SPORTS! SPORTS! 寝てもさめても

16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第95回全国高校野球選手権大会 予選展望3 ≪東海・北信越≫

2013年06月21日 | 高校野球

第95回全国高校野球選手権大会 予選展望3


【静岡】(参加117校)
センバツで自信付け、戦力大幅アップの常葉菊川が最右翼。名門・静岡が待ったをかけられるか。

◎ 常葉菊川
〇 静岡  
△ 常葉橘 飛龍
▲ 藤枝明誠 御殿場西 浜松商 聖隷クリストファー

センバツで2勝し、すっかり自信をつけた常葉菊川。報徳学園、高知といった強豪との対戦で、自慢の打線はその迫力を倍増させた。その勢いそのままに、春は県大会、東海大会ともに優勝を飾り今や”大本命”の位置をガッチリと掴んでいる。遠藤を軸とした打線の破壊力は東海地区ではNO1。センバツで自信をつけたエース堀田は失点が計算できる好投手だが、暑い夏にはこのエースを助ける2番手以下が重要。このあたりにメドがつけば、盤石となる。春は県大会、東海大会ともに決勝で屈した静岡も戦力は充実している。特にエース水野は速球でしっかりアウトを重ねていける好投手。打線はもともと”県下NO1”と言われていただけに、打ち合いは望むところ。両雄の対決となった場合、どのような展開になるのか、興味は尽きない。3番手には連覇を狙う常葉橘が座る。『全中』を制した精鋭の揃うチームは、1年前倒しで甲子園を掴んだが、本当の勝負は今年。波に乗りさえすれば2強に引けを取らない戦力だ。初出場を狙う飛龍は、打線で勝負。藤枝明誠、御殿場西らも牙を研ぐが、なんといっても注目は聖隷クリストファーのエース鈴木。ケガが完治すれば”ドラ1”も狙える逸材だけに、他校としては戦々恐々だ。




【愛知】(参加189校)
かつてない大混乱の夏になる。巻き返せるのか、私学3強。春の勢い持ち込みたい新鋭校。

◎ 愛工大名電 東邦 中京大中京
〇 春日丘 栄徳 愛産大三河 
△ 愛産大三河 愛知啓成 至学館
▲ 豊川 享栄

長らく愛知の高校野球界は、私学4強(中京大中京、愛工大名電、東邦、享栄)によって引っ張ってこられたが、今年はそのどの学校もが春の県大会4強を逃し、異例の県大会となった。4強に進出したのは、春日丘、栄徳、名南工、愛産大三河。このうち甲子園経験のあるのは、愛産大三河の1回だけ。『いったい夏はどうなってしまうんだろう』という声もある中、夏に向けてはやはり3強である愛工大名電、東邦、中京大中京の3校がチーム力をアップしてきた模様だ。愛工大名電は、昨年の【最強】と言われた戦力からは多少ダウンしたものの、足を絡めた攻撃力は健在。浜田一人だった昨年よりも、継投でつなぐ今年の方が投手陣の層は厚く、攻撃力もようやくアップしてきた模様だ。差なく続く東邦は、森田監督就任以来【最強】との呼び声も高い戦力だ。伝統の攻撃野球には磨きがかかり、投手陣の層も厚い。昨年決勝で敗れ涙を飲んだが、今年は聖地を視界にしっかりととらえる。中京大中京は、今年は秋春ともに実績を残していないが、そこは名門。夏にはしっかりと仕上げてくるだろう。3強の中では一番戦力に決め手はないが、試合巧者という面ではトップ。さて、春の4強はいかに夏を戦うか。春日丘は春の東海大会では三重の津商に完敗を喫し、不安を残した。栄徳も決め手に欠け、名南工と愛産大三河も夏の優勝までは、?マークがつく。かえって秋の準優勝、豊川の方が戦力的には上回る格好だ。そして柴崎監督復帰の享栄は、どういう戦い方を見せるかにも注目。いずれにしても、順当に行くのか、春のように波乱が演出されるのか、目が離せない。



【岐阜】(参加67校)
秋春の県大会を制し、甲子園では大阪桐蔭を破った県岐阜商。そこにスキはあるのか?! 

