表題の通りでご用達から先週到着したばかりのThe Superior SPIDER-MAN(”SSM”)19号の表紙がものすごく良い。先月紹介したSPIDER-MAN 2099 (“2099”)の図。現代に生きる彼の祖父の命が風前の灯なため、その子孫である彼の存在も、危機一髪。左手から出てくる迫力線の処理の仕方が綺麗。中身の画も描いているRyan StegmanとJason Howardの作品。こんな画を見せられるとそれ程Ryanのファンではないおいらでも、魅せられる。
今回は、そのSSM 19号と20号をレビューする。筋書きはいつもの通り、Dan Slott、19号の画はRyan、20号の画をGiuseppe Camuncoliが担当。
SSM 19号の粗筋。2099の祖父Tiberius StoneがHorizon研究所でしでかした3つの失敗が、Horizon研究所の大爆発に繋がる。2099はTiberiusがその事故で死なないよう努力し、悪のSPIDER-MANは、その爆発を防ごうとする。
いつもの通り、好きなシーン、台詞等を順不同で書く。悪のSPIDER-MANに不信感を抱くPeter Parkerの元カノで警察官でもあるCarlie Cooperの活躍が裏で進行している。彼女と行動を共にする渡辺警部が無駄にVigilanteになっているのが滑稽かな。読者にとっては、もう謎でもないのだが、Carlieが悪のSPIDER-MANの資金源を追っているのは、犯罪小説ぽくって結構好きだな。
自分の知力に過剰な自信を持つDr. Octopus/悪のSPIDER-MANが最後まで自身の知力で爆発を防ごうとするシーンも面白い。Doc Ockが消去してしまったPeterの記憶が結局爆発を防ぐ最後に必要な鍵だってのが皮肉で良いね。消去してしまった割には中途半端な記憶がいまだに残っているのは、矛盾だけど。(あ、この中途半端な記憶については、先月も書いたけど。んーん伏線なのかな。)
爆発寸前の悪のSPIDER-MANの台詞が印象的。The superior SPIDER-MANと名乗っているのに、爆発寸前に”After all I am inferior?!”という呟きね。Peterだったら、ぜったい諦めないし、彼とは違うアプローチを取ったな。
2099を未来に呼び戻さない決断をしたTiberiusの孫で、悪人のTyler Stoneの悪の笑顔も良いね。ちなみに、これ2099のタイトルを復活するための伏線でもあるな。
次にSSM 20号の粗筋。19号で起こった爆発と、Tiberiusの悪知恵にそそのかされたLiz Allenの乗っ取りにより、Horizon研究所は解散。所長はMaxは新たな研究活動を別の施設で行う。一方精神的には死んだPeter Parkerの元カノMJは、命を助けられた消防士Ollieに会いに向かう。一方、肉体的には死んでしまったDr. Octopusに恋するAngelinaは、彼の死のきっかけSPIDER-MANに復讐を企てるといった内容。全体的に次の話へのつなぎ的な話で大きな展開はない。
出だしで紹介された身元不明で病院に運び込まれた重体な人達二人が最初さっぱりわからなかった。一人はMadam Webで相変わらず、役立たずなのだが。Peter Parker復活への一歩かと思ったよ。思わせぶり過ぎ。
Peter復活への兆しと言えば、消防士Ollieの飼い犬Jake、妙にMJに馴れ馴れしい。こっちかPeterの精神が宿っているのは。(穿ち過ぎかもしれないけど。)
BLACK CATを「ぐー」で殴っちゃう悪のSPIDER-MANは彼らしい。折れた歯を心配する彼女が女の子らしくて好きだな。
今回もDoc Ockの自尊心の塊り振りは笑える。まずは、博士号を取る前から名刺にDr.と入れちゃうところ。バカだね。また、博士課程の論文の審査をしている教授Lamazeが、博士論文をDoc Ockの盗作だと看破した瞬間のPeterの姿をしたDoc Ockの表情も良い。
今回は気に食わないところ2点。まずは前述のDoc Ockの表情を描いたCamuncoli。時々気になるんだよね、彼の画力。インクを入れている人が悪いのかな。
それから、Doc Ockほどの自己顕示欲の塊が、Lamaze教授が昔読んだDoc Ockの論文が未発表というのは頷けない。絶対Doc Ockだったら発表する。Slottの話は面白いけど、Doc Ockと似て、策士策に溺れているんじゃないかな。(前述の中途半端な記憶も、たとえそれが伏線であったとしても、策に溺れている例だな。)
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