
今回はちょっと趣向を変えて、1980年のUncanny X-MEN (1963年のシリーズ、”UX”) 141号、142号をレビュー。二話完結のArc(複数話で完結する一つの話)、Days of Future Pastで、表題の通りX-MENの映画の原作とされるものである。海外漫画フェスタで来日したPeter Nguyenさんに描いてもらったコミッションの元ネタが141号の表紙。(添付画像がそれ)もう何人もの画家がこの表紙へのHomageを描いている。つい最近もHumerto RamosがGuardians of Galaxyの1号の表紙のデザインとして使っている。(買ってしまった。)ご多分に漏れずおいらもこのデザインが大好き。Peterさんにお願いしたのも、おいらのHomageを具現化したかったから。実は、142号の表紙も無茶苦茶かっちょ良いのだがUX 141号のものには敵わない。
筋書きをChris Claremont、画をJohn Byrne、インクをTerry Austinがそれぞれ担当。X-MENの中興の祖達だ。彼らがいなかったら、今のX-MENはないという巨匠たちだ。おいらのアメコミ熱を決定付けた人達でもある。今年初め、Byrneにコミッションをお願いしたばかり。高かったけどね。ちなみにByrneはX-MENのキャラクターを描く場合値段を高くする。
まずは、粗筋。未来の北アメリカに住むミュータントは、ナチスの強制収容所のような施設に入れられている。北アメリカを実質的に支配しているのは人工知能を搭載しているロボット、Sentinel。そして、その他の国々と最終戦争が近づいている。それを止める為、未来のX-MENのメンバーKateと現代のX-MENのメンバーKitty Pryde(同一人物)の心を入れ替えることを未来のX-MENは企てる。Sentinelの支配の直接の原因は、Kelly上院議員の暗殺。暗殺計画を実際に止めよう頑張るのは現代のX-MEN。
今回も気に入ったシーン等を書こう。まずは価格。見ての通り50セント。安い。33年後の今、3.99ドルとなったアメコミ達。高過ぎ。そして、昔のアメコミの香り。大好き。それから、字が多い。結構読むのに時間がかかる。これを買ったのは高校生くらいの時だけど、その当時の英語力では結構難解だった記憶がある。難解さを手伝っているのが、過去と未来が数ページ毎に入れ変わっているところ。今読み返していみるとその入れ替わりが面白い。
それから、現代は1980年に対して、未来は何と2013年。実際にその年になってしまった。良かったSentinelに支配されていなくて。考えてみりゃ、Terminatorのパクリだな。未来の世界で面白いのは、バスを馬が曳いているシーン。なんか先祖返りみたいで良いな。
この当時のX-MENのリーダーはSTORM。長年リーダーを務めたCYCLOPSがX-MENを脱退した直後の話。まだ、リーダーとして慣れていない。WOLVERINEなんて、なめまくっているもんね、彼女のこと。この頃のSTORMのコスチュームが一番好きだな。彼女が閉所恐撫ヌって設定も効果的に使われているのも良いな。
そして、今回の敵役Brotherhood of Evil Mutantsのリーダーは、Mystique。彼女もリーダーになったばかり。STORMと同じ立場に置くことが、効果的。彼女も、古株のBlobになめられている。最初に読んだ時には気付かなかったけど、この当時からMystiqueとX-MENの一員NIGHT CRAWLERとの特別な関係が示唆されている。これは収穫。
CYCLOPSと入れ替わりにX-MENに入ったKittyが初々しい。(彼女が初登場するのはUX 129号なのだが、正式に入ったのは、139号あたり。)全然彼女のミュータントとしての力を使いこなせていない。
Kelly上院議員の暗殺はX-MENの活躍により防ぐことができる。しかし、結局Sentinelの計画は進められるってオチはお約束ながら、面白い。未来は変わったのかってやつね。余計なお世話かもしれないけど、映画X-MENの世界ではKelly上院議員はもう死んでいる。どうするのかな。