≪第97回選抜高校野球大会≫ ~甲子園~
【第5日目】
第1試合 東海大札幌 7-6 日本航空石川
~2回戦~
第2試合 花巻東 6-3 二松学舎大付
第3試合 健大高崎 4-3 敦賀気比
2回戦に突入の高校野球。
昨日はうららかな春の日・・・・というより、
完全に初夏の陽気の甲子園。
そんな中で3試合が行われました。
第1試合が1回戦の最後の試合。
この試合は、戦前は投手戦が予想されていましたが、
予想に反して点の取り合いになりました。
試合は終盤にもつれて、
8回に日本航空石川が相手ミスから1点を挙げて勝ち越すと、
更に1死2・3塁のチャンスが続くも、
ここで東海大札幌の高橋が踏ん張り得点をやらず、
1点差で最終回を迎えました。
ここもひとつの試合のキーポイントでしたね。
2点差になっていたら、
多分そこでこの試合は”決着”だったと思います。
粘る東海大札幌は、
9回まず代打がヒットで出塁してチャンスの芽を作ると、
2死を取られますがそこからチームが誇るツインズ、
太田勝心が四球を選び1・2塁、
このチャンスに太田勝馬が打席に入ると、
2ストライクと追い込まれてから粘り6球目を三遊間にタイムリー。
土壇場で追いついた東海大札幌は、
さらに5番の鈴木が同じく三遊間にタイムリーを放ち逆転。
その裏の日本航空石川の反撃を再度マウンドに上がった左腕の矢吹が抑え、
嬉しい10年ぶりの勝利をつかみました。
東海大札幌の粘りは見事。
そして日本航空石川の戦いも素晴らしかったです。
いい試合となりました。
第2試合は、
奇しくも先のMLBジャパンシリーズで戦ったドジャースとカブスの、
大谷翔平の母校花巻東と、鈴木誠也の母校二松学舎大附の戦いとなりました。
そしてやはり、
試合を分けたのは「守備力の違い」でしたね。
花巻東は、
素晴らしい守備を終始披露し、
二松学舎にチャンスをつかませませんでした。
一方の二松学舎は、
試合の入りはよかったのに、
3回に守備が破綻して2点を失うと、
その後も守備が破綻して追加点を与え、
3点を返して反撃ムードとなるも、
8回にはまさに痛恨のエラーがここでも飛び出して失点。
エラーがことごとく失点に結び付くという、
「勝てない試合展開」
に終始してしまい、
花巻東が6-3の快勝となりました。
やはりここまでの大会を見ても、
守れるチームが勝ち、守れないチームは負けるということが、
顕著になってきています。
ちなみに第1試合で勝利した東海大札幌は、
5つの失策を重ねる「守れない」面と、
5つのダブルプレーを成功させる「守れる」面があるという、
面白いチームでしたけどね。
さて、
花巻東を見ていて、
4番のこの試合で復帰したスラッガー・古城と、
5番のタイムリーを放った赤間は、
いずれもものすごい体格から、
木製バットを使用してマン振りを行うタイプ。
なんだかこの二人、
見ていてとても楽しい”野球選手”でしたね。
まあ、そうだろうなあ。
自分たちの高校の先輩に、
あの大谷翔平はいるわ、
今話題の佐々木麟太郎はいるわ・・・・・ですからね。
「そうだ、バットっていうのは、思いっきり振るんだ」
と教えられているだろうなあ。
そしてその中で、どうやってコンタクト率を高めていくのか?
