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第104回全国高校野球選手権大会 予選展望その9 【九州】 ~最終回~

2022年07月03日 | 高校野球

≪第104回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望9 九州 -


【福岡】(参加136チーム)
剛腕が揃う九州国際大附が筆頭。追う福岡大大濠も全く差はない。

◎ 九州国際大付 
〇 西日本短大付 
△ 福岡大大濠 筑陽学園 飯塚  
▲ 福岡工大城東 東海大福岡 折尾愛真 小倉 東筑 小倉工

センバツで8強入りし、その力を見せつけた大型チームの九州国際大附が候補の筆頭。技巧派エース香西と強肩捕手野田のバッテリーは九州No1の力を持つ。俊足の黒田にスラッガー佐倉も控え、攻撃力もダントツのNo1。欠点を見つけるのが難しいほどの戦力だ。しかしそれでも出場校が136を数えるこの大票田の福岡の大会を勝ち抜くのは並大抵ではいかない。ライバルも多数存在するからだ。そのまず1番手に上がるのが西日本短大付。この昨夏の甲子園出場校は、連覇を狙い今年も戦力を充実させてきた。エース江川は九州大会で覚醒。選抜出場校を次々に撃破し、その力を見せつけた。強力な中軸を軸とした打線も九国大付と大差はなく、力の勝負で一気に代表権奪取を狙う。昨春の選抜出場校である福岡大大濠も評判はいい。春は西日本短大付に打ち負けたが、夏は逆に打ち勝つと鼻息が荒い。事実打線の破壊力では上位2校に引けを取らず、例年の好投手を支える戦い方とは違うアプローチで甲子園を目指す。筑陽学園はエース木口が大黒柱。柔の香西に対して剛の木口と早くから言われている好投手で、最後の夏にすべてをかけて臨む。ドラフト候補といえば、この木口のほかにも飯塚・白浜が上がる。ズバッと決まった時の剛球には目を見張るものがあり、この暑い夏を乗り切って甲子園までコマを進めることができるか。そのほかでは福岡工大城東や折尾愛真が実績もあり怖い存在とみられる。東海大福岡は春4強、小倉工は春準Vの実績を引っ提げて夏に臨む。



【佐賀】(参加37チーム)
選抜出場の有田工が走るも、名門佐賀商の追い上げ急。連覇へ、東明館も急上昇。

◎ 有田工
〇 佐賀商 東明館    
△ 龍谷 佐賀学園 北陵 
▲ 唐津商 佐賀北 早稲田佐賀   

選抜出場の有田工と秋春に結果を残している名門佐賀商、そして連覇を狙う東明館が3強だ。有田工は好投手のエース塚本を中心にしっかりと守り試合を作る。打線は今一つだが、得点力アップを強化中。佐賀商は県内トップの実力と評判だ。伝統のトータルベースボールは健在で、しっかりと5試合を勝ち抜く腹積もりだ。東明館は昨夏の歓喜の初出場から1年。今年もまた、甲子園に「行ける」戦力を整えつつある。制球力に優れるエース今村は昨夏も甲子園でマウンドに上がった経験値を生かしてしっかりとした投球を見せる。ロースコアで勝ち切る野球を今年も見せたい。3強以外では、ツインタワーと言われる左右の2枚看板を擁する北陵が面白そうだ。佐賀市長杯を制しており、向かうは甲子園のみ。龍谷、佐賀学園の両強豪は、まだまだ課題は積み残したままだが、勢いに乗れば一気の代表も。唐津商は春4強入りで自信をつけ、夏に強い佐賀北も虎視眈々と甲子園を狙っている。



