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第104回全国高校野球選手権大会 予選展望その6 【近畿】

2022年06月29日 | 高校野球

≪第104回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望6 近畿 -

【滋賀】(参加51チーム) 
選抜準Vの近江が大本命。エース山田の負担減らせばさらに上を狙える。

◎ 近江  
〇 滋賀学園 
△ 立命館守山 八幡商 
▲ 綾羽 彦根総合 比叡山

センバツに直前の繰り上げで出場。ここから近江の快進撃は始まった。急遽の出場が決まり何日もない中で迎えた初戦の長崎日大戦を9回追いつき延長で勝ちをもぎ取り、完全にチーム全体が乗っていった。エース山田の大活躍で準優勝まで上り詰めた近江は、その後も快進撃を継続。春の県大会を制し、近畿大会でも4強に進出してセンバツ決勝で敗れた大阪桐蔭と再戦。エース山田が満を持してマウンドに上がったがアクシデントで降板。しかしそこまでは2-2の接戦を展開しており、全国的に見ても大阪桐蔭の強力なライバルとなっている。打線も昨年並みに仕上がってきており、まずこの県大会を制して大阪桐蔭への挑戦権を手に入れたい。ほぼ1強の様相を呈している今大会だが、追っていく1番手はまず滋賀学園か。投手陣の層が厚く、暑くなればなるほどその優位性が発揮される陣容だ。打線も4番鈴木を軸に近江に負けない陣容と胸を張る。秋4強から春準優勝と歩を進める立命館守山も面白い存在だ。初の夏を狙い、強力打線に磨きをかけている。秋優勝の八幡商は夏はノーシードからの出発となった。しかしもともと力は持っており、打倒近江へ力こぶだ。このところずっと県内上位での戦いを続ける綾羽が初出場を狙う。上位の厚い壁を破るには大会で勢いをつけるしかないが、今年はどんな戦いをしてくるのか。彦根総合はあの北大津を率いて何度も甲子園で戦った宮崎監督が就任して3年目。ほぼ下級生というメンバーながら今年すでに優勝候補の一角を占めている。お得意の足を使った攻撃は鋭く、投手陣も揃っていて近江の最大のライバルになる可能性を秘めている。


【京都】(参加73チーム)  
センバツ無念の出場辞退の京都国際の巻き返しが最大の注目ポイント。名門平安も4年ぶりに挑む夏。

◎ 京都国際
〇 東山 龍谷大平安   
△ 西城陽 福知山成美 京都外大西
▲ 京都共栄 立命館宇治 京都翔英 

今年のセンバツで優勝候補に上がりながらコロナで無念の出場辞退に追い込まれた京都国際の動向が最も気になる大会だ。昨年甲子園4強進出の原動力となったエース森下に平野、辻井らのキラ星球児たちがそのまま残りチームを構成しており、普通に行けば甲子園は確実と思われる戦力を整える。森下はドラフト上位指名が確実視される好左腕。右打者の内角をズバズバつけるキップの良い投球と絶妙のコントロールは、高校生レベルとしては抜けた存在。この森下をサポートする平野も右腕から145キロを超す球を投げ安定感抜群だ。打線は昨年よりも少し元気がない感じだが、平野・森下を中心にパンチ力があり、水準以上。あとは選抜の無念を晴らすとの意気込みが空回りしないことだけ。追っていく東山は春準優勝。エース橋本が4番を打ち二刀流で挑む。20年ぶりの夏をつかめるかは、橋本の負担を軽くして上位の対決に挑めるかにかかる。4年ぶりの夏を目指す龍谷大平安は、戦力は整うが勝負強さが今一つ。春も準決勝、3位決定戦と連敗で終えていて、例年のごとく勝ち癖を付けて夏の勝負に臨みたい。京都外大西のエース西村は投げて打っての好球児だ。一方春県大会Vを飾ったのが西城陽。京都国際を破り、その余勢をかって頂点まで上り詰めた。しかし近畿大会では初戦で痛いしっぺ返し。何もできないまま0-10と敗れて評価を落として夏に臨む。福知山成美は秋春ともに4強入りしていて、安定感では県内屈指。春は準決勝で手ひどくやられたが、逆に3決では龍谷大平安打線を丘田が1点に抑えて完投。夏の戦いを見据えると収穫の多い春となった。京都共栄は神前監督に今春、西脇工を強豪に育てた木谷元監督が合流し、北部からの甲子園出場を見据えている。



【大阪】(参加165チーム) 

