歯科技工管理学研究

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歯科技工士・岩澤 毅

岩澤毅 全世代が使える洗口設備の設置を/歯科からの社会デザイン提案に期待

2019年11月13日 | 歯科川柳・日本歯科新聞


日本歯科新聞 2019年11月12日 3面 左下

全世代が使える洗口設備の設置を
歯科からの社会デザイン提案に期待

岩澤毅(歯科技工士)

 11月5日付の朝日新聞朝刊「声」欄に、拙文「入れ歯手入れ設備 普及が必要」が掲載された。

 超高齢社会の進展とともに、入れ歯の使用者が、働く側そして消費者側に多く比重を占める時代になっている。その中で、入れ歯使用者の疑似体験から、皆が暮らしやすい社会への一歩前進を訴えるための「声」だ。

 政治や行政からは盛んに、高齢者の活躍への期待が表明されている。それが実現するに際し必要と思われる社会インフラと現在との間隙を埋めるため、歯科の視点から新たなデザインを提案する必要もあると思う。

 職場において、昼食後にブラッシング等の口腔ケアを行うための十分なスペース等が整備されていない現実を耳にする。外食産業の店舗や観光地、公共交通機関等でも同様だろう。ましてや入れ歯の手入れ、食物残渣の除去等となると人の目が憚られ、設備の整備等の声は上げ難いものと思われる。

 バリアフリー化やユニバーサルデザインの推進という時代の流れで、車イス利用者等が利用しやすい街づくりが徐々に進んできている。トイレやお手洗い空間も快適さ、便利さを増してきているが、歯科との関連で考えれば、洗口コーナーの普及までは至っていない。ましてや入れ歯の手入れができるスペースや設備の普及となると、なおさらだろう。

 トイレのウォシュレットを生み出し普及させた日本では、一度社会が入れ歯の手入れができるスペースの必要性に気づき、皆にとっての便利さを実感すれば、普及は可能ではないかと思う。

 入れ歯使用者に優しい設備や配慮がある観光地、交通機関、外食産業等が新たに市場を切り開き、入れ歯使用者に利便性に配慮できる企業が労働市場で遅滞なく高齢者を雇用し続けることが出来る。こんな未来図を指し示し、全世代が必要とする口腔ケアに必要な洗口コーナー等を人の居るところに設置する、社会インフラが普及する、そんな歯科からの提言が内容豊かに誕生することを期待している。


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岩澤毅 入れ歯手入れ設備 普及が必要 朝日新聞「声」
https://blog.goo.ne.jp/akisigi/e/883138b699a9b912449d96f6a9e016f0

入れ歯 毎日手入れしないと… 75歳以上は肺炎リスク約1.6倍に
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191105/k10012164721000.html

入れ歯の方は職場や外食後の歯磨きはどうされているのでしょうか
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1092407990

職場で、昼食後に歯磨きできない事情
https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1005/28/news040.html

ホリエモンが「口が臭い人には仕事を発注しない」と断言する理由~歯の予防医療はなぜ必要か
https://limo.media/articles/-/14208

小学校施設整備指針 平成22年3月-抜粋-
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/016/attach/1303512.htm

小学校施設整備指針 平成22年3月-抜粋- (トイレに関する記述部分)

第3章 平面計画

第5 共通空間

2 便所(p23)

(1) 児童の分布の状況及び動線を考慮し,児童が利用しやすい位置に,男女別に計画することが重要である。
また,障害のある児童,教職員及び学校開放時の高齢者,障害者等の利用に配慮した便所を計画することが重要である。

(2) 低学年のための普通教室,特殊学級教室,保健室等に近接した位置にもそれぞれ計画することが望ましい。

(3) 教職員用や外来者用の便所は,児童用とは別に,適切な位置に計画することが重要である。また,学校給食従事員の便所は,専用のものを計画することが重要である。

第4章 各室計画

第5 共通空間

2 便所,手洗い,流し,水飲み場等(p38)

