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第101回全国高校野球選手権大会 予選展望7 【中国】

2019年06月30日 | 高校野球

≪第101回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望7 中国地区 -


【岡山】(参加59チーム) 
全チームが目指す打倒・西。その先頭を走るのは名門の2校、関西と倉敷商。

◎ 創志学園  
〇 関西 倉敷商    
△ 岡山理大付 おかやま山陽 玉野光南 
▲ 倉敷工 岡山学芸館 玉島商 明誠学院

何と言っても注目は”高校ビッグ4”のひとり、創志学園の西の右腕だ。昨夏の甲子園でもセンセーショナルを巻き起こした右腕はMax150キロ超の速球を操り、好調ならばほとんど高校生では手が出ないレベルの投手だ。しかしひとたびリズムを崩すともろく崩れるという悪癖は完全に解消されるには至っていないので、そこを他校はどうついていけるかが焦点。創志は打線の破壊力が今年のチームは今一つのため、西を登板させずに底上げを図った投手陣が踏ん張り、ロースコアのゲームを勝ち抜いていきたいところだ。追っていく一番手というより、本命に躍り出たといってもいいのが関西。ここ数年悔しい敗退が続いており、甲子園に出場すれば5年ぶり。打線の破壊力は折り紙付きで、春の中国大会を猛打で勝ち取った。エースの栗原が故障しているうちに白井、森井、赤穂らがマウンド経験を積んで一本立ちしたのも、夏に向けては収穫となっている。その関西と秋春ともに決勝を戦ったのはこちらも名門の倉敷商。相変わらず打線のつながりがいいチームで、複数の信頼できる投手を擁する投手陣にも不安はない。1勝1敗の関西との決戦で、3度目の正直を狙っている。この3校が戦力的に抜けている印象があるが、追っていくチームもなかなかの精鋭ぞろいだ。岡山理大付は潜在能力が高く、3強に土をつける可能性があるとみられる。打線が活発なチームカラーだ。一昨年の夏、昨春と2度の甲子園を経験したおかやま山陽も勢いに乗って3年連続、聖地への道を切り開きたい。玉野光南は打線が、倉敷工は投手力で勝負。明誠学院のエース横川なども面白い存在だ。

 

【広島】(参加90チーム) 
大本命は今年も広陵。しかし長年のライバル、広島商が巻き返してきて、久しぶりの宿命の対決があるか。

◎ 広陵 
〇 広島商 市呉 
△ 崇徳 広島新庄 如水館 
▲ 広 武田 尾道 

選抜で優勝候補の一角と目されながら、優勝した東邦に完敗した広陵。その後の県大会でも2回戦で敗れ、夏に向けて原点に戻り立て直しを図っている。とはいえ持っている戦力は他校を圧倒しているのも確か。コンディションさえ整えば優勝候補の筆頭に上がるのは間違いない。速球自慢の河野に森、石原とそろう投手陣の厚みは全国レベル。そこに強力打線が絡み、盤石の好守で夏3連覇を狙う。一方春にぐっと調子を上げて県大会を制したのは、広陵のライバル広島商。あれだけ毎年年中行事の様に甲子園に出場し、必ず上位に進出してきた全国屈指の名門校であるが、平成の30年間では、わずかに出場が一度あるだけにとどまり、伝統もすっかり色あせた感がある。近年はライバルの広陵にすっかり水をあけられた感じだが、復権をかけてこの令和の時代のはじめての代表の座を狙う。打線の破壊力があり、かつての広商野球とは一線を画する新時代の陣容で望む。選抜出場の市呉は、エース沼田の安定感が光る。初めての夏に向けて、打線の強化に励む。秋春ともに4強入りして中国大会を経験した崇徳は、その経験値を何とか生かしたい。早稲田大の指揮官で斎藤佑樹なども育てた応武監督が母校に戻り采配を振るい、自身が春夏出場して以来、なんと43年ぶりの夏の代表を狙う。ベテラン指揮官といえば、迫田監督の不可解な解任騒動で揺れた如水館はどうか。春は意地を見せて準優勝に輝いたが、元南海の大久保監督が振るう初采配のタクトは、いったいどのような結果をもたらすか。その他では毎年優勝に絡む強豪の広島新庄も外すわけにはいかない。春に活躍を見せた広、全国注目の速球派エース谷岡で大番狂わせを狙う武田、そして伝統校の尾道なども優勝争いに絡んできそうだ。