そういう風に教えられているんじゃないかと、
勝手に想像してしまいました。
なんだか花巻東は、
今年から全国の球児に門戸を開くとある意味「宣言」していましたが、
なんだか今後、すごいチームになっていきそうな気がします。
全国のスラッガーたちが、
我も我もと花巻東の門をたたく。。。。。。
そんな未来予想図が、
見えた気がしました。
第3試合は、
優勝に大きな意味を持つ対決となりました。
連覇を狙う優勝候補・健大高崎は、
初戦で明徳義塾との痺れる試合を制して上がってきました。
一方の敦賀気比は、
今年のチームは秋の大会から、
なかなか素晴らしいチームにワタシには見えていて、
波に乗れば優勝まで駆け上がってもおかしくないチームに上げていました。
その力のあるチームの激突。
敦賀気比はこの試合で、
1回戦では温存したエース菅田をマウンドへ。
しかしこの菅田を健大高崎打線が、
完ぺきにとらえていきました。
あっという間に4点を先行。
菅田は1回を終えることなくマウンドを降り、
「ひょっとすると大差?」
という試合の入りになりました。
しかしここからマウンドに上がった初戦好投の五十子がナイスピッチングを展開。
健大高崎の強力打線を素晴らしい緩急とコントロールで抑えきり、
追加点を与えません。
だが肝心の打線は、
健大高崎の左腕・下重に完璧に抑えられて5回までゼロ行進。
それどころか、
一本のヒットも打てませんでした。
『今年の敦賀気比は、後半にめっぽう強い』
と言われていましたが、
ここまでは音なし。
しかしワタシの頭の中には、
昨秋の明治神宮大会での、
沖縄尚学と広島商に対する敦賀気比の後半のものすごい追い上げのシーンが渦巻いていて、
「一つ何かのきっかけがあれば、一気に行く可能性は、まだある」
と思っていました。
そして6回。
スイスイと気持ちよく投げていたマウンドの下重が、
先頭の9番・五十子に四球を与えると、
次の岡部の打球はショート正面へ。
「ひょっとしたらゲッツー?」
と思われる打球でしたが、
これをショートから送球を受けたセカンドが落球。
ここで何だか試合の流れが急展開し、
下重はマウンドで落ち着かないそぶりになり、
次の打者にストレートの四球。
無死満塁となりました。
押せ押せの敦賀気比はここで3番の小西が犠牲フライを放ちまず1点を返すと、
頼りになる4番の小林がレフトへ2塁打。
一気に2点を返して4-3,
さらに1死2塁から5番・6番にも連打が出て満塁。
もう完全に敦賀気比の押せ押せムードになり、
下重は完全にマウンド上でアップアップとなりました。
ワタシはここで、
「石垣を投入するならここしかないな」
と思っていましたが、ベンチは動かず。
「あ~。石垣は投入できない状態なんだな。。。。健大高崎は、今大会は苦しいな」
と思いながら見ていましたが、
ここで敦賀気比が選択したのは「同点スクイズ」。
7番大谷は2-2のカウントからスクイズを敢行しましたが、
ボールはキャッチャーの前に転がり、
何と2-2-3のダブルプレーとなってしまいました。
多分いつもなら、
強気で攻めてくる敦賀気比なんじゃないかと思っていましたが、
ここでスクイズを選択したというのはやはり「甲子園の試合ならでは」なのか?
せっかく一気に崩せるチャンスだったので、
本当に痛恨のプレーとなってしまいました。
敦賀気比は、
この試合本当にバックがよく守って、
2回から試合は完全に支配している感じがしましたが、
1回の失点を最後まで還すことができませんでした。
1点を追う9回。
敦賀気比は2死まで追い込まれましたが、
ここで9番五十子の代打が何とか四球を選んで1塁に。
あと一人・・・・・
ここの場面で、
健大高崎ベンチが、
ついに動きました。
「ピッチャー石垣」
この大会では、
唯一といってもいいドラ1候補の石垣。
そのピッチャーが、
10日前に痛めた脇腹もありながら、
この甲子園での痺れる場面で、
ついに登場しました。
そして。。。。
初球から150キロ越えを連発。
「やっぱり石垣は、モノが違う」
という片りんを垣間見せて最後のバッターを打ち取りゲームセット。
連覇を狙う優勝候補の健大高崎は、
なんとかかんとか逃げ切って、
8強入りを果たしました。
初戦、2戦目と、
本当に厳しい相手と当たり、
最後の最後まで試合がどう転ぶかわからない試合展開の中、
いずれも接戦を取り切って勝ちました。
昨年の初優勝まで、
健大高崎はやや勝負弱い、接戦を落とすと見られていたチームカラーでしたが、
昨年の全国制覇で自信が備わったからか、
この大会での戦いぶりは、「接戦でも動じない、僅差を勝ち切る」チームに見えますね。
一段『強さの質』が上がったかのように見えます。
8強ではこれも今大会乗っている花巻東との対戦です。
その先にも、
いばらの道が待ち受けます。
さあ、
健大高崎がこの大会を勝ち切って、
あの17・18年の大阪桐蔭、81・82年のPL学園以来の春連覇が成るのか?
注目は高まっています。
いったい石垣は、
これからどんな形で使われていくのか?
そこが最大のキーポイントだと思います。
この158キロ腕がもし絶好調に復調してくれば、
健大高崎に他校よりも大きなアドバンテージがありそうですね。
それにしても、
あの超絶左腕・佐藤が離脱し、158キロ右腕・石垣も離脱していながら、
まだ下重という好投手がいて、
「どんだけ分厚い投手層なんだい?!」
って思っちゃいますね。
さあ、
どうなっていくでしょうか。
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