(1) 水洗式で,男女別に児童数,利用率等に応じた適切な数と種類の衛生器具を設置することのできる面積,形状とし,清潔で使いやすい計画とすることが重要である。

(2) 障害者用の便器,手すり等の設備を設置した便所を,一般の便所内あるいは適当な位置に確保することが重要である。

(3) 便所の手洗い部分を,洗面室,洗面コーナー等として独立して計画することも有効である。

(4) 手洗い,流し等を設置する空間は,児童数,利用率等に応じた数の水栓を適当な間隔で設置することのできる面積,形状等とすることが重要である。

(5) 手洗い,流し等は,通行部分が濡れるような配置は避け,まとまりのあるコーナーとして計画することが望ましい。

第5章 詳細設計

第2 内部仕上げ

2 材質(p45)

(4) 水を使用する部分及び昇降口等の雨などが持ち込まれる部分には,清掃等の維持管理の方法に留意しつつ,耐水性,耐湿性及び耐食性に優れ,かつ,濡れても滑りにくい材質のものを使用することが重要である。
なお,調理室については,雑菌等の発生を抑制するドライ方式とすることが重要である。また,便所については,ドライ方式とすることも有効である。

(6) 汚れにくく,清掃がしやすい材質のものを使用することが望ましい。特に,食物を扱う室・空間,便所,洗面所,昇降口等の内装は,十分な耐汚性をもち,日常的に清掃がしやすい材質のものを使用することが重要である。


お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設企画課

電話番号:03-5253-4111(代表)(内線2021)、03-6734-2291(直通)

入れ歯の手入れを毎日しないと 過去1年間の肺炎のリスクが1.3倍高かった 〜世界で初めての一般高齢者における研究〜
https://research-er.jp/articles/view/83375

入れ歯の手入れを毎日しないと 過去1年間の肺炎のリスクが1.3倍高かった 〜世界で初めての一般高齢者における研究〜

プレスリリース 掲載日:2019.11.05

東北大学 相田潤 相田潤 KAKEN MHLW AMED

 東北大学 歯学研究科(研究院) 准教授 - 2019年度

推定分野  看護・健康科学 歯学

【研究のポイント】
•口腔ケアが誤嚥性肺炎の予防に有効であることは、入院患者及び介護施設入所者を対象に多くの研究で明らかにされている。しかし、地域在住高齢者においても口腔衛生状態を保つことが誤嚥性肺炎予防につながるかは明らかにされていなかった。
•本研究から要介護状態にない地域在住の高齢者においても、入れ歯の手入れを毎日はしない人は毎日手入れをする人に比べて、過去 1 年間に肺炎を発症した人が 1.3 倍多いことが明らかとなった。

【研究概要】

誤嚥性肺炎は高齢者の死因の上位を占めており、今まで誤嚥性肺炎予防のための口腔ケアが入院患者や介護施設入所者に対して実施され、その有効性が確認されてきました。しかし、入院や施設入居をしていない、地域在住の高齢者における口腔衛生と肺炎の関連についての研究はありませんでした。要介護認定を受けていない高齢者でも誤嚥性肺炎のリスクはあるため、こうした研究は重要です。

本研究では、65歳以上の地域在住高齢者約7万人を対象に、入れ歯の清掃頻度が少ないことが過去1年間の肺炎の発症と関連するのかを明らかにしました。その結果、入れ歯を毎日は清掃しない人において、過去1年間の肺炎発症のリスクが1.30倍、75歳以上の人に限ると1.58倍高いということが明らかとなりました。入れ歯の清掃を毎日行うことによって、地域在住の高齢者においても肺炎の発症を予防できる可能性が示唆されました。

要介護状態にない人でも、入れ歯を使っている人は、手入れを毎日行うことが肺炎の予防につながる可能性があります。また定期的に歯科医院で、入れ歯の状態のチェックや、家庭でとれない歯石などの入れ歯の汚れを除去してもらうことも大切でしょう。

本研究成果は 2019 年 9 月 24 日に国際科学雑誌 Scientific Reports に電子版が掲載されました。

【研究の背景】

肺炎は高齢者において死因の上位を占めており、嚥下機能及び免疫機能が低下する高齢者では、飲食物や唾液などが肺に入ることによる「誤嚥性肺炎」を発症するリスクが高く、誤嚥時に口腔内の微生物も一緒に肺に到達することにより、肺炎が発症すると考えられています。そのため入院患者や介護施設入所者に対して「口腔ケア」を実施することで、肺炎を予防できることが報告されてきました。しかしながら、誤嚥による肺炎発症のリスクは地域在住高齢者でも高く、口腔内を清潔に保つことは地域在住高齢者においても誤嚥性肺炎の予防につながると考えられます。