大阪桐蔭一択の夏。府大会での敗退はありえない陣容で、見据えるのは3度目の春夏甲子園連覇のみ。

◎ 大阪桐蔭
〇 履正社
△ 金光大阪 東海大大阪仰星 近大付  
▲ 興国 上宮 東大阪大柏原 大体大浪商 桜宮 

大阪桐蔭は春夏連覇に向けて、盤石の態勢を整えている。春のセンバツであれだけ圧勝してもなお、手綱を緩めるところはみじんもない。投手陣ではエース川原に左腕の前田の2本柱に、南も加わり盤石。打線は選抜新記録を打ち立てた長打攻勢に、バントや右打ちなど場面に応じたケースバッティングができるのも強み。松尾、丸山、海老根らを中心として毎試合二けた得点を奪える陣容だ。攻守にほぼ間違いない戦力を整え、府大会を圧勝で飾り甲子園に乗り込みたい。その大阪桐蔭に待ったをかけたいチームの一番手は、やはり長年のライバルである履正社か。4月に”中興の祖”岡田監督が退任して多田監督に指揮は移ったが、チーム哲学は受け継がれている。事実春も終盤まで大阪桐蔭と接戦を繰り広げており、夏に向けて手ごたえを得ている。やはりチームカラーは打撃のチーム。打ち勝って大阪桐蔭を破り、全国制覇以来の甲子園に歩みを進めたい。この2強を追っていく各チームも戦力的には整った印象を受ける。選抜8強の金光大阪は、センバツで大活躍の古川ー岸本のバッテリーが健在。ここ3大会連続で大阪桐蔭と夏対戦しており、1勝を含めすべてが大接戦にもつれ込む戦いを見せているいわば「大阪桐蔭キラー」のチームで、今年も一発を狙っている。春4強の東海大大阪仰星は、岩切、河内の強力二本柱を軸に守り勝つ。近大付は春は出場を辞退したが、じっくりと熟成させて夏の戦いに挑む。投手3本柱は強力だ。昨年決勝に進出した興国は、今年もなかなかの戦力。打線を軸に昨年越えを狙う。春久々の4強入りした上宮はしぶとい攻守で殴り込みをかける。東大阪大柏原、大体大浪商、関大北陽ら実績のあるチームは決して侮ることができない。公立では桜宮、鳳らが虎視眈々と上位陣に狙いを定めている。


【兵庫】(参加156チーム) 
さあ、岡田イズムで東洋大姫路が浮上するのか。それとも長年のライバル、報徳学園が力で押し切るのか。

◎ 東洋大姫路 報徳学園 
〇 神戸国際大付 明石商 滝川二  
△ 社 神戸弘陵 須磨翔風   
▲ 神港学園 関西学院 三田学園 神戸学院大付

神戸国際大付、明石商の「近年の県内2強」が崩れ、今年は「従来の県内2強」である東洋大姫路と報徳学園が浮上してきた。両校は決勝で対戦して2-0と報徳が勝利を収めた。秋は1-0で東洋大姫路が勝利を収めて選抜出場をもぎ取っており、両校の直接対決が甲子園に直接つながっている感じだ。東洋大姫路は4月にもと履正社監督の岡田監督を招聘しテコ入れを図った。もともとと投手陣は計算できる陣容ではあったが、ここに履正社バリの岡田メソッドが加わり打線が強化されると盤石。夏までに間に合うかどうか。一方の報徳はエース榊原が盤石の状態になってきて、その榊原抜きで春の近畿大会は選抜8強の市和歌山に勝ち、優勝した智辯和歌山と大接戦を演じた。すでに実力は全国でも上位のレベルに達しており、今年は何とか甲子園をつかみ取りたい。この2強に続くのは近年の県高校野球界を引っ張った2校、神戸国際大附と明石商だ。神戸国際大附は戦力的にもそうだが、戦い方がやや脆弱な印象を受ける。核となる選手が強力にチームを引っ張る形になれば、2年連続も見えてくるのだが。。一方の明石商は、今年も監督が引っ張るチーム。春は初戦で滝川二に延長で競り負けたが、夏は捲土重来を誓っているはず。お得意の全員の気迫の野球で夏の県大会をかき回す予定だ。その明石商を破り4強まで進出の滝川二も有力な候補の1校だ。投手陣が春経験を積んで大きく成長。あとはやや線の細い打線がどう援護するかだ。同じく4強の社は、春も4強入り。だがそこで報徳打線にエース芝本が打ち込まれての敗戦を喫しており、立て直しが急務だ。神戸弘陵は双子のバッテリーを擁し、須磨翔風は全国的にも評判の高いエース槙野の右腕に賭ける。そのほかでは、名指揮官である広岡監督が最後の夏を迎える関西学院の戦いに注目、神戸学院大附は秋準優勝で近畿大会に出場した経験値を生かしたい。



