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札幌・円山生活日記

ニッカウヰスキー余市蒸溜所~余市・小樽1泊2日旅(その1)~

本日は「にきやファーム&ブリュワリー3周年記念大収穫祭」の際に妻が引き当てた特賞の小樽ホテル宿泊券を使っての余市・小樽1泊2日旅の初日です。小樽に宿泊するならばと余市まで足を延ばすことにし「ニッカウヰスキー余市蒸溜所」の見学をネット予約してやってきました。アクセスは「北海道中央バス都市間高速バス」の「高速よいち号」利用で自宅近くの「円山第一鳥居」から「小樽駅前」を経由して「余市駅前十字街」に到着。「ニッカウヰスキー余市蒸溜所」正門は目の前です。

「ニッカウヰスキー余市蒸溜所」は日本を代表するウイスキーブランド「ニッカウヰスキー」発祥の地。日本人として初めてスコットランドで本格スコッチウイスキーの蒸溜技術を学んだ創業者/竹鶴政孝氏が夢への出発点として選んだ北の聖地です。完全予約制の「蒸溜所ガイドツアー」でウイスキ―製造施設・工程とともに竹鶴氏とスコットランド人のリタ夫人が暮らした旧邸宅やウイスキー博物館などが見学できます。
正門脇で受付を済ませて敷地内に入ると正面は国指定重要文化財の蒸溜棟。

その横にあるビジターセンター内で先ずはツアーのオリエンテーション。
ガイドツアーの最初は「第一乾燥塔乾燥棟(キルン塔)」見学。「乾燥棟」は大麦をいぶしながら乾燥させ発芽を止めて『大麦麦芽(モルト)』を作る施設ですが現在は『麦芽』の状態で輸入するため「乾燥棟」は研修目的使用のみとか。「第一乾燥棟」に並んで「第二乾燥棟」もあり共に国指定重要文化財 。特徴的な屋根は「パゴタ屋根」と呼ばれ蒸溜所のシンボルです。
続いて『大麦麦芽(モルト)』を粉砕した後に温水を加えて攪拌し麦汁(糖化液)にする「粉砕・糖化棟」及び糖化液を醗酵槽(醗酵タンク)に移し酵母を加えて醗酵させる「醗酵棟」です。
次の見学場所は「単式蒸溜器(ポットスチル)」が並ぶ「蒸留棟」。「醗酵棟」で発酵が完了したモロミをアルコール度数が高い蒸留酒にするための蒸溜を行う工程です。モルト・ウイスキーは単式蒸溜器(ポットスチル)で2回蒸溜を行いアルコールをとりだすそうです。
「余市蒸留所」では昔ながらの石炭による「石炭直火蒸溜」が行われており5分毎に石炭の投入作業が行われます。300℃の高温でアルコールを取り出す「石炭直火蒸溜」は温度調節が難しく熟練の技が必要ですが芳ばしい香りと力強い味を持ったウイスキーができあがるそうです。
「蒸留棟」で出来上がった蒸溜液を木製の樽に入れ貯蔵・熟成させる「第1号貯蔵庫」。外壁は石づくりで夏でも冷気が保てるように設計されているそうです。国指定重要文化財。
「1号貯蔵庫」の手前側は見学使用のため空樽ですが壁の奥にはウイスキーの原酒が貯蔵・熟成する実際の樽が置かれているそうです。
原酒は樽の中で熟成の過程で蒸発が進み20年で約1/2ほどに。一番奥がいわゆる「エンジェル・シェア(天使の分け前)」で約1/2ほどに減った樽のようす。色も琥珀色に変化しています。

「発酵棟」前の「旧事務所」。創業者・竹鶴政孝氏の事務所として1934年(昭和9年)に建設。国指定重要文化財。
「旧事務所」内部。創立当時は貯蔵年数が必要なウイスキーはすぐに商品化が出来なかったため余市りんご等のジュースを製造していたので社名は「大日本果汁株式会社」。1952年(昭和27年)大日本の「日」と果汁の「果」取り「ニッカウヰスキー」と社名変更。「旧事務所」内には「大日本果汁株式会社」の社名の入った金庫が残されています。
「研究室(現リタハウス)」。1931年(昭和6年)建設で工場の操業開始後にウイスキー製造工程の研究、ブレンド、成分解析などの研究室として使用された建物。国指定重要文化財。以前はカフェとして利用されていたものの耐震強度の問題で現在は建物内部は非公開だとか。
1935年(昭和10年)に竹鶴政孝・リタ夫妻の住居として工場内に建設された「旧竹鶴邸」。和洋折衷造りの玄関ホールが一般公開され夫妻愛用の品々などが陳列されています。