高齢者では歯の喪失に伴い、入れ歯(義歯)を装着している者が多く、義歯の表面には「デンチャー・プラーク」と呼ばれる細菌などからなる有機物が付着しており、それらが誤嚥により肺に到達し、肺炎を引き起こす可能性があります。

過去の肺炎予防に対する口腔衛生の有効性についての研究は、入院患者及び介護施設入所者を対象としたものであり、地域在住高齢者を対象としたものは存在しませんでした。本研究では、地域在住高齢者を対象として義歯の清掃頻度が過去1年間の肺炎発症と関連するのかを明らかにしました。

【対象と方法】

2016年に実施されたJAGES(Japan Gerontological Evaluation Study; 日本老年学的研究)調査に参加した要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者の内、義歯を使用している71,227人を対象に義歯の清掃頻度と過去1年間の肺炎発症の有無の関連を横断研究で調べた。義歯の清掃頻度は「毎日入れ歯の手入れをしていますか?」という質問に「はい」または「いいえ」で答えてもらった。分析に際して、無回答の項目を統計学的に補完した上で、交絡因子として性別、年齢、喫煙歴、等価所得、教育歴、現在歯数、ADL、脳梗塞・認知症の既往、肺炎球菌ワクチンの接種を用いて傾向スコアを算出し、逆確率による重みづけを用いたロジスティック回帰分析を行い、仮想的に対象集団の背景因子を同じにしたときに義歯を毎日清掃する人としない人で肺炎発症のリスクが異なるかを評価した。

【結果】

対象者71,227人のうち、過去1年間に肺炎を発症したと答えた人は2.3%、義歯を毎日は清掃しない人は4.6%であった。また、義歯を毎日清掃する人では過去1年間に肺炎を発症した人は2.3%であった一方、毎日は清掃しない人では3.0%であった。さらに75歳以上の人に限ると義歯を毎日清掃する人では過去1年間に肺炎を発症した人は2.9%であった一方、毎日は清掃しない人では4.3%と肺炎発症のリスクが高くなった。また、傾向スコアを用いた統計解析により、65歳以上の全対象者では義歯を毎日は清掃しないことにより、リスクが1.30(95%信頼区間:1.01-1.68)倍高く、また、75歳以上の人に限ると1.58(95%信頼区間:1.15-2.17)倍高くなることが示された。

【結論】

本研究から地域在住高齢者において、義歯を毎日清掃していないことで、肺炎発症のリスクが上昇する可能性が示された。義歯の清掃を毎日行うことが肺炎の予防につながる可能性がある。

【本研究の意義】

現在、誤嚥性肺炎予防のための口腔ケアは入院患者や介護施設入所者などリスクの高い人に対して行われている。しかしながら、高齢者の大部分を占めている地域在住の高齢者においても誤嚥性肺炎発症のリスクはある。今回の研究で示された義歯の清掃を含め、地域在住高齢者の口腔衛生状態も清潔に保っていくことが、日本人全体の誤嚥性肺炎の発症を減らしていくことにつながると考えられる。要介護状態にない人でも、入れ歯を使っている人は、手入れを毎日行うことが肺炎の予防につながる可能性がある。また定期的に歯科医院で、義歯の状態のチェックや、家庭でとれない歯石などの入れ歯汚れを除去してもらうことも大切だと言える。

【出版論文】

Kusama T, Aida J, Yamamoto T, Kondo K, Osaka K. Infrequent Denture Cleaning Increased the Risk of Pneumonia among Community-dwelling OlderAdults: A Population-based Cross-sectional Study. Sci Rep 2019; 9: 13734.

DOI: 10.1038/s41598-019-50129-9

関連キーワード #誤嚥性肺炎 #口腔衛生 #一般高齢者 #入れ歯

https://research-er.jp/articles/view/83594
世界初ヒト歯周病の歯茎で脳内老人斑成分が産生されていることが判明 〜歯周病によるアルツハイマー型認知症への関与解明の新展開〜
プレスリリース 掲載日:2019.11.14  九州大学