【長崎】(参加52チーム)
強打の波佐見が視界良好。選抜で自信つけた長崎日大と海星、大崎の強豪も狙い絞る。

◎ 波佐見 長崎日大 海星 大崎 
〇 創成館 長崎商 
△ 諫早農 九州文化学園  
▲ 長崎南山 清峰    

打線で打ち勝った波佐見が春の県大会を制し、夏も候補筆頭に躍り出た。県の準決勝までは打線が活発だったが、打線が抑えられた決勝の大崎戦と九州大会の九国大附戦ではエース渡辺がきっちりと抑える野球を展開。硬軟どちらの野球もできることを見せつけた。粘り強さがある野球は夏にはうってつけだ。センバツで準優勝の近江を土壇場まで追いつめた長崎日大は、その試合で自信を付けた。エース種村は投球の幅が広がり好投手へ。また打線もきっちりとした野球ができるようになってきており、夏に向けて好材料がそろった。海星は秋県を制して九州大会でも8強入り。あと一歩で聖地を逃したが、持っている力は県下でもトップ。特に宮原、向井の2本柱は全国レベルの速球を操る。打線も強打者が揃っており、ガチンコ対決なら一番強い。昨年来飛び出してきた大崎は今年も春準優勝に輝き勢いは衰えていない。ここ7大会で3度の制覇を含む5回の決勝進出は圧巻。投打ともに戦力が充実しており、島民一体の戦いぶりで初めての夏をうかがう。ベンチ入り全員をくまなく使って戦いを挑む創成館は、波に乗りさえすれば十分に甲子園を狙える戦力。連覇狙う長崎商は、昨年の経験者をそろえて捲土重来を期す。秋春ともに4強進出の諫早農は、夏こそはその壁を破り頂点をうかがっている。元巨人の香田監督が率いる九州文化学園も面白い。いずれにしても群雄割拠で、面白い大会になりそうだ。



【熊本】(参加55チーム)
今年も熊本工、九州学院のたたき合いか。東海大熊本星翔がここにどう絡んでくるのか。

◎ 熊本工 九州学院
〇 東海大熊本星翔 
△ 熊本学園大付 秀岳館 
▲ 文徳 専大玉名 有明 濟々黌 

熊本工、九州学院の「熊本2強」が今年も強さを誇示する。熊本工は昨夏の甲子園メンバーがずらりとスタメンに並び強打を誇示する。投手陣はやや安定感を欠くが、とにかくよく打つチームで、打ち勝っての甲子園を目指す。九州学院も負けじと強打を誇る。ヤクルト・村上の弟である慶太は同じ左打で一発を放り込む力を持つ大砲だ。投手陣も駒が揃ってきていて、投打のバランスでは熊本工の上を行く。東海大熊本星翔はRKK旗で優勝して、2強追撃の旗を大きく掲げている。打力は2強に一歩譲るが、投手力ではエース合志を中心に2強を上回る。直接対決でどんな展開の試合になるか。今から楽しみである。熊本学園大付は秋春ともに4強入りして、頂点をうかがう。豊富な投手陣が自慢で、投げ勝つことができるか。あの鍛治舎元監督以来の甲子園を目指すのは秀岳館。当時の面影は全く残っていないが、秋には優勝を飾りまた優勝戦線に絡んできた。打線の破壊力が自慢のチームだ。ダークホースとしては、文徳や春4強入りの専大玉名、好素材が揃う有明や名門濟々黌らが浮上を狙っている。



