
今月、ご用達からの荷物にUncanny X-MENが一冊も入っていなかった。寂しい。何しろX-MENの中では一番面白いからね。(Marvelの母艦誌といっても良い由緒あるタイトルだから当然。)さて、今回は先月と今月に到着したAll New X-MEN(”ANX”)、29号~31号をレビュー。
筋書きは、Brian Michael Bendis、29号の画をStuart Immonen、30号の画をSara Pitchelli、31号の画をMahmud Asrarが担当。添付画像はANX 30号のものを採用。Immonenの画の中で最高傑作かな。構図が良いし、画の中に収められているAngelが綺麗だな。31号のICEMANの表紙も良いが、30号が断然勝ち。
まずは粗筋。29号は前回からの続きで未来から来た悪のX-MEN篇の最終回。悪のX-MENで本当に悪いのは死んだXavier教授の息子。異母弟のRaze以外はこいつに操られていた。最後はJean Greyの力で難局を乗り切ったX-MEN達。未来から来たX-MENは未来へと戻る。30号ではX-MENの面々とちょっとの間離れて一息つくANGELとX-23、そしてEmmaと若きJean Greyの対決。31号では新たなミュータントの出現にも関わらず大人達がいない。過去から来たX-MEN達とX-23がその場に向かう。
今回も、いつものように、気に入ったシーン、台詞等を順不同で紹介。まずは、Jean Greyの力。それは結局、他人の身体を無意識に操れるってことなのかな。しかし、X23の身体に入り、悪のXavierを串刺しにしたシーンは良いな。ただし、必ずしもこのやり方がX-MENらしいとは言えない。
その後のテレパス三姉妹Cuckoosの会話も好き。Jean GreyがXavierを先にやっつけちゃったことに対するCelesteの一言、”Damn it.” (こんちくしょう、日本語では死語だな。しかし他に適当な言葉が思い浮かばない。)
わからないのは、未来から来たJean Greyがどうなったかだな。いつの間にやらマスクだけで、中身がいなくなっていた。多分これからの伏線だろうと思うけど。
伏線繋がりで言えば、悪のXavier。現代に残ったままだ。Dark Beastが片付いたと思ったら、今度はDark Xavierが跋扈することになるのか。こいつ薄気味悪いな。
そして、30号。今回の画を担当しているPichelliがもの凄く良い。Adam Hughesみたいに女性を綺麗に描く。ただ単純に画が綺麗ってだけじゃない。X-23やEmmaの表情が生き生きしていて引き込まれる。漫画を読んでいる時は、だいたいメモを取っているんだけど、上手いとか凄いとかの驚嘆の形容詞がノートに埋められている。日本に来ないかな。
ANGELとX-23のデートのシーンは一つ一つのコマが素敵。その中で2つほど紹介。まずはANGELの美的センス。これきっと本気だと思うんだけど、彼はJean GreyよりX-23の方が可愛いと思っている。しかし、それより自分の容姿の方が良いと思っている。というよりそれをX-23に伝えている。自意識過剰とも言えるし、現実を良く理解しているともいえる。
それからX-23の悪振りが楽しいシーン。両乳首にピアスをしているパンク野郎のピアスをもぎ取るコマがある。これ気に入っている。残虐なシーンが好きとかじゃなくて、彼女の戦いに対する姿勢が明確だからかな。
EmmaがJeanをトレーニングするシーンも楽しいね。最初は数人の見物客が少しづ増えて、最後には大人数になっている様子も楽しいし、ICEMANが今回も道化に徹しているのも良し。
最後に二人が打ち解けちゃうのはもう少し説明して欲しい気がする。
ANX 31号については、手短に。Asrarの画はもう一歩かな。また、どうもCarmenって若い女性のミュータントが、最後にICEMANやJeanを別次元(Ultimate Universe)に送ったのかがよくわからない。また、別次元のTony StarkとCho少年のシーンとの繋がりもまだまだ謎。
と乗り切れない中、ちょっと良いなと思ったシーン。X-23がANGELに紳士でいてほしいとたのんだ後のANGELの行動が素晴らしかった。ICEMANの執拗な質問攻めに対して、「大人になれよ」と言うだけ。彼に怒ったり殴りかかったりしない、紳士を演じて見せた。これ具体的なシーンじゃなくて、JeanがX-23に口頭で伝えている描写なんだけどね。若きJeanとX-23の友情の始まりっぽいのも良い。
さて、前回のSPIDER-MANの回の拍手コメントに、おいらの「情熱が伝わってくる」って感想がありました。ちょっと嬉しい。ありがとうございます。