歯科技工管理学研究

歯科技工管理学研究ブログ
歯科技工士・岩澤 毅

岩澤毅 入れ歯手入れ設備 普及が必要 朝日新聞「声」

2019年11月06日 | 朝日新聞・週刊金曜日


2019年11月5日 朝日新聞「声」 

入れ歯手入れ設備 普及が必要

歯科技工士 岩澤 毅 (秋田県 59)

 私は長年、歯科技工士として入れ歯などを作ってきた。この度、使用を疑似体験するため、入れ歯に似せた装置を口の中に入れて生活をした。

 本来口の中に無いものが入る違和感や、舌などの動きが制限されることによる微妙な発音のズレ、食事後に口の中に細かな食物カスが残ることによる不快感を経験することができた。

 高齢者が社会に占める割合が増し、働き手としても、外食や観光その他の業界の顧客としても、主要な地位を占める時代となっている。しかし、街の中には、入れ歯使用者が入れ歯の手入れなどを行う場所や、専用の洗面台などの設備がほとんどない。機能面にやや違いのあるトイレの手洗い設備を利用するしかないと思われる。

 11月8日は「いい歯の日」とされている。超高齢社会は「入れ歯社会」といってもよいかもしれない。入れ歯利用者が、街の中や職場で、安心して入れ歯の手入れができる設備の普及を考える日にしていただければと思う。

朝日新聞DIGITAL
https://www.asahi.com/?iref=com_gnavi_top

朝日新聞 オピニオン 「声」
https://www.asahi.com/opinion/?iref=comtop_gnavi#Koe

掲載エリア
東京本社版:東北地方、関東地方、甲信越地方、静岡県(名古屋本社エリアを除く) 北海道支社版:北海道
名古屋本社版:静岡県西部地方の一部(浜松市・湖西市)、愛知県、岐阜県、三重県(伊賀市・名張市・熊野市・南牟婁郡を除く)
西部本社版:九州地方(沖縄県を含む)、山口県

別編成
大阪本社版:富山県、石川県、福井県、三重県伊賀市・名張市・熊野市・南牟婁郡、近畿地方、岡山県、鳥取県、島根県、広島県、四国地方

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/016/attach/1303512.htm

小学校施設整備指針 平成22年3月-抜粋- (トイレに関する記述部分)

第3章 平面計画

第5 共通空間

2 便所(p23)

(1) 児童の分布の状況及び動線を考慮し,児童が利用しやすい位置に,男女別に計画することが重要である。
また,障害のある児童,教職員及び学校開放時の高齢者,障害者等の利用に配慮した便所を計画することが重要である。

(2) 低学年のための普通教室,特殊学級教室,保健室等に近接した位置にもそれぞれ計画することが望ましい。

(3) 教職員用や外来者用の便所は,児童用とは別に,適切な位置に計画することが重要である。また,学校給食従事員の便所は,専用のものを計画することが重要である。

第4章 各室計画

第5 共通空間

2 便所,手洗い,流し,水飲み場等(p38)

(1) 水洗式で,男女別に児童数,利用率等に応じた適切な数と種類の衛生器具を設置することのできる面積,形状とし,清潔で使いやすい計画とすることが重要である。

(2) 障害者用の便器,手すり等の設備を設置した便所を,一般の便所内あるいは適当な位置に確保することが重要である。

(3) 便所の手洗い部分を,洗面室,洗面コーナー等として独立して計画することも有効である。

(4) 手洗い,流し等を設置する空間は,児童数,利用率等に応じた数の水栓を適当な間隔で設置することのできる面積,形状等とすることが重要である。

(5) 手洗い,流し等は,通行部分が濡れるような配置は避け,まとまりのあるコーナーとして計画することが望ましい。

第5章 詳細設計

第2 内部仕上げ

2 材質(p45)

(4) 水を使用する部分及び昇降口等の雨などが持ち込まれる部分には,清掃等の維持管理の方法に留意しつつ,耐水性,耐湿性及び耐食性に優れ,かつ,濡れても滑りにくい材質のものを使用することが重要である。
なお,調理室については,雑菌等の発生を抑制するドライ方式とすることが重要である。また,便所については,ドライ方式とすることも有効である。

(6) 汚れにくく,清掃がしやすい材質のものを使用することが望ましい。特に,食物を扱う室・空間,便所,洗面所,昇降口等の内装は,十分な耐汚性をもち,日常的に清掃がしやすい材質のものを使用することが重要である。


