普通に見える一閑張りのカゴだが、
貼り方は原点とも言える捨て紙の二度貼り。
捨て紙と言うのは、役目を終えた通い帳や証文、手紙などの通称で、
いまでは古文書として貴重品になっている。
上質の和紙だが厚さが薄いので、強度を増すために二枚~三枚と重ね貼りする。
いまでは逆に贅沢な貼り方とも言える。
表面を保護する柿渋も、強度を増すために思い切って濃い目にしてみた。
数年先には、ほとんど文字は見えない程に濃く変色しているだろう。
出来あがって見れば今の貼り方と大差は無いが、
たまには原点に戻ってみるのも良いものだ。