アメコミとラーメン

X-MENその61


X-MEN First Class(邦題ファースト・ジェネレーション)を観たので、その感想を書こう。前評判が良かったので、ものすごく楽しみだった作品。(そうでなくても腐れ縁で観ると思うけど。)一方、いつも聴いているPodcast、Tokyo Metpodの映画評論家Don Mortonさんの批評は、手厳しかったな。

内容は、若き日のProfessor XとMagnetoを含むX-MENがキューバ危機(1962年のアメリカとソビエトの核戦争に発展しかねなかった大事件。正直全然詳しくない。もっと知りたくなった。)を回避する物語。

主役の2人、James McAvoy (Professor X役)、Michael Fassbender(Magneto役)がとても良かった。Jamesは知的で思いやりに溢れたProfessor Xを演じきっていると思う。Michaelも若くてまだ思慮分別が足りなく、理想は平和を通しては実現できないという思い込みを上手く表現している。劇中Magnetoの力を引き出すために、彼の幸せなひと時を思い起こさせるシーンはぐっときた。(このシーン大好き。)

今回の初代X-MEN達BANSHEE、BEAST、HAVOC、MYSTIQUEが初々しくて良いね。自分達の能力を上手く操れないが、Professor Xの協力を得て使えるようになっていく段階が一番好き。この部分に時間を費やしてほしかったな。それから、悪ふざけが過ぎてProfessor Xから怒られるシーンも良いね。

ちょっと気に食わないのは、Emma Frost役の人。イメージが違う。昔のJohn Byrneが描いたEmmaや、今のGreg Landが描いたEmmaのイメージとちょっと違うんだよね。もしかしたら演技は上手いのかもしれないけど、こっちはX-MEN歴32年なんで先入観が、どうしても入っちゃう。

忘れてならないのがKevin Baconの演技。この人、悪役の方が似合ってる。本当に憎々しく感じるのは、演技のなせる技。設定が元ナチスの医者ってところが、ちょっときにくわないけどね。Sebastian Shawって、元々肉体派で知的とは程遠い感じがするもんね。それから、ナチス=悪みたいな設定は、陳腐過ぎる。もう少し、悪の秘密結社としてのHellfire Clubを前面に出してほしかった。

キューバ危機というテーマ、1960年代の設定、それから、前半の船の破壊シーン等、この映画を観て思ったのは、映画007シリーズの香りだな。エンディングクレジットなんて007シリーズへのHomageでしょ。音楽もどこかそんな感じなんだよね。(これは下種の勘ぐりかな。いずれにせよ劇中の音楽は結構気に行った。)これを書き終わった後、プログラムを読んだら、監督のMatthew Vaughnがかなり、007シリーズを意識したことが書かれていた。やはり。

物語の幕引きのシーンも気に入っている。Moira McTaggert はCIAの職員。合州国政府の人間をG(Governmentの”G”) MENというが、MoiraはProfessor Xに政府の下で働く必要はないと説く。彼女は、GではなくX( Charles Francis Xavier教授の名字の頭文字)MENでしょうとProfessor Xに言う。元々XはExtraordinaryの略なのだが、この解釈でも良し。

冒頭のDon Mortonさんは、この映画を子供向けと評していたが、それで何が悪いんだっけ?心から楽しめた。(伏線とかなくて、メッセージ性とか薄れて、単純っちゃー単純だけどね。)子供向け、プラス大人になりきれない良い年をした子供向けかもね。何が悪い?アメコミ映画なんだから。ちなみにDonさんのコメントはいつも楽しみなので、別にX-MENを子供向けと言われても悪い気はしてない。
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