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札幌・円山生活日記

開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」第2期「近代皇室を彩る技と美」~皇居東御苑「皇居三の丸尚蔵館」~

2023年11月に皇居東御苑内にオープンした「皇居三の丸尚蔵館」。開館を記念して「皇室のみやび~受け継ぐ美~」をテーマに同館が収蔵する皇室に受け継がれてきた貴重な品々を4期に分けて展示する記念展が開催されています。1月4日(木)から3月3日(日)までは第2期「近代皇室を彩る技と美」が開催中です。

一時帰京の最終日は皇居東御苑「皇居三の丸尚蔵館」で開催中の開館記念展「皇室のみやび」第2期「近代皇室を彩る技と美」の鑑賞です。前日に「皇居東御苑」を訪問した際に開催を知りすぐに日時指定のチケットをネット予約しました。午後の便で札幌へ戻る予定なので開館時刻の9時30分に合わせてやってきました。
「皇居三の丸尚蔵館」。「皇居東御苑」へ「大手門」より入苑してすぐです。
入場チケットは日時指定で事前にネットで予約。スマホに保管したQRコードを入館の際と展示室受付で2回提示します。

第二期「近代皇室を彩る技と美」のフライヤー。
皇居三の丸尚蔵館の収蔵作品には、明治時代以降に宮中において室内装飾として使用された美術工芸品類が含まれています。なかでも、明治22 年(1889)に大日本帝国憲法発布式が行われた場所でもある明治宮殿を飾った作品は、当時の著名な作家が最高の技術を凝らしたものです。第2期では、それらの作品とともに御即位や大婚25 年(銀婚式)など皇室の御慶事を契機として制作された作品、さらに明治・大正・昭和の三代の天皇皇后にゆかりのある品々をご紹介します。

展覧会は2章構成で第1章は「天皇皇后ゆかりの品々 ― 明治・大正・昭和」、第2章が「皇室の慶祝と宮殿を彩った調度」。展示会場では天皇・皇后両陛下の肖像や御製などの一部を除きほとんどの作品が撮影可となっています。
第1章「天皇皇后ゆかりの品々 ― 明治・大正・昭和」の展示会場。明治・大正・昭和の三代の天皇・皇后両陛下にゆかりのある品々が展示されています。明治パートで目を惹いたのが明治天皇の御下命で制作された「人物写真帖」。

《明治十二年明治天皇御下命「人物写真帖」『皇族 大臣 参議』(I類A-01)》大蔵省印刷局ほか明治13年(1880)頃。全39冊で当時の日本の中枢にいた総勢 4,531名の肖像写真帖です。展示のページは岩倉具視と三条実美の写真と詩歌。明治天皇がこの写真帖を見ながら“こいつはこんなヤツか⁉”と思われていたと想像するだけで興味深いです。

展示ページは会期中に変わるようで当日以降には「木戸孝允」と「大久保利道」が登場するようでした。見たかったです。

明治天皇の御遺品《鍵付き帳面》マケ社(19~20世紀)。

《赤枝珊瑚樹置物》明治時代(20世紀)。明治30年(1897年)の第2回水産博に出展された赤珊瑚を明治天皇の意向で鉢植えに仕立てられたものとか。

明治天皇の御遺品《鵞鳥卵蒔絵盃》明治時代(20世紀)。ガチョウの卵に蒔絵を施したもの。

大正パートで大正天皇の御日用品《銀製御髪(ぎんせいおぐしブラッシ)》鴻池美術店/明治~大正時代(20世紀)。
貞明皇后の御日用品《日傘》明治~大正時代(20世紀)。
貞明皇后の御遺品《七宝藤図花瓶》明治~大正時代(20世紀)。

昭和のエリアの皇室外交による豪華な宝飾品。サファイアとダイアモンドがあしらわれた豪華なネックレスは昭和46年(1971年)に国賓として来日したサウジアラビアのファイサル国王から香淳皇后(昭和天皇の妻)に贈られたもの。

第2章は「皇室の慶祝と宮殿を彩った調度」。旧江戸城西の丸御殿跡に建設された和洋折衷の建築で天皇が政務を行う御座所などがあった「明治宮殿」を彩っていた美術品が展示されています。明治宮殿は終戦前の昭和20年(1945)5月25日の空襲で焼失し、現在の宮殿である新宮殿が建設されたのは昭和43年(1968年)だそうです。

第2章「皇室の慶祝と宮殿を彩った調度」の展示風景。正面に飾られるのは縦2メートル半弱、横4メートル半という特大の日本画。
横山大観《日出処日本(ひいづるところにほん)》昭和15年(1940年)です。

展示室右側には明治宮殿を彩った帝室技芸員らによる花瓶や花盛器などが並びます。後方には当時の明治宮殿の写真も添えられています。

宮殿・千種の間に飾られた七宝会社製《七宝藍地花鳥図花瓶(しっぽうあいじかちょうずかびん)》明治22年(1889年)。

明治天皇の銀婚を祝して献上された鈴木長吉《百寿花瓶》明治27年(1894年)。


左側の天皇の即位に際して制作される悠紀地方・主基地方風俗歌屏風。川合玉堂《昭和度 悠紀地方風俗歌屏風(しょうわどゆきちほうふぞくうたびょうぶ)》昭和3年(1928年)。縦約2メートル30センチ、横約5メートル24センチが2つ並ぶ規格外のスケールです。

(右隻)伊吹山(春)と竹生島(夏)。

(左隻)瀬田川(秋)と比良山(冬)。

明治天皇の銀婚を松竹梅と鶴で寿ぐ荒木寛畝/野口小蘋《旭日双鶴松竹梅図(きょくじつそうかくしょうちくばいず》明治27年(1894)。

高橋源吉《大婚二十五年奉祝景況図》明治27年(1894)。

第2章で存在感を示しているのが重要文化財である海野勝珉《蘭陵王置物(らんりょうおうおきもの)》明治23年(1890年)。


匠の名品でした。以上で「皇居三の丸尚蔵館」の開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」第2期「近代皇室を彩る技と美」の鑑賞終了です。さすがに皇室に伝わる美術工芸品の数々、一流の作家による超絶技巧の作品の数々に圧倒されました。

なお第2期の会期は3月3日(日)まで。第3期「近世の御所を飾った品々」は3月12日(火)~5月12日(日)です。こうした展覧会の多さはやはり東京ならではです。

ホテルをチェックアウトの後は暫しの休憩を挟んで羽田空港へ向かいANA便で札幌へ帰路につきました。仲々充実した一時帰京でした。ありがとうございました。

開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」第2期「近代皇室を彩る技と美」
会場:皇居三の丸尚蔵館(東京都千代田区千代田1-8皇居東御苑内)
会期:2024年1月4日(木)〜3月3日(日)
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
入館料:一般1,000円、大学生500円(チケットはこちら
電話:50-5541-8600(ハローダイヤル)
(2024.3.1)

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