ウイスキー製造施設・工程の見学を終えいよいよ試飲会場「ニッカ会館」へ。
試飲で提供されるのは「シングルモルト余市」、「スーパーニッカ」、「アップルワイン」の3種類。それぞれのお勧めの飲み方が書かれていて水、氷、炭酸水なども用意されています。これでガイドツアーが無料と何てお得かと。
試飲を終えてガイドツアーは各自解散。我が家は続いて「ニッカ会館」内にある「RITA's KITCHEN」でランチです。余市の人気グルメ店柿崎商店 海鮮工房」は残念ながら本日は定休日でした。
「RITA's KITCHEN」のエントランス付近。リタ夫人の愛用品などが展示されています。
メニューはこちら。リタ夫人当時のレシピも参考にしたイギリス・スコットランド料理や北海道の食材を使った料理と飲物が用意されています。

「ポットスチルスモークディッシュ」(税込み1,300円)はポットスチル型の容器を開けると燻製スモークです。
「RITA's KITCHEN オリジナルローストチキン1/4 CUTプレート」(同960円)に「シェパーズパイ」(同830円)にスープ(グリーンピースとパルメザンチーズのポタージュ)とパンのセット(同520円)。
じゃがいもを丸鶏に入れてローストしたという「RITA's KITCHEN オリジナルローストチキン」はジューシーで1/4 CUTながらも十分に食べ応えがありました。
「ポットスチルスモークディッシュ」には6種の素材(エビ、ニシン、ラム、チーズ、ナッツ、卵)の燻製。香り高く試飲のウイスキーが持ち込めれば大変嬉しいところでした。もちろんアルコール飲料もメニューにありますのでお好きな方は堪らないでしょう。

食後は「ニッカミュージアム」。2021年10月に旧ウイスキー博物館を改修しウイスキーの世界を紹介する「ブレンダーズラボ」「ストーリーオブニッカウヰスキー」「ディスティラーズトーク」 と竹鶴政孝氏の生涯を紹介する「竹鶴イズム」で構成されます。
ニッカウヰスキーを代表する4つのブランド「余市」「竹鶴」「ブラックニッカ」「フロム・ザ・バレル」を紹介する「ストーリー・オブ・ニッカウヰスキー」。
「テイスティング・バー(有料試飲コーナー)」。
スペース中央に実際のポットスチル(蒸溜器)を配した雰囲気のある空間で蒸溜所限定商品を含むニッカウヰスキーを楽しめます。
続く「竹鶴イズム」は竹鶴政孝氏とリタ夫人の生い立ちを資料やパネルで紹介するコーナー。スコットランドでの蒸溜所実習記録、日本初の本格ウイスキー誕生への関わり、リタ夫人との私信など、貴重な資料を展示しています。
竹鶴政孝氏のパスポート(左)とスコットランドでの外国人登録証(右)。
竹鶴政孝氏の夢が実現した当時の「余市蒸溜所」の写真。このコーナーは見どころ満載で紹介したいものは山ほどですが画像が多くなりすぎるので割愛します。ぜひ皆さん現地をご訪問ください。
余市に日本のウイスキーづくりの聖地を創業した竹鶴政孝翁像。
最後に国指定重要文化財群の中を歩いて正門に戻っていきます。

正門を出て「リタロード」沿いにあるバス停から小樽への路線バスに乗車。次の目的地へ向かいます。続きます。ありがとうございました。

「ニッカウヰスキー北海道工場余市蒸溜所」
〒046-0003 北海道余市郡余市町黒川町7-6
TEL:0135-23-3131/FAX:0135-23-3137
(2024.10.5訪問)

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