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歯科技工管理学研究

歯科技工管理学研究ブログ
歯科技工士・岩澤 毅

偽善の医療 (新潮新書) 里見 清一 (著)

2009年05月04日 | amazon.co.jp・リストマニア
人情と科学(統計学)からの「流行モノ医療」批判, 2009/5/4

By 歯職人

 一応は建前が尊重され、建前による責任逃れが生きる道である社会で本音の吐露は難しい。増して「聖職」であり「赤ひげ」であることを期待される医師であれば。
 目新しいもの好きで且つ不勉強な記者相手に歯噛みし、情報に踊らされ過剰期待の患者に疲れ、建前をノウノウとノタマウ管理職と事務職に軽い怒りを覚え、それでも臨床に従事する医師の本音の吐露といった出だしであるが、内容は極めて現場の日常からの報告といった趣の一冊です。
 日本人にとって未知・未消化の西洋発の概念の導入(インフォームドコンセント、セカンドオピニオン、ホスピスケア)に混乱する臨床現場。
 著者は人情と科学(疫学・統計学)から、巷に流行る医学記事もどきや大人の事情で出来上がる医学記事(学会発表モノ等)の読解を行う。
 建前でなく、自分が求める医療を考える上で読んでおきたい一冊です。


ギゼンノイリョウ シンチョウシンショ
新潮新書
偽善の医療

里見 清一【著】
新潮社 (2009/03/20 出版)

222p / 18×11cm
ISBN: 9784106103063
NDC分類: 490.4

価格: ¥735 (税込)

詳細
「患者さま」という偽善に満ちた呼称を役人が押し付けたことで、医者は患者に「買われる」サービス業にされた…。
医療にまつわる様々な偽善を現役医師が一喝する。
「セカンドオピニオンのせいで患者と医者が疲弊する」「インフォームドコンセントは本当に良いことか」「有名人の癌闘病記は間違いだらけ」「病院ランキングは有害である」「安楽死を殺人扱いするな」―。
毒と怒りと医者の矜持が詰まった問題提起の書。

患者さま撲滅運動
消えてなくなれセカンドオピニオン
「有力者の紹介」は有難迷惑
安楽死を人殺し扱いしないでくれ
末期医療を巡る混乱と偽善
ホスピスケアはハッピーエンドか
最期は自ら決められるものなのか
「病院ランキング」は有害である
「告知」の無責任
○○すると癌になるというインチキ
間違いだらけの癌闘病記
インフォームドコンセントハラスメント
「がん難民」の作られ方
癌の「最先端治療」はどこまで信用できるか
贈り物は喜んで受け取るべきである

著者紹介
里見清一[サトミセイイチ]
臨床医。専門は呼吸器内科学・臨床腫瘍学。東京大学医学部を卒業後、大学病院内科および公立病院救命救急センターなどでの研修を経て、平成二年から呼吸器内科とくに肺癌の診療に専門に従事。日本癌学会・日本臨床腫瘍学会評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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