お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設企画課

電話番号:03-5253-4111(代表)(内線2021)、03-6734-2291(直通)

https://research-er.jp/articles/view/83375


入れ歯の手入れを毎日しないと 過去1年間の肺炎のリスクが1.3倍高かった 〜世界で初めての一般高齢者における研究〜

プレスリリース 掲載日:2019.11.05

東北大学 相田潤 相田潤 KAKEN MHLW AMED

 東北大学 歯学研究科(研究院) 准教授 - 2019年度

推定分野  看護・健康科学 歯学

【研究のポイント】
•口腔ケアが誤嚥性肺炎の予防に有効であることは、入院患者及び介護施設入所者を対象に多くの研究で明らかにされている。しかし、地域在住高齢者においても口腔衛生状態を保つことが誤嚥性肺炎予防につながるかは明らかにされていなかった。
•本研究から要介護状態にない地域在住の高齢者においても、入れ歯の手入れを毎日はしない人は毎日手入れをする人に比べて、過去 1 年間に肺炎を発症した人が 1.3 倍多いことが明らかとなった。

【研究概要】

誤嚥性肺炎は高齢者の死因の上位を占めており、今まで誤嚥性肺炎予防のための口腔ケアが入院患者や介護施設入所者に対して実施され、その有効性が確認されてきました。しかし、入院や施設入居をしていない、地域在住の高齢者における口腔衛生と肺炎の関連についての研究はありませんでした。要介護認定を受けていない高齢者でも誤嚥性肺炎のリスクはあるため、こうした研究は重要です。

本研究では、65歳以上の地域在住高齢者約7万人を対象に、入れ歯の清掃頻度が少ないことが過去1年間の肺炎の発症と関連するのかを明らかにしました。その結果、入れ歯を毎日は清掃しない人において、過去1年間の肺炎発症のリスクが1.30倍、75歳以上の人に限ると1.58倍高いということが明らかとなりました。入れ歯の清掃を毎日行うことによって、地域在住の高齢者においても肺炎の発症を予防できる可能性が示唆されました。

要介護状態にない人でも、入れ歯を使っている人は、手入れを毎日行うことが肺炎の予防につながる可能性があります。また定期的に歯科医院で、入れ歯の状態のチェックや、家庭でとれない歯石などの入れ歯の汚れを除去してもらうことも大切でしょう。

本研究成果は 2019 年 9 月 24 日に国際科学雑誌 Scientific Reports に電子版が掲載されました。

【研究の背景】

肺炎は高齢者において死因の上位を占めており、嚥下機能及び免疫機能が低下する高齢者では、飲食物や唾液などが肺に入ることによる「誤嚥性肺炎」を発症するリスクが高く、誤嚥時に口腔内の微生物も一緒に肺に到達することにより、肺炎が発症すると考えられています。そのため入院患者や介護施設入所者に対して「口腔ケア」を実施することで、肺炎を予防できることが報告されてきました。しかしながら、誤嚥による肺炎発症のリスクは地域在住高齢者でも高く、口腔内を清潔に保つことは地域在住高齢者においても誤嚥性肺炎の予防につながると考えられます。

高齢者では歯の喪失に伴い、入れ歯(義歯)を装着している者が多く、義歯の表面には「デンチャー・プラーク」と呼ばれる細菌などからなる有機物が付着しており、それらが誤嚥により肺に到達し、肺炎を引き起こす可能性があります。

過去の肺炎予防に対する口腔衛生の有効性についての研究は、入院患者及び介護施設入所者を対象としたものであり、地域在住高齢者を対象としたものは存在しませんでした。本研究では、地域在住高齢者を対象として義歯の清掃頻度が過去1年間の肺炎発症と関連するのかを明らかにしました。

【対象と方法】

2016年に実施されたJAGES(Japan Gerontological Evaluation Study; 日本老年学的研究)調査に参加した要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者の内、義歯を使用している71,227人を対象に義歯の清掃頻度と過去1年間の肺炎発症の有無の関連を横断研究で調べた。義歯の清掃頻度は「毎日入れ歯の手入れをしていますか?」という質問に「はい」または「いいえ」で答えてもらった。分析に際して、無回答の項目を統計学的に補完した上で、交絡因子として性別、年齢、喫煙歴、等価所得、教育歴、現在歯数、ADL、脳梗塞・認知症の既往、肺炎球菌ワクチンの接種を用いて傾向スコアを算出し、逆確率による重みづけを用いたロジスティック回帰分析を行い、仮想的に対象集団の背景因子を同じにしたときに義歯を毎日清掃する人としない人で肺炎発症のリスクが異なるかを評価した。

【結果】

対象者71,227人のうち、過去1年間に肺炎を発症したと答えた人は2.3%、義歯を毎日は清掃しない人は4.6%であった。また、義歯を毎日清掃する人では過去1年間に肺炎を発症した人は2.3%であった一方、毎日は清掃しない人では3.0%であった。さらに75歳以上の人に限ると義歯を毎日清掃する人では過去1年間に肺炎を発症した人は2.9%であった一方、毎日は清掃しない人では4.3%と肺炎発症のリスクが高くなった。また、傾向スコアを用いた統計解析により、65歳以上の全対象者では義歯を毎日は清掃しないことにより、リスクが1.30(95%信頼区間:1.01-1.68)倍高く、また、75歳以上の人に限ると1.58(95%信頼区間:1.15-2.17)倍高くなることが示された。