◎ 県岐阜商
〇 市岐阜商 大垣日大 
△ 帝京可児 関商工 益田清風
▲ 中京 大垣商 美濃加茂

県岐阜商が他校を大きくリード。3季連続の甲子園はほぼ固い。選抜で大阪桐蔭を下した県岐阜商は、その後も勢いを持続。春の岐阜大会も圧倒的に制し、他の追随を許さない形となっている。目標は甲子園での優勝争いだ。エース藤田はセンバツで負った負傷も癒え、夏も背番号1を背負ってチームの屋台骨を支える。更に葛谷、高橋といった2番手以下の投手がこのエースを脅かすまで成長。盤石の態勢を整えつつある。打線は花咲徳栄、大阪桐蔭、済美と言った全国屈指のレベルを誇る相手投手陣を打ち崩しており、絶対の自信を持つ。どこから切っても、今年の県岐阜商にスキは見当たらない。追っていく市岐阜商は、センバツをすんでのところでつかみ損ねたリベンジを誓う。県岐阜商との過去の対戦では、ともに1点差の戦いを演じており、ライバルとの差はほとんど感じていない。得意の接戦に持ち込んでの勝利を狙っていきたい。ベテラン・阪口監督の大垣日大も戦力的には引けを取らない。選手の素材的には3校の中でもNO1を誇り、高いレベルでのチーム作りが進んでいる。その他では毎年候補にあがりながらも甲子園の土には遠い帝京可児がひそかに狙いを甲子園に定める。上位との対戦に、変化球の切れるエース園部がどこまで踏ん張れるか。新顔の益田清風には、好投手・村山が控える。夏に強い関商工、名門復活をかける中京、美濃加茂や大垣商なども圏内だ。




【三重】(参加64校)
いなべ総合と菰野、2強”決着の夏”。巻き返し図る三重、海星の両名門にも注目。

◎ いなべ総合 菰野
〇 津商 三重
△ 近大高専 海星
▲ 松坂 宇治山田商 皇学館 

春優勝のいなべ総合、センバツ出場の菰野の2強が大会を引っ張る。いなべ総合は総合力の高い左腕エース・岡で投手力は安定。あとはやや迫力に欠ける打線の底上げが夏までの課題。選抜の菰野も、エース山中を軸に戦いそうだ。1年時から県内の注目を一身に集めた剛腕・浦蔦は3年の夏も開花しそうにはない。やはり実戦に強い山中で勝負をかけてくるだろう。素材的には群を抜く選手が揃うが、なにかそれが有機的に固まってこないところが泣き所。戦力はあるものの、夏の厳しい戦いを勝ち抜いていけるかは、正直未知数と言える。春の県大会で快進撃を見せた津商は、全国的には無名だが県内ではこのところ存在感を発揮している。これといった注目の選手はいないものの、攻守にまとまりを見せる全員野球で夏はもう一段上を狙う。近大高専のスラッガー・山崎、三重の政木らの選手が大会の注目を集めている。このところ甲子園にはご無沙汰の名門・海星も巻き返しを狙えば、連続出場を狙う松坂は”夢よもう一度”と気合満点。皇学館らの初出場を狙う学校も絡んで、今年も熱い夏が展開されそうだ。