【奈良】(参加35チーム) 
天理、智弁のライバル物語は続くが今年はややスケールダウン。そこに浮上する奈良大附が4年ぶりに覇権を握るか。

◎ 天理 智弁学園 奈良大附
〇 高田商 御所実
△ 畝傍 郡山
▲ 桜井 法隆寺国際 生駒  

奈良の夏は半世紀以上にわたって変わらず「天理と智弁の夏」。去年はその2強対決がピークを迎えたかのようなレベルの高い争いだったが、今年はややスケールダウンして迎える。その2強対決、今年はやや天理の評価が高い。近畿勢が甲子園を席巻する中、今年のセンバツでは初戦敗退の憂き目にあった天理だが、スケールの大きな攻守は健在。打線は様々な選手を試して試行錯誤を繰り返し、最後に夏メンバーを固定するのが天理のメソッド。今年も中村監督がいろいろと試して春を戦った。その中で下級生がポジションを取る活躍を見せて、選抜時よりもグッと戦力は上がっている。あとはエースの南沢の復調に賭ける。智弁学園は、昨年の甲子園準優勝のチームの残像がまだ消えない中で、苦しい戦いを強いられる年となった。秋は県大会を制しているだけに、ここから一歩戦力を上げてライバルに挑みたい。打線は昨年のチームと比べてさほど劣っていない陣容で、あとは投手陣の柱が欲しい。この2強絶対ではない今年の夏、浮上を狙うのが奈良大附だ。相変わらず打線は破壊力十分だが、近畿大会では近江の山田らにひねられて完封負け。どんな投手からも最低3点以上は取る打線を目指したい。そうなれば2強にはかなりのプレッシャーを与えられそうだ。昨夏準優勝、そして秋も準優勝と実績を残してきた高田商は、春は初戦敗退。巻き返しを誓う。2年生がずらっとスタメンに並ぶ御所実は、ラグビーと同じく「打倒天理」での甲子園進出を狙う。畝傍はエース永船が打でも大黒柱。郡山、桜井などの実績のあるチームも狙いを定める。



【和歌山】(参加37チーム) 
夏連覇を狙う智辯和歌山が戦力充実。選抜出場の市和歌山、和歌山東が巻き返しを誓う。

◎ 智辯和歌山
〇 市和歌山 
△ 和歌山東   
▲ 和歌山商 箕島 日高 近大新宮  

昨夏の全国制覇の余韻が色濃く残る智辯和歌山は、今年もまたかなりのチームに仕上げてきた。春の近畿大会ではこの年のチームで初めて大阪桐蔭に土をつけて優勝。今年も智辯和歌山は強いという事を満天下に知らしめた。昨夏の甲子園でファンの度肝を抜いた武元に加えエース塩路が健在。そのほかにも3,4人のエースクラスの投手をそろえ、かつての智辯和歌山のつなぎの継投とは違う質の高い投手陣を作り上げてきた。そしてその投手陣をサポートする打撃陣も、従来の智辯和歌山のチームカラーである長打連発を地で行く鋭さ。今年もほぼ投打に隙がないこのチームが甲子園への道を突き進むのは確実だ。そしてこの智辯和歌山に挑戦状をたたきつけるのが選抜出場の2チーム。まずは選抜8強の市和歌山。春の準決勝、智辯和歌山との対戦では米田を投げさせなかったが終盤まで接戦を繰り広げて自信を深めた。しかしその米田、近畿大会では報徳打線に完膚なきまでにとらえられて大量失点でコールド負け。結局米田の調子が崩れていたから智弁戦での先発はなかったのかと言われ、評価が割れている。打線の破壊力では智辯和歌山打線に劣るため、ロースコアゲームで勝ち切る野球を目指すしかない。和歌山東は選抜で初めて甲子園の土を踏み1勝を挙げた。サイドのエース麻田が智辯和歌山打線に通用する手ごたえを秋はつかんでいたが、春を経て夏の対決となった時にどうなるのか。秋近畿大会準優勝まで勝ち上がった盛り上がりを見せ、春夏連続出場を目指す。春準優勝の和歌山商は秋も4強進出とこのチームで実績を積み重ねる。塙と小川の左右の両エースで試合を作り、接戦に持ち込んで勝ち切る野球は見事だが、いかんせん持っている力は上位3校にやや劣る。どう戦っていくのか。名門復活を狙う箕島は165センチながら攻守に超絶な力を見せる2年生の沢捕手が大黒柱。日高は春4強。接戦に強く、夏の大会向きのチームだ。



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