「サバニのある風景」展
幼い頃に見た風景は、記憶の片隅に残り
私は、過ぎ去った時間に漂いながら残片を拾い集めた。
失われたものは、はかなく、そして眩しかった。
デジタル世界の激流は、私のアトリエも呑み込んで行く。
数字化された無味無臭な平面でも、嫌いにはなれなかった。
むしろ多くの平面の可能性を思う。
拾い集めた残像は、仮想現実として再び蘇える。
そして…。
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最近の母は、より認知症が進んでいる。
母は私を呼ぶときは「トシ坊」と言う。
いつもの様に、夕食の補助を終え、ベットへ寝かす。
好物の棒アメを舐めながら言った。
母「きぬ、トシ坊がいんからくーったん」(昨日、トシ坊は海から来なかった)
私「のーてぃぬばーりゃー」(どうゆうこと)?
母「みーつからー、んーななきゅうたー」(見たら、皆、泣いていた)
私「のーすうてぃ」(どうして)?
母「 . . . 本文を読む