【新潟】(参加88校)
夏には強い、新潟明訓と日本文理の2強対決が濃厚だが、波乱含みの夏の陣。

◎ 日本文理
〇 新潟明訓
△ 新潟県央工 村上桜ヶ丘
▲ 新発田中央 中越 五泉

ここ20年近く、夏になると2強の宿命の対決が続いてきた。言わずと知れた新潟の2強、新潟明訓と日本文理。昨年度で新潟明訓の佐藤監督が引退し、ややその図式にも変化が見えるが、それでも”2強”は今年も強い。今年のレースは、やや日本文理が先行している格好だ。エース飯塚はMax145キロを誇る豪腕。まだ2年生だが、その素材の良さは群を抜いている。そして左腕の2年生、小太刀も控え、投手陣に関しては充実しているといえよう。今年は2年生中心のチーム構成で『勝負は来年』との考え方だが、もちろん今年も1年前倒しでの甲子園を十分に狙える布陣だ。連覇を狙う新潟明訓も、2枚看板のエースは2年生。今年は2年生に好素材が揃っている。群雄割拠で追ってくる学校も多いため『日本文理だけに的を絞る』と足元をすくわれそうだが、新潟明訓の『夏ヂカラ』に期待が集まる。春の大会で優勝したのは村上桜ヶ丘。194センチのエース、椎野に命運を託す。この椎野、まだまだ総合力では劣る面があるが、楽しみな面の多い好素材だ。新潟県央工は秋準優勝、春4強と実績を残し続ける。今年も例年と同じくしぶとさにかけては県内で右に出るチームがない。2強にとっては一番嫌なチームか。新発田中央は、爆発力を秘めた打線が看板。上位・下位ともよく振れており、投手陣が踏ん張れば面白い存在になる。中越、五泉など大会を混戦に導く存在も多く、2強も侮れない夏になりそうだ。





【長野】(参加90校)
今年も本命なき大混戦。リードするのは”PLメソッド”2年目の佐久長聖。実績残す上田西も不気味。

◎ 佐久長聖
〇 上田西 東京都市大塩尻 松商学園
△ 長野日大 地球環境
▲ 松本第一 

昨年、元PLの藤原監督が就任して早速夏の覇権を奪い取った佐久長聖が今年も本命。”PLメソッド”を導入したチームは、徐々にではあるが成長を見せる。ここ10年以上、肝心なところで力を出し切れなかったチームにとって、藤原監督がベンチで相手ににらみを利かせるだけでもその効果は絶大。今年は2年生左腕・寺沢を支えるバックの守備力の高さが目立ち、打線も例年以上に振れている感じだ。秋準優勝、春優勝と実績では佐久長聖の上を行くのは上田西だ。エースに躍り出た左腕・浦野は北信越大会でも敦賀気比の強打線を相手に好投。一気に自信を深めた。打線は主砲・宮沢のパンチ力、武田の足など”飛び道具”が多く、戦力的にも佐久長聖の上を行く感じだ。春に創立100周年記念の招待試合で早実、慶応に互角の戦いをした松商学園も、今年は狙う。後半の逆転得意なところは”ニュー松商”を感じさせ、OBたちの熱狂的な応援に乗って一気に勝ち上がる力を秘めている。一昨年の覇者、東京都市大塩尻は春の準優勝に輝き、2年ぶりの栄冠を狙う。打線の破壊力が今ひとつだが、投手陣の安定感は県内でも屈指。長野日大、地球環境の近年力を上げているチームは、今年も安定した戦いぶりが期待できそう。松本第一、創造学園なども一波乱を狙う。




【富山】(参加48校)

”春の富山第一”は今年こそ夏の覇権狙う。県内のビッグネームがゴロゴロで、先の見えない一戦必勝の戦い。

◎ 富山第一
〇 富山商 新湊
△ 高岡商 砺波工
▲ 国際大付属 滑川

昨年は優勝、今年は準優勝と、春の北信越大会ではそのパワーを見せつける富山第一。今年こそは全国の舞台に立ちたいところだ。今年のチームは、本格派の宮本が安定し、打線も活発。しかも接戦に強く、他の追随を許さない・・・・・か?そうではない。やはり夏の戦い方を知っている各校が、富山第一の牙城を崩そうと狙っている。その代表格は、名門の富山商と新湊。さらに高岡商だ。これらの学校は、とにかく夏の戦い方を知っている。今年は各校に好投手が揃い、そのコンディションで大会自体がどうにでも転ぶ、という感じがする。富山商は森田、岩城のタイプの違う2枚をそろえ勝負に出る。高岡商は、ポテンシャルの高い2年生、河端が頼り。新湊も棚田、山崎らの投手陣が失点を計算できるのが強みと、どこも全く引く気配がない。最後はこれらの好投手を打ち崩したチームに栄冠が輝くだろうが、強打線で相手を蹂躙するチームがいないのも今年の特徴か。砺波工、国際大付などの近年力を上げてきたチームに秘策はあるのか。監督の采配も、覇権を制する一つのカギになってきそうだ。



【石川】(参加50校)