【大分】(参加44チーム)
選抜準Vの明豊には、オーラが漂ってきた。名門・津久見の復活にも注目だ。

◎ 大分舞鶴 明豊
〇 柳ヶ浦 大分商  
△ 藤蔭 日田林工 
▲ 佐伯鶴城 大分工 大分 

県の絶対王者の地位を確立しているのは明豊。今年も秋春ともに県大会を制して盤石な状態を築くが、そこに待ったをかけるのが選抜に21世紀枠で出場した大分舞鶴。夏は過去2年連続で決勝進出を果たしており、自信をもって戦いを進める姿が頼もしい。エース奥本は選抜の開幕戦で自信をつかみ、春の九州大会でも好投。すっかりエースの風格が出てきた。打線はパンチ力不足を指摘されており、もう一段のグレードアップが必要か。迎え撃つ明豊は、なんと春の県大会では5試合を5人の先発投手を立てるという驚きの起用で制覇。やはり選手層の厚さは県内No1だという事を知らしめた。しかし春の九州大会では小倉工に7-6、小林西に1-2といずれも公立校に大苦戦。今一つの結果に危機感を強めている。相変わらず打線の振りの鋭さは他の追随を許さない迫力だ。春準優勝の柳ヶ浦は、その決勝では明豊に完敗。ライバルとはまだ差があることを知らしめられてしまった。巻き返しを図りたい。名門の大分商は、スラッガー福田を中心に今年は打の鋭さが目立つ。藤蔭はエース松石が順調に成長中。まだ2年だが、県内ではトップの球速を誇る。日田林工は春の県大会で明豊に善戦。その勢いをもって夏の戦いに挑みたい。佐伯鶴城は元大分商の監督である渡辺監督が就任。アップセットを狙う。大分は元大分工の監督である内川監督が就任。こちらも一発を狙う。



【宮崎】(参加47チーム)
宮崎学園、日章学園の実績残す2チームが走るも、小林西、日南学園も逆転を狙う。

◎ 宮崎学園 日章学園 小林西 
〇 日南学園 聖心ウルスラ
△ 宮崎商 富島
▲ 延岡学園 都城商 宮崎日大

こと永も本命なき大混戦の模様だ。春は宮崎学園が打力で県を制したが、もちろん絶対の本命とはならない。九州大会では初回から神村学園の猛攻を浴び、試合にならなかった。エース浦田が相当に踏ん張らない限り、春の再現となるのは難しいか。秋準V、春3位の日章学園も狙える戦力になってきた。打線は上位に一発が飛び出すなど活発だが、こちらも投手陣がどこまで踏ん張れるか。春準Vの小林西は、九州大会で大ブレーク。初戦に選抜出場の大島、大野を打ち崩し、2戦目には強豪明豊に1点差勝ち。準決勝でも西日本短大付に最後まで粘りを見せるなど、この戦い方ならば全国でも十分戦えるという力を見せた。重量打線が売りだが、投手戦でも仲間や藤がしっかりした投球を見せて、対応力の高さを見せつけた。戦いぶりから行くと県下No1か。力という事で見ると、日南学園も力は十分に持っている。投手陣の枚数が多く、長丁場の県大会をしっかりと戦いきる態勢は整っている。延岡学園も久しぶりの甲子園を狙える戦力は整っている。あとはどう勢いをつけるか。春4強の聖心ウルスラや秋4強の富島も狙いは甲子園一本。特に富島のエース日高はMax148キロの剛球が自慢で、春から夏にかけて上昇気流に乗っている。そのほか、都城商や宮崎日大らが頂点を狙う。



【鹿児島】(参加63チーム)
春の九州大会制した神村学園が大本命。選抜出場の大島はエース大野の左腕がカギ。鹿児島実、鹿児島城西、樟南らも続く。

◎ 神村学園  
〇 大島 鹿児島実
△ 樟南 鹿児島城西 
▲ 鹿児島玉龍 国分中央 れいめい

神村学園は、ひと冬超えてグッと戦力が充実してきて、春の九州大会を制覇。圧倒的な打力でほぼ圧勝という圧巻の戦いぶりで、3年ぶりの夏に照準を絞った。その九州大会では1試合平均9得点の爆発力。強豪の福岡勢2校を圧倒した戦いぶりは見事で、打線の破壊力は全国でも上位のレベルだ。投手陣もエース朝吹を中心に充実しており、県大会でつまずくつもりは毛頭ない。一方選抜出場の大島は、やはり左腕エースの大野の出来がすべて。大野が上位でしっかりと投げることができれば、昨秋の快進撃を再現できる。鹿児島実は投打ともに不安定さがぬぐえず秋春ともに4強進出を逃す今年の戦いだが、ようやくここにきて戦力が整いつつあり、名門の巻き返しがみられる可能性が高い。すべてが整えばやはり県下では屈指の戦力を誇る。同じく名門の樟南は、昨夏と比べて投手陣の不安定さがネックか。しかし夏の戦い方は心得ており、対戦する相手には息の抜けないことを感じさせる。久しぶりの上位進出が狙えるのは玉龍。秋は8強、春は4強としっかりとした足跡を残してきており、今年は勝負をかける。左右のエース山下と川畑は昨夏もマウンドに上がっており経験は十分だ。鹿児島城西は戦力的には十分だが、春の大会を辞退し、対外試合自粛も余儀なくされており、どこまで戦えるのかは未知数だ。


