大好きなアメコミ作家Peter Davidに敬意を表し、今回はX-FACTOR 262号最終回のレビュー。筋書きは、前述のPeter、画をNeil Edwardsが担当。Peterの前にまずNeil。過去の自分のメモを見ると彼の画にダメダメマークが書いてある。しかし、262号を読み終えてみて彼の画の印象はそれ程悪くなかった。大分上達したということかな。
粗筋はと言えば…。X-FACTOR の敵の一人Trypの罠にかかり警察に不法侵入の疑いで逮捕寸前のLayla Miller。そして悪魔Mephistoの力で化け物に変えられたMadrox。絶体絶命のピンチを救うのは誰か。
正直、今年に入ってからのX-FACTORのプロットは今一だった。前半のHell on Earth Warは地獄の神々との戦い。もっと小ぢんまりした、温かいユーモアにあふれた話の方が、Peterは得意だと思うんだ。後半は地獄の神々の戦いの後、バラバラとなったX-FACTORのメンバー達が、一話一話別々に行動している話。消化試合というような印象。最終話262話は、そんな消化試合を最後は引退選手がホームランを打って幕が下りた感じ。
いつものように、気に入ったシーン、台詞等。まずは、David Yardinの表紙。(添付画像)comicbookdb.comによれば、彼は200号からX-FACTORの表紙を担当している。それから、ちょっとお休みはあるものの、継続的に表紙を担当している。実験的なものも含め良い画が多かったな。今回の表紙も最終話に相応しい良い画だ。細かいけどブラインドの紐の描き方が好き。
2005年に再開されたX-FACTOR。再開されてからすぐ出てきたか覚えてないけど、Laylaは常に話の中心にいながら、問題解決の中心にいる。何故か知らないけど、解決の糸口を知っている。彼女の口癖は”I know stuff.”(どうでも良いことを知っている。)そんな彼女の262号での台詞、”I know a lot but not everything.”彼女の困惑ぶりを表現している良い台詞だと思う。
Laylaが妊娠したと告げた時の化け物Madroxのとった行動も好き。やはりキリスト教徒の国なのか、祈っちゃうんだな。
そのあと、なんの必然性もなく神になっちゃったSirynが、救いの女神として登場しちゃうのが、ずっこけちゃうけどね。ここで彼女が登場したのは意図した伏線とは異なると思うけど。(最初Neilの描くSirynを彼女と認識できなかったな。神に変わってコスチュームが変化したのが原因だけどね。)
SirynのX-FACTOR再結成を手伝ってほしいかという質問に対するMadroxの答えは良い終え方だと思う。”We’re done.”って言葉を2回使うところね。
最終ページのPeterの結びの言葉を読み落とすところだった。去年の暮の彼の心筋梗塞がX-FACTOR終了の原因ではないらしい。あ、それから、結びの言葉の中で示唆されていた 260号を読み返しみた。今度彼がやることがわかった。新たなX-FACTORの始まりだった。面子を変えね。なんだちょっとがっくり。
一方、気に入らないところ。話を最後にまとめにかかっていて、わからないところ、とか辻褄が合わないところが多数。例えば、何で警察がJack Kirbyが描くような武器を持っているかとか。それから、姿形ばかりか、心も化け物になりつつあるMadroxをどうやってLaylaが鎖で地下室に閉じ込めたかとかね。
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