遊学館・星稜の両雄はいずれも譲らず。雌雄を決する夏になる。

◎ 遊学館
〇 星稜
△ 金沢学院東 金沢 
▲ 小松大谷 日本航空石川

2年連続の甲子園を狙い、遊学館の戦力が充実している。特に打線の破壊力はすごい。1試合平均で8点以上をたたき出す打線は、田口、太田、広橋と続き破壊力抜群。今年のチームには『期するものがある』という山本監督のもと、遊学館の快進撃が始まるか。この遊学館に昨夏決勝で敗れた星稜は、あと一歩のところで甲子園を逃し続ける『勝負弱さ』をいかに克服できるかがカギ。かつては『夏は5年に4回は星稜』と言われた時代があったが、山下監督退任の前後からどうしても県大会を勝てなくなって今日に至る。今世紀に入ってからは、毎年優勝候補に挙げられながら甲子園出場はわずか1回だけ。流れを呼び込めないようだと、今年も聖地からは遠ざかるが。。。北村、鹿屋の中軸は決して遊学館に引けは取らない。あの黄色いユニフォームが甲子園で大暴れする姿、多くのファンが待ち望んでいる。この2校と常に”3強”を形成してきた金沢だが、カリスマ性を持った浅井監督の退任以降、どうしても後塵を拝する形となってしまっている。今年は『釜田2世』と言われたエース南が最後の夏を迎える。意地が炸裂する夏になるか。秋に準優勝、春も4強に進出して、その実績が決してフロックではないことを証明した金沢学院東は、3強時代に何とか風穴を開けたい新興勢力だ。エース小沢が”骨太”になって、チーム全体に安定感が出た。3強との対戦で相手を上回る甲子園への執念を見せたいところだ。小松大谷、日本航空石川など、上位が警戒するチームも多く、序盤から息の抜けない95回目の夏だ。




【福井】(参加30校)

全国制覇狙う敦賀気比の戦力。勢いは本物か?春江工。夏将軍・福井商ももちろん狙う。

◎ 敦賀気比
〇 春江工 
△ 福井工大福井 福井商
▲ 鯖江 北陸 科学技術

選抜4強の敦賀気比は、このセンバツを超えてすっかりチーム力がアップした。狙いは【全国制覇】というだけあって、力強い好守には目を見張るものがある。エース岸本はスリークオーターから145キロの球を投げ、力勝負ができる好投手。それを支える打線も、峯・米満の出塁率の高い1・2番が出塁してかき回し、山田・喜多・浅井の中軸がしっかり返すというオーソドックスな攻撃を得意とする。この『正攻法で勝負』するチームに対して、対抗できる勢力は果たして県内に存在するのだろうか。秋の北信越大会Vチームで、センバツに初出場した春江工は、秋の勢いは既に失われている感じだ。しかし『本物の実力を付けなければ』との思いが強いのだろう、しっかりと意識の高い試合ぶりには好感が持てる。秋には選抜Vの浦和学院に対して0-5から大逆転勝ちを飾ったチーム。その勢いに乗れば、初めての夏のキップも案外近いところにあるかもしれない。昨年代表の工大福井は、打線の破壊力は昨年並みで連覇を狙う。伝統の『夏将軍』福井商は、やはり夏を戦ううえでの経験値はNO1。名将・北野監督退任後も、2年連続で夏は決勝に進出している。今年のチームも春まではおとなしくしていたが、有力校は口をそろえて『夏は最も怖い』という。鯖江、北陸、科学技術などの各校が続く展開も、4強以外には県が転がり込むことはまずないだろうとみる。いつもの事ながら、順当に勝ち上がった各校の準決勝以降の戦いぶりに注目だ。



コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 無念! ザックジャパン、世... | トップ | 第95回全国高校野球選手権... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (匿名)
2013-06-30 11:33:41
常葉菊川はセンバツ16強ですし、県岐阜商は春の東海惨敗し、岐阜大会も8強以降危ない試合しかしていませんが・・・。
返信する
ご指摘ありがとうございます。 (まめちち)
2013-07-01 07:01:48
ご指摘ありがとうございました。すぐに訂正しておきました。去年の春、夏、秋と3季連続で活躍した県岐阜商のイメージが強すぎて。。。。今年の夏も、きっちり仕上げてきそうですね。また甲子園で、親子鷹が見られるかな?!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

高校野球」カテゴリの最新記事