【沖縄】(参加61チーム)
すでに本命の沖縄水産は消える波乱の大会。やはり興南、沖縄尚学の2強が軸だが、未来沖縄も絡んでくるか。

◎ 興南 沖縄尚学
〇 前原 未来沖縄 
△ 宮古 日本ウェルネス沖縄
▲ 美里工 具志川商 北山

今年の沖縄大会もすでに6月からプレーボールがかかり、先週さっそく第1シードの沖縄水産が敗退。波乱の幕開けとなっている。波乱を演出したのは未来沖縄。エース大城元は県内屈指の好投手。その威力をまざまざと見せつけて第1シードを破り、一躍優勝候補の一角に躍り出ている。しかし県内の勢力図は変わらず、いつもの2強である興南と沖縄尚学のマッチレースの様相だ。興南は今年春夏連覇時のエースだった島袋がチームに合流。しっかりと投手陣の底上げを図っており、チームに安定感が出てきた。打線もしっかりと振り切れており、安定感はNo1だ。連覇を狙う沖縄尚学は春決勝まで進出。エース吉山に1年生の仲宗根が合流し、投手陣は盤石。しかし打線の調子が春は上がらず、夏どこまで仕上げてくるかが連覇へのカギか。前原も注目株。秋準Vで九州大会に出場し、春もその勢いを持って4強に進出。小柄な選手がそろうが、パンチ力はあり打線はかなりいい。あとは頼みの投手陣の踏ん張りにかける。宮古も春4強。エース沖の右腕にかける。美里工、具志川商は近年実績を残してきており、いい伝統をベースに今年も上位を狙う。北山は実に沖縄らしい166cmのエース知念が軸。彼を軸に甲子園に進出すれば、話題をさらうことは必至だ。

 


ということで、
今年の104回大会の予選展望、終了です。
今年も、暑い夏がやってきます。(もう十分に暑いけど)

~以下は3年前に書いたことの引用です。これで締めさせてもらいます。~

例年書くことなのですが、
高校野球はファンにとっては「甲子園」が中心ですが、
本のタイトルではないですが多くの高校球児にとってはまさに「甲子園だけが高校野球じゃない」のはまさに自明の理。
それぞれの心の甲子園は、
まさにこの各地方の球場の中にこそあります。

4000にならんとする高校の中から、
甲子園に登場できるのはわずか49校。
甲子園を前に敗れ去り、涙にくれるチームは3900有余校。

その現実が、
毎年夏になるたび、
ワタシの前に姿を現してきます。

そのあまりにもドラマチックな現実に、
時には打ちのめされ、時には涙しながら、
粛々とこの夏の2か月を過ごす、高校野球オヤジです。

日本の夏は、誰が何と言っても「高校野球の夏」。
決して甲子園だけではない地方大会からのドラマが、
今年も日本中を熱くしてくれることでしょう。


高校球児の皆さん、特に最後の夏を迎える3年生にとっては、
やはりこの夏「完全燃焼」してほしいと思います。
グラウンドに立っていようがいまいが、
そんなことはどうでもいい。

自分の中で「完全燃焼」して「やり切った」という充実感を味わい、
それを明日からの糧にしてほしい、
そう強く願っています。

新しい時代に、
新しい人たちが、
また集ってくるニッポンの夏。

今年も、堪能しましょう。


頑張れ~~~~高校球児たち!!!!





〈了〉


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