アメコミとラーメン

性懲りもなくHobgoblin篇、SPIDER-MAN


年末にMilehighから買った中から読み終えた Amazing SPIDER-MAN (“ASM”)275、276号のレビュー。1986年の作品。

筋書きをTom Defalco、画をRon Frenzが担当。表紙はTom Morganが担当した276号のものを採用。

粗筋をさらっと紹介。HobgoblinがRoseなる謎のギャングと手を組みKing Pinの縄張りを狙っている。Flash Thompsonの彼女Sha ShanはFlashの裏切りを知り、ニューヨークを離れようとするが、Hobgoblinに人質にされる。彼女をSPIDER-MANはかろうじて救い、Hobgoblinを追い詰める。そして最後にはちょっと馬鹿馬鹿しい結末が待っている。

いつものように気に入ったシーン、台詞等を紹介する。今回はPeterの自信喪失篇。これまで、救えなかった数々の人に加え、この当時のMay伯母さんの彼氏Nathanをも救えなかったことで、無力感がピーク状態。遂に彼は引退を決意するが、Mary Jane (“MJ”)はそれをとどめようとする。これまで、Peterが何故SPIDER-MANとして戦っているのかを聞きたくなかった彼女がそれを問うシーンは結構良いな。MJは彼女なりにSPIDER-MANとPeterの二面性にストレスを感じていて、そこから逃げるために、敢えて過去を聞かなかった。しかし、Peterの苦しみを見てそれを乗り越えた。この頃から、PeterとMJの距離が狭まってくるのがわかる。この話から2年後のASM annual 21号で二人は結婚することになる。

上記のFlashの裏切りとは、結婚しているBettyと浮気をしていたこと。とても興味深い。ゲスノ極み状態だ。(これが言いたかっただけ。ちょっとネタとしては新鮮さが失われている。)Bettyの旦那Nedが、Sha Shan同様その関係に気付きFlashに言い寄るシーンは良いな。

Hobgoblinに空から突き落とされたSha ShanをSPIDER-MANが救うシーンはASM 175号のハイライト。Peterの昔の彼女Gwen Staceyを救えなかったのと同じ場面であるところが良いな。

画を描いているFrenzをこれまで、あまり好きではなかった。もちろんASM史上最高の画家ではないが、今回この話を読み、彼を見直した。戦闘シーンは物凄い迫力だ275号中、1頁全部を使ってSPIDER-MANとHobgoblinと街の人々を描いているシーンが一番凄い。しっかりとした構図にプロとしての矜持を感じる。ただし、彼の描くMJは可愛くない。

引退を決意したのも束の間、Hobgoblinの暴走を放っておけないPeterの台詞が好き。“If I walk away now, I’ll always feel responsible for every crime he ever commits…” 1962年8月に出版されたAmazing Fantasy 15号にて、SPIDER-MANは強盗を見逃してしまった。その結果Ben伯父さんがその強盗に殺されてしまう。その強盗とHobgoblinを重ねているのは明らか。

Hobgoblinの姦計に陥り、FlashがHobgoblinとして警察に捕まったのが馬鹿馬鹿しいオチ。ただし、Flashの身勝手な数々の行動(Sha Shanへの暴力、Bettyとの浮気)を考えれば因果応報というべきか。

意味がわからないのは、施設から脱獄したHuman Flyが謎のゴミ漁りに唐ウれたこと。何のために、Human Flyは出てきたんだ。このゴミ漁りは誰?

コメント一覧

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ロヒキアさん:

回答ありがとうございます。
そんなことが、起こってたのか。
この当時は大学生。
X-MENぐらいしか買ってない時期だったから、気付かなかったみたいです。
知らなかったから、全然ピンと来なかったですね。
ロヒキア
最後にヒューマンフライを殺害した人物はスカージ。
実は個人のキャラクターでなく集団だったりします。
1985~1986年のMARVEL COMICSの色んなタイトルに
話と関係なく登場しB級ヴィランを殺害しまくってます。

そのサブ・プロットは『CAPTAIN AMERICA』誌にて結実するのです
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