第91回全国高校野球選手権大会
【第10日 第3試合】
立正大淞南 4-2 東農大二
試合をラジオで移動中に聞いていたのですが、
立正大淞南のメンバーを聞いてビックリ。
『新型インフルエンザ陽性等で、4人のメンバーがベンチを外れています』
とのこと。
主要メンバーも含まれ、
14人での戦いを余儀なくされたチーム。
フルメンバーでの戦いでも互角ではないかと思っていた対戦なので、
『いったいどうなってしまうのか?!』
と、不安のスタートとなりました。
しかし、
このチーム、初戦の劇的なサヨナラアーチのみならず、
何か今大会乗っている感じ。
『力以上のもの』
が出ている感じですね。
【甲子園の神様】
に愛された初出場チームです。
この日の試合も、
エラー連発で先制された序盤は押されっ放し。
しかし、
ここを安定感抜群の【頼れるエース】崎田が何とか堪えしのぎ、
後半勝負にもって行きます。
終盤は暑さでばて始めた東農大二のエース・加藤を捕らえ始め、
同点に追いつき、
最終回に長打3本で鮮やかな逆転勝ちをおさめました。
ベスト8での戦いは、
勢いだけでは行かないだろうとは思いますが、
なかなかのいいチームですね。
【第4試合】
帝京 4×-3 九州国際大付属
帝京は、
厳しい試合を拾いました。
この流れ、
私はなんとなく大会の風が帝京に向いてきたようにも思いますね。
この日の試合は、
【候補】らしからぬ攻守で、
『典型的な帝京の負けパターン』
の試合でした。
あまり多く見ることはないのですが、
東京での試合でも、
帝京の勝ちパターンは決まっています。
『豪打で圧勝』か、
『先行逃げ切り』。
このパターンにはまった時の帝京は、
「こりゃあ 崩しようがない」
というような盤石の戦い方をします。
今大会でも、
初戦の敦賀気比戦はまさにそのような戦い。
こうなると、
帝京をひっくり返せるチームはまずありません。
しかし、
ちょっと力が劣る相手でも、
前半戦に粘られて突き放すことが出来ず、
後半勝負に持ち込まれたときに、
帝京の【もろさ】が顔を出します。
こんな試合展開で後半勝負を挑まれ、
その後半に勝ち越し点を許すと、
そのままズルズルといってしまい
『まさか あの帝京が・・・・・』
の試合になってしまいます。
ず~っと長い間、
帝京が初出場したときから、
その傾向は変わりませんでした。
【強さともろさが同居する】
そんな形容がぴったりとくるチームだと思います。
しかし、
2006年の選手権、
智弁和歌山との壮絶な打撃戦(12-13)を繰り広げ、
この試合で最終回に8点を奪い4点のビハインドをひっくり返した試合から、
なにか帝京に変化が現れたように感じています。
前田監督自身も、
この試合がひとつのターニングポイントになっていると語っています。
【粘りと気迫】
このキーワードを手に入れれば、
帝京は悪い意味での【淡白さ】から決別できるのではないかと思います。
良くも悪くも【東京らしい】チームである帝京。
昨日で前田監督は甲子園通算48勝。
横浜の渡辺監督を抜き、
単独3位に躍り出ました。
他の大監督達と比べていまひとつ評価が高くない前田監督。
しかし、
紛れもない【大監督】だと思います。
新境地に入ったチーム作り。
60歳を超えてからの、
円熟味を増した【前田采配】を、
まだまだ見て行きたいですね。
最後に。
帝京の試合を見るなら試合前のシートノックから。
前田監督の、
まさに≪達人≫の域に達したノックを堪能してください。
凄いですよ~。