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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第103回全国高校野球選手権  雨の間隙を縫って、2試合が行われた。

2021年08月20日 | 高校野球

日程がひっ迫してきた今年の夏の甲子園。

昨日は第1試合を始めたものの、
途中でまさに土砂降りの雨。
結局2時間以上待機して中止との裁定を下しました。

しかし天気予報で午後からは雨が小降りになるとの情報から、
第3試合、第4試合に予定されていた2試合を決行。
午後3時から2試合が行われました。

最初の試合は京都国際が前橋育英を1-0で完封。
エース左腕森下が相手に的を全く絞らせないピッチングで好投。
結局4安打での完封勝利を飾りました。
決勝点は女房役の中川のバットから。

中川は2回、
前橋育英のエース外丸の真ん中に浮いたスライダーを見事にとらえて先制弾を左中間に叩き込みました。
結果的にこの1点がこの試合の唯一の得点。
それだけに値千金の一発でした。

中川はこの試合、
エース森下を見事にリードして完封に導きました。
相手に全く的を絞らせないリードは見事。
しかも足のある相手に対して、
見事なフットワークと強肩でランナーに出してもくぎ付け。
隙を見せませんでした。

前橋育英にとっては、
野球の格言にある「相手のキャッチャーに打たせてはいけない」という通り、
中川に見事にやられましたね。


さて、敗れた前橋育英。

この日はエース外丸が好投をして、
ロースコアのゲームに持ち込むという目論み通りの戦いでした。
しかし相手投手を打ち崩すことができずに0-1と悔しい完封負け。
これで2大会連続での初戦敗退となりました。

2013年に今チームと同じような守りのチームで、
高橋というエースを擁してロースコアのゲームをことごとく制して初出場での全国制覇を成し遂げた前橋育英。
その後も好投手とアグレッシブな守備を固めるチームを作ってここ6年(5大会)連続の甲子園出場になりますが、
その間の甲子園での成績は3勝5敗。

どうも思った通りに甲子園で試合できることが少ないなあという感じがしています。

2010年の声を聞いてから、
群馬県の高校野球のレベルアップには、
多くのファンが驚いていました。

それはとりもなおさず、
前橋育英と健大高崎、
この2校のライバルの出現が大きな要因です。

前橋育英は荒井監督の「凡事徹底」という教育方針が貫かれるチームとして甲子園に登場。
選手権初出場で見事な戦いぶりを見せて全国制覇し、
その後も「強いオーラ」を発散し続けるチームとして、
存在感を見せつけていました。

一方の健大高崎。
2011年に初めて甲子園に出場すると、
その「機動破壊」という機動力を駆使した野球で全国の強豪を震え上がらせました。
こちらの戦績は前橋育英よりももっとすごく、
2011年に初出場で甲子園初勝利を挙げると、
その後2017年までの6年間、春夏で5回の甲子園に出場し、
すべての大会で2勝以上を上げてそのうち4回で8強以上に進出。

「次の(関東の)全国制覇校は、間違いなく健大高崎」
と言われていました。
「機動破壊」は一つのブランドとして独立した言葉にまでなっていました。

そしてこの両校は、
関東の中でもすっかり「強豪」の地位を確立し、
群馬の高校野球は関東の中で「最強」に他ならない実力を備えていました。

しかし17年ごろから、
なんだかその流れが少し変わってきたような感じがしていました。

健大高崎は軌道破壊を自ら手放して新たに強打のチームとして生まれ変わることを選んだようで、
チームカラーが一変しました。

一方前橋育英は初出場初優勝という「成功体験」に少し縛られているのかなあ・・・・・
と思われるようなチーム作りを進めているものの、
高橋光成のような「ドラ1」のピッチャーが毎年現れるわけではないので、
最後は打線が相手に抑えられて惜敗するという事が多くなってきているように感じられます。
いいチームなんですが、
全国で勝ち上がるための「殻」を破ることが今一歩できないなあ・・・・と、
そんなことを感じるここ数年のチームですね。

その間にここ5年ほどは、
関西勢が大阪桐蔭を筆頭に、
とても質が高くスケールの大きなチームを作って毎年甲子園を”外さずに”出場してくるようになって、
まさに「関西勢のための大会」というべくチームが並ぶようになってきています。

今年で言っても、
大阪桐蔭、智弁学園、智辯和歌山の3校はそれだけで「大会3強」と言える陣容で、
神戸国際大付、京都国際、近江の3校も「ベスト8にかなうチーム」という質の高いチームです。

時代の流れで行くと、
70年代終わりから80年代初頭、
PL、箕島を筆頭に浪商、東洋大姫路、報徳学園、天理ら、
出てくるチームがすべて強豪のくくりで語られていた時期と、
とても似ている気がしています。

そしてその当時、
近畿勢に対抗するのは、
どのチームも骨太でスケールの大きかった四国勢でした。

池田を筆頭に高知商らの古豪が強かった。
明徳も創成期でした。


彼ら関西勢に対抗するチームとしてみた場合、
今の前橋育英、健大高崎ともに物足りなさを感じてしまうのは、
それだけワタシが期待している証なのでしょうか。

ちなみにワタシ、
関東のチームが全国の大会を制するときは、
「勢いに乗って一気に」という戦い方しかないと思っています。

近年全国制覇したチームも、
ほぼ例外なく「それ」がチームカラー。
2010年代に頂点まで上り詰めたチームは、
11年の日大三、13年の前橋育英、16年の作新学院、17年の花咲徳栄と、
すべては「大会の波に乗った」優勝でした。
*06年の早実など、その最たるものでした。

唯一の例外は15年の東海大相模ぐらい。
東海大相模のチーム作りは、
関東のチームとしては非常に珍しい「王道を行くチーム作り」ですね。

かつては横浜がこういうチーム作りをしていましたし、
一時期浦和学院もそれを志向しているなあ・・・・・と感じたことがありました。

しかしこういうチーム作りは、
学校の理解と環境の整備、
そして監督の有り余る情熱がないと成立しないと思います。

もっと言えば、
毎年選手のリクルーティングに成功しなければ、
そうはならないという事です。
難しいことなんだと思いますね。

そんなノリノリ気質の関東勢、
前回、そして今年などはまだまだ「乗っているチーム」は現れてはいませんね、残念ながら。

話がだいぶ横道にそれましたが、
群馬が少し力を落として、
関東の各県の力が一層均一化してくるんじゃないかと、
そんな風に思っています。


第2試合目には作新学院が登場しましたが、
残念ながら投手、守備の乱れで大量失点をしての敗退となりました。

作新はコロナ陽性者が出て、
なかなか厳しい今大会だったと思います。
正直今年の大会に限っては、
出場できて、さらに甲子園で試合ができたことがすべてだったと思います。
勝ち負けという事には、
例年よりは強くこだわってなかったのではないかと思います。

よく戦ったなとは思います。

作新学院vs高松商

う~ん、
レトロな響きがして、
耳に心地よかった。


それにしても。。。
北関東の3校(茨城、栃木、群馬)は、
初戦敗退かあ。。。。。
残念でしたが、また頑張ってほしいですね。


さあ、
今日からはようやく天気も晴天(?)、
大会日程も粛々と進んでほしいものです。



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