【結論】

本研究から地域在住高齢者において、義歯を毎日清掃していないことで、肺炎発症のリスクが上昇する可能性が示された。義歯の清掃を毎日行うことが肺炎の予防につながる可能性がある。

【本研究の意義】

現在、誤嚥性肺炎予防のための口腔ケアは入院患者や介護施設入所者などリスクの高い人に対して行われている。しかしながら、高齢者の大部分を占めている地域在住の高齢者においても誤嚥性肺炎発症のリスクはある。今回の研究で示された義歯の清掃を含め、地域在住高齢者の口腔衛生状態も清潔に保っていくことが、日本人全体の誤嚥性肺炎の発症を減らしていくことにつながると考えられる。要介護状態にない人でも、入れ歯を使っている人は、手入れを毎日行うことが肺炎の予防につながる可能性がある。また定期的に歯科医院で、義歯の状態のチェックや、家庭でとれない歯石などの入れ歯汚れを除去してもらうことも大切だと言える。

【出版論文】

Kusama T, Aida J, Yamamoto T, Kondo K, Osaka K. Infrequent Denture Cleaning Increased the Risk of Pneumonia among Community-dwelling OlderAdults: A Population-based Cross-sectional Study. Sci Rep 2019; 9: 13734.

DOI: 10.1038/s41598-019-50129-9

関連キーワード #誤嚥性肺炎 #口腔衛生 #一般高齢者 #入れ歯

世界初ヒト歯周病の歯茎で脳内老人斑成分が産生されていることが判明 〜歯周病によるアルツハイマー型認知症への関与解明の新展開〜
プレスリリース 掲載日:2019.11.14 九州大学
https://research-er.jp/articles/view/83594
九州大学大学院歯学研究院の武 洲准教授と倪 軍軍(ニイ ジュンジュン)助教の研究グループは、中国吉林大学(九州大学との協定校)口腔医学院の周延民(シュウ エンミン)教授、同大学の聂 然(二ー ラン)大学院生(交換留学生)らの研究グループとの共同研究において、ヒトの歯周病の歯茎および歯周病原因菌であるジンジバリス菌(Pg 菌)(※1)を全身に慢性投与したマウスの肝臓に、脳内老人斑成分であるアミロイド β(Aβ)(※2)が産生されていることを初めて発見しました。

臨床研究により重度歯周病の罹患と認知機能低下が正相関することが報告され、Pg 菌成分がアルツハイマー型認知症患者の脳内に検出されたことから、歯周病によるアルツハイマー型認知症への関与が注目を集めています。研究グループは、ヒトの慢性歯周病の歯周組織におけるマクロファージおよび Pg 菌を全身投与した中年マウスの肝臓におけるマクロファージ(※3)に、Aβ1-42(※4)と Aβ3-42(※5)の産生を発見しました(参考図1)。さらに Pg 菌による炎症性マクロファージにおいて、カテプシン B(※6)に依存して Aβ1-42 と Aβ3-42 産生が誘導されていることを突き止めました。



入れ歯 毎日手入れしないと… 75歳以上は肺炎リスク約1.6倍に
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191105/k10012164721000.html

入れ歯の方は職場や外食後の歯磨きはどうされているのでしょうか
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1092407990

職場で、昼食後に歯磨きできない事情
https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1005/28/news040.html

ホリエモンが「口が臭い人には仕事を発注しない」と断言する理由~歯の予防医療はなぜ必要か
https://limo.media/articles/-/14208

#事務所衛生基準規則
#衛生器具の適正個数算定法
#空気調和衛生工学会
#労働安全衛生法

変る。変える。パブリックトイレ。
https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NXT/18/toto_public/kanri/index.html

トイレの数まで注意?労働安全衛生法とは
http://www.sanei-office.jp/column/post-46/

オフィスの便器の数はどう決めるのか
https://note.mu/unsugo/n/n579b6820c525

第Ⅳ章 公共トイレの機能分散の考え方
https://www.mlit.go.jp/common/000209209.pdf

厚生労働省
受動喫煙防止対策助成金
職場の受動喫煙防止対策に関する各種支援事業(財政的支援)
この助成金は、中小企業事業主による受動喫煙防止のための施設設備の整備に対し助成することにより、事業場における受動喫煙防止対策を推進することを目的としています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049868.html

給湯室で歯磨きするなんて… トイレでやって欲しい
2012/8/21 17:00
https://www.j-cast.com/kaisha/2012/08/21143482.html?p=all

https://okwave.jp/qa/q7636808.html

会社のトイレの洗面所での歯磨きは衛生的?
https://www.excite.co.jp/news/article/Goowatch_203d8683bd8270235ef099c3d02e2da6/

「歯磨き」に関する調査データ一覧 | 調査のチカラ
https://chosa.itmedia.co.jp/tags/%E6%AD%AF%E7%A3%A8%E3%81%8D


最新の画像もっと見る