≪第95回全国高校野球選手権大会≫
【第6日】
横 浜 (神奈川) 7-1 丸 亀 (香川)
日大山形(山 形) 7-1 日大三 (西東京)
花巻東 (岩手) 9-5 彦根東 (滋賀)
明徳義塾(高 知) 2-1 瀬戸内 (広島)
第6日の甲子園。
2回戦に入って、
この日は横浜、日大三、明徳など優勝経験校が大挙して出るとあって、
朝一番から4万人以上のファンが詰めかけました。
第2試合は日大対決。
まあ、
兄弟校だという意識はあまり両校にはないでしょうが、
練習試合もする間柄だそうで、
近しい関係であることは確かでしょう。
日大山形は昭和の時代はまさに
『毎年(甲子園に)出場する学校』でしたが、
その戦績はあまりふるわず『オリンピック校』という感じでした。
そのココロは、
『参加することに意義がある』
ワタシが甲子園を見始めてから2000年ぐらいまでの戦績は、
夏の甲子園に11回出場して6勝11敗。
しかしながら、
現荒木監督が監督になってガラリと戦術を変化させて出場した2006年に、
山形勢初の8強進出を果たし、
強烈な印象を残してくれました。
特に『勝てないだろう』と思われた2回戦の仙台育英戦を見事に完勝すると、
3回戦では今治西相手に大激闘を演じて、
延長13回11-10の激勝。
敗れた準々決勝の早実戦でも、
あの斎藤祐樹を相手に一歩も引かず、
さらなる金星まであと一歩のところまでたどり着きました。
『日大山形は変わったな』
と思わせて去った夏でしたが、
翌年顔を見せた後は、
なかなか甲子園に戻ってくることが出来ませんでしたね。
その間、
06年ぐらいからは毎年東北勢が甲子園で大活躍。
仙台育英、花巻東、光星学院、聖光学院・・・・・
まさに強豪が群雄割拠で群れを成す地区となりました。
その中でともすれば『埋もれがち』になっていた日大山形が、
この日は優勝候補の日大三を堂々と破り、
その存在感をまた強烈にアピールしてくれました。
初回”6割打者”の主砲・奥村が名刺代わりの一発をライトスタンドに叩き込むと、
”完投しない”はずのエース庄司がこの日は日大三打線を力のある球で抑え込み、
なんとこの夏初めての完投勝利をあげました。
投打がかみ合って、
見事な勝利で三回戦に進出です。
またあの7年前の夏を再現、
いや、
それ以上の戦績を狙います。
『東北勢初めての優勝はどこが成し遂げる?』
ここ数年来ずっと問いかけられ続けているテーマですが、
本命;仙台育英、八戸学院光星(旧・光星学院)、聖光学院
対抗;東北、花巻東、青森山田
当たりが有力と見られている中に、
名門の日大山形がまた殴り込みをかけてきた感じです。
それにしても、
東北勢は強いですね。
数年前までの東北勢は、
近畿、関東当たりのチームとやると自分の力が出し切れないというケースが多かったように思われるのですが、
今では”相手の力を出させない”見事な戦いを見せてくれるようになりました。
今大会の【関東2強】浦和学院、日大三は、
いずれも東北の名門に力で敗れ去りました。
やはり時代は、
急激に動きを見せているということですね。
今大会で『東北初の真紅の大旗』を掴めるかどうか、
注目したいと思っています。
今日秋田商が登場しますが、
これまでの東北勢、
決して対戦相手に恵まれたわけではないのに、
全勝ですからね。
勝った地区が、
埼玉、西東京、愛知、岡山、滋賀・・・。
う~ん、すごい。
敗れた日大三にも触れておきましょう。
ワタシの地元、
西東京を三年連続して制し甲子園に登場した日大三は、
優勝候補の一角だったことは間違いないでしょう。
チーム打率4割を超す超強力打線と安定感抜群のエース大場。
スキがないと言われていましたが、
やはり大会の入りというのは難しいものだということが、
はからずともわかってしまったような戦いぶりでした。
『先行されて、
追っていく中で強力打線が打球を打ち上げだしたらまずいな・・・』
と思っていたのですが、
日大山形のエースの荒れ球に手こずり得点が奪えず、
終盤こらえきれずに大場が失点・・・・。
『負けパターン』
を絵に描いたような悪夢の展開となってしまいました。
どんなに強いチームでも、
試合の中でその流れを修正するのは本当に難しいんだなあ・・・・
というのがワタシの感想です。
このチームで、
何度も打線が爆発してきたところを見てきたので、
信じられない気持ちもあります。
しかし、
春の関東大会で浦和学院の小島投手に完封でひねられてしまった時感じた一抹の不安が、
現実になってしまって、
残念な気持ちを拭い去れません。
監督、選手はじめ関係者は、
今年のこの大型チームは2年ぶりに”大きなもの”を持って帰ってくれると期待していたでしょうから、
その落胆は想像に難くありません。
しかし激戦の西東京を3年連続で制したという成果は、
やはり特筆すべきもの。
マウンド上できらりと光る個性を見せた釘宮君、三輪君。
そしてライトスタンドにこの日唯一の得点をたたき込んだ船見君らを軸に、
また強いチームを作って今度こそ甲子園で躍動してほしいと思っています。
第4試合の明徳、岸投手は、
成長した姿を見せてくれました。
140キロ前後のストレートは、
昨日戦った瀬戸内・山岡くんよりも球速は出ていませんでしたが、
ストレートの【凄味】は岸クンの方が上との印象を受けました。
低めに制球されたストレートでカウントを取った後は、
グーンと伸びる高目を降らせて三振を取るというパターンで瀬戸内打線を翻弄。
その速球は、
球速以上に『プロ仕様』の剛球だと感じました。
今のところ、
大会屈指の右腕だという感じがします。
それにしても、
【戦国大会】と言われていたものの、
優勝候補が初戦でバタバタ倒れる展開になっている今年の大会。
まだまだ波乱が待っていそうです。
そして優勝争い、
まったくわかりません。
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しかしリリーフで登板した三輪くんのピッチングは、正に調教前の暴れ馬のような強烈な印象を残しました。コントロールとコンビネーションを磨いて、ぜひ来年甲子園のマウンドに立ってほしいと願っています。
アルプスでの応援でしたか。異常な暑さ、大丈夫でしたか?!
試合の流れを掴めないまま回を重ねてしまった、というのが三高の戦いぶりでした。
期待できる戦力だったがゆえ、敗れてしまった時の反響も大きいでしょう。
しかし、それもこれも含めて、”愛すべきチーム”ということではないでしょうかね。
昨日の負けっぷり、『粘りがない』『策がない』と思われがちですが、小倉監督の野球は正面から堂々と真っ向勝負のはず。となれば、今回の様な負け方もあります。”江戸っ子感”いっぱいの、キップのいい負け方だったじゃないですか。でも今年のチームだって、はまれば旗の袂までは行ったはず。そういう何とも言えない『かわいらしさ』もあるじゃないですか。そういうチームと感じます。
余り完璧にスキがなくなると、”かわいげ”も少なくなっちゃいますよ。昔の阪神のように、『勝っても負けても愛すべき』チームだと思います。
だからファンも多いんではないかと思います。
来年もまた、ワクワクドキドキの戦いぶり、見せてほしいですね。お疲れ様でした。