■効果・今後の展開

アルツハイマー型認知症は長いスパンで進行する病気です。発症する 25 年前から Aβ が蓄積され、15 年前から海馬の体積は減少し始めます。発症 5 年前にはさらに海馬の体積減少が進み、「物忘れ」が始まり、発症してから 5 年以内には要介護となります。発症時では海馬など脳実質の萎縮が進んでしまったため、現在根本的な治療法は開発されていません。今年の 6 月に政府が決定した「認知症対策の新大綱」に従来の「共生」に加え、発症や進行を遅らせる「予防」に初めて重点を置き「70代での発症を10年間で1歳遅らせる」という初めての数値目標を挙げました。このような背景でアルツハイマー型認知症の発症を遅らせる「先制医療」としての歯科医学アプローチは大きな意義があると考えています。今回の研究により歯周病菌感染が全身の炎症組織における Aβ 産生を誘発することが明らかとなり(参考図2)、現在全身で産生された Aβ の脳内への輸送可能性についての解析に取り込んでいます。カテプシン B が歯周病と関連した脳と全身における炎症および Aβ 産生・蓄積に関与していることから、経口投与可能なカテプシン B 特異的阻害剤の開発が期待されます。


建築物におけるバリアフリーについて
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutakukentiku_house_fr_000049.html
 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法) が、平成18年(2006年)12月20日に施行されました。
 バリアフリー法の全体の内容等については、バリアフリー・ユニバーサルデザイン施策のページをご覧下さい。

三菱地所設計
https://www.mj-sekkei.com/
LIBRARY 「特集やっぱり設計は面白い」
https://www.mj-sekkei.com/library/talk/
三菱地所設計取締役常務執行役員 デザイングループ副グループ長 大草徹也

TOTO通信 2018年 春号 新商品開発物語 「どこでも多機能トイレ」時代へ。
https://jp.toto.com/tototsushin/2018_spring/newitem.htm
TOTO㈱ トイレ空間生産本部 トイレ空間商品開発部 トイレ空間パブリック 商品開発グループ 髙塩 康洋
TOTO㈱ 衛陶開発第一部 衛陶開発 第二グループ 佐藤 俊博

参議院議員 木村英子 オフィシャルサイト
2019.11.5国土交通委員会「災害時における個別避難計画と障害者用トイレについて」
http://eiko-kimura.jp/2019/11/07/activity/499/

2019.11.5国土交通委員会「災害時における個別避難計画と障害者用トイレについて」
https://www.youtube.com/watch?v=X8tofehaK4Q&feature=youtu.be

上医は国を医し、中医は人を医し、下医は病を医す
http://nodahiroo.air-nifty.com/sizukanahi/2011/08/post-ed6c.html
https://www.taiyou-clinic.jp/blog/archives/247

#深沢晟雄
http://www.nisiwaga.net/masao/siryoukan.htm
http://www.town.nishiwaga.lg.jp/index.cfm/8,10167,11,html

#荻野吟子
https://www.gendaipro.jp/ginko/about.php
http://www.kumagaya-bunkazai.jp/museum/ijin/oginoginko.htm

#事務所衛生基準規則
#衛生器具の適正個数算定法
#空気調和衛生工学会
#労働安全衛生法

変わる。変える。パブリックトイレ。
https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NXT/18/toto_public/kanri/index.html

トイレの数まで注意?労働安全衛生法とは
http://www.sanei-office.jp/column/post-46/

オフィスの便器の数はどう決めるのか
https://note.mu/unsugo/n/n579b6820c525

第Ⅳ章 公共トイレの機能分散の考え方
https://www.mlit.go.jp/common/000209209.pdf

厚生労働省
受動喫煙防止対策助成金
職場の受動喫煙防止対策に関する各種支援事業(財政的支援)
この助成金は、中小企業事業主による受動喫煙防止のための施設設備の整備に対し助成することにより、事業場における受動喫煙防止対策を推進することを目的としています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049868.html

給湯室で歯磨きするなんて… トイレでやって欲しい
2012/8/21 17:00
https://www.j-cast.com/kaisha/2012/08/21143482.html?p=all

https://okwave.jp/qa/q7636808.html

会社のトイレの洗面所での歯磨きは衛生的?
https://www.excite.co.jp/news/article/Goowatch_203d8683bd8270235ef099c3d02e2da6/

「歯磨き」に関する調査データ一覧 | 調査のチカラ
https://chosa.itmedia.co.jp/tags/%E6%AD%AF%E7%A3%A8%E3%81%8D


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