウンターを当てる場面も何度かあり、
中谷も多少の攻め疲れもあるのか、下がるシーンがありました。
そうなると会場のボルテージも一気に上がり大西田コール!
もしや?と思いましたねえ。
この時点から西田を応援していました。
最後はああいう形で終わってしまったのが本当に残念!!
右腕を負傷したあたりから右目が腫れてきましたね。ガードもままならなかったのでしょう。
もう少し見たかったなあ。もちろんアクシデントがない状態で。(中谷は狙っていたようですね。恐ろしい・・・)
流れも引き寄せてきつつあったしね。ホント残念でした。
それにしても中谷。
毎回驚かされますね。(毎回言ってる気がします)
相手の腕にダメージを与えるため、敢えて狙うって・・・
今までにない攻めに驚かされます。そんな戦い方もあるのかと・・・
井上戦が一段と恐ろしくなります。どうなることやら。
まあ、さすがに井上相手にあのような強引な攻めはしないでしょうね。
昨日のような大振りはカウンターの良い餌食になりそうです。
それから私は意外と中谷のアゴは弱いと読んでいます。
昨日の試合でそれが確信になりつつありますが、どうでしょう。
次はスーパーバンタムに上げるのかな?
そうなると井上戦の前に一戦挟むのでしょうから、その時の戦いでその辺が楽しみです。
PS
天心はフルマークで完勝と言いたいところですが、あのレベルの相手ならKOしてほしかったですね。
何度もいいパンチ当てていましたが、相手がタフなのかダウンを奪えなかったところが不満です。
やはりパンチが軽いんでしょうね。スピードは申し分ありませんが。
まめちち様が仰ってらっしゃるように、井上、中谷があまりにもKOで倒しまくるのに慣れてしまって、
倒してナンボの感覚に陥っているんでしょうか。
いやいや、判定でも十分なんですよ。ただし内容ですね。昨日はちょっと物足りなかったなあ。
hanahanaさん、やっぱりボクシングって、いいですね。
日曜日の試合、ワクワク、ドキドキしながら見入ってしまいました。
中谷中心に見ていたにもかかわらず、hanahanaさんと同じく、途中西田にシンパシーを感じ、心の中で応援している自分がいたりしたのが不思議な感覚でした。
それにしても中谷の、初回からのラフな猛攻はすごかったですね。あんなにラフに攻めて行ったら井上尚弥チャンプにはすぐに沈められるよ!・・・っていうのがそこかしこで見受けられるんですが、なんだかワタシはそうは思わないんです。
井上尚弥チャンプにとって、あんな感じで来られるのが一番嫌なんじゃないかな?そんな風に思ったりしています。
そしてこの試合で、中谷はクリンチ含め、組み着いた時の「押し相撲」でも西田を圧倒していました。これも井上チャンプにとっては、嫌なんじゃないかな?
いずれにしても中谷は、非常に引き出しが多くて、なんだかさらにどんどん強くなっていく予感めいたものがありますね。
まあしかし、今やればまだ井上尚弥チャンプの方が上じゃないかと思っています。しかし、来年になれば五分五分になるのではないか?
いずれにしても両者がやれば、ただでは終わらないものすごい戦いになるんじゃないか?
そんな風に予感しています。
ちょっと前までは「どうして二人が戦わなきゃならないんだ」と思っていましたが、今は楽しみで仕方なくなってきました。
さて、
他のファイトでは、
やっぱりワタシは那須川より、増田と坪井がいいですね。
増田の左のすごさは筆舌に尽くしがたく、そしてワタシは、坪井のあの戦い方、とても好きなんですよね。
多分那須川はバンタムの世界タイトルを取った後、武居と戦って、その後はSバンタムへの転級を考えているんじゃないでしょうか。
一方坪井は、一つ下のSフライでも戦えるとのこと。ぜひSフライで世界を獲って、ゆくゆくはバムとの戦い、あるいは拳四朗との激突も、楽しいかもしれません。
いい選手が本当に多い今のボクシング界。
なんかどんどん夢が広がっていきます。