【山口】(参加57チーム) 
高川学園の戦力充実。3季完全優勝へ死角はない。大越監督率いる早鞆も、名門復活へ虎視眈々。

◎ 高川学園
〇 早鞆 下関国際  
△ 宇部鴻城 聖光
▲ 柳井学園 岩国商 岩国 周防大島

秋も春も県大会を制した高川学園が候補の一番手。秋は県大会で優勝したものの不祥事で中国大会は無念の辞退に追い込まれたが、春にその悔しさを晴らして中国大会でも準優勝。広島の強豪を連覇し、決勝でも関西をあと一歩まで追いつめた戦いぶりは見事だった。1年生ながら中国大会3試合に先発した左腕の河野がすごいインパクトをチームにもたらした。もとよりエースの田尻には力があり、夏に向けて強力な投手陣が出来上がりつつある。打線の破壊力も県下No1.ちょっと死角が見当たらないぐらい、充実した戦力になって夏に向かう。追っていく中では、春準優勝の早鞆を推す。甲子園準Vの経験もある元プロの大越監督の下、投手陣が揃いつつある。4人揃えたバラエティに富んだ投手陣は、相手チームの目先を変える意味でも面白い。打線も得点力は高く、高川学園に力勝負で挑める数少ないチームだ。3連覇を狙う下関国際はどうか。負けはしているものの秋春ともに8強には進出しており、何か一つ起爆剤があれば、3年連続の聖地は見えてくるところにつけている。聖光は左腕のエース中本を擁して秋準V、春4強と実績を残している。夏の連戦に不安は残るが、エースの活躍次第では頂点が見える。3年連続の決勝敗退と悔しさをもって今年にかけるのは宇部鴻城。選手個々の持っているポテンシャルは高いといわれ、本命の一角に上げる声もある。柳井学園、岩国商は打線が活発で、岩国は投手を中心とした守りで、かつて立ったあの舞台へもう一度と夢見ている。

 

【鳥取】(参加23チーム) 
全国最小極まる23チームでの覇権争い。今年こそはに燃える名門・米子東が優勝争いの中心に立つ。

◎ 米子東
〇 鳥取城北  
△ 鳥取商 倉吉東    
▲ 米子松陰 境 鳥取西 

毎年1チームずつ大会参加校が減り、今年は23チームの参加となった。有力校は先まで見通せる大会となっているので、さほど波乱は起こりえないと考えられるが、今年も順当に代表が決まるか。今年の候補は4校、秋春4強を占めた米子東、鳥取城北、鳥取商、倉吉東だ。選抜でもいい戦いを披露した名門・米子東は、今年は勝ち方を知るチームになった。エース左腕の森下は、球威こそないが打てそうで打てない投手の典型。徐々に相手を自分の術中にはめる技は、さすがID野球と思わせる。打線も長打こそ少ないもののもともと点の取り方が上手で、春から夏にかけての強化でグレードもアップ、徐々に長打力もついてきた。今年の県大会は、すいすい泳ぎ切ってしまう可能性が高いと見える。一方ここ最近ずっと県内のトップを走ってきた鳥取城北が鋭い追い足を見せる。もともと野球力の高い中学生が集まってできたチームのため、個々のポテンシャルは非常に高い。その個々の力が結集されると”県内無敵”となるが今年はどうか。エース成田と大黒柱の大成捕手のバッテリーはもちろん県下No1。秋春ともに県3位の実績を誇る鳥取商も、8年ぶりの夏を狙う。チームの精神的支柱でもあるエース清水の奮闘で壁を破れるか。倉吉東も久しぶりに戦力充実で秋春4強入り。穴のない攻守で、上位3校に肉薄する。その他は今年は県内で実績を残せていないが、一昨年代表の米子松陰、3年前の代表である境、第1回から出場する名門の鳥取西などが絡んできたいところだ。

 

【島根】(参加39チーム)  
まさかの公立だけの優勝争いが実現するのか?! それとも”私学3強”が夏を迎えて巻き返してくるのか。

◎ 大社 
〇 立正大淞南 開星 石見智翠館 
△ 三刀屋  矢上 平田 浜田 出雲商   
▲  

こんなにわからない大会というのも珍しい。予想の立てようがないというのが正直なところ。春の県大会は、ずっと長く”詩学3強”と言われてきた開星、立正大淞南、石見智翠館が立て続けに8強までに敗れ去り、4強にはすべて公立校が座った。大社が9回大逆転で優勝、三刀屋が準優勝に輝き、矢上、出雲商が4強に進出した。さかのぼる秋も開星こそ4強に上がって来たものの、優勝は大社、準優勝は平田と公立勢が占め、今年に限って言えば島根の勢力図は一変している。しかし果たして、それが夏も続くという保証はどこにもない。終わってみれば、私学3強が巻き返してきたということも十分に考えられ、何とも予測がつかない大会だ。そんな中で秋春ともに県大会を制した大社は大本命だろう。エース紙田に春成長を遂げた茶山が絡む投手陣は県内屈指と言える。どうしても守りの野球にならざるを得ないが、勝ち切る力は十分に備えている。春準優勝の三刀屋は盤石の戦い方で決勝まで進出、決勝でも9回まで4-0とリードを奪う理想的な展開だったが、9回裏に優勝を意識して乱れて5点を取られての大逆転サヨナラ負け。これがいい薬になるのか、それともショックを引きずるという感じなのか。1978年にただ一度だけ甲子園に出場したこの三刀屋、40年の時を経て華麗なる復活を遂げることができるか。矢上は打線が、平田はバランスがチームの売り。浜田も名門復活に今年の戦力には自信を持つ。一方の私学3強勢はどうか。立正大淞南はなんと今年は新チームになってから公式戦勝利なし。そのどん底から這い上がって一気に頂点を狙う。投打ともに好選手をそろえており、その可能性は十分にある。開星はエース沢田の出来に浮沈がかかるが、夏の戦い方を知っているだけに怖い存在だ。石見智翠館は例年通り夏を前にかなり仕上がってきたという噂も、今年は実績がないだけにどんな戦いになるのか。とにかくかつては「公立王国」と言われた島根県の高校野球界。その時代に戻ることができるのか、それとも。。。。いずれにしても、注目度は非常に高い大会